自分のこころを支えるもの─それは重みのある一つの言葉

公開日: : 最終更新日:2013/11/14 リーダーのこの一言が組織を変える!

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(機関誌45号2004年9月)
あの時にあの人から言われた一言、その実行が人生に力強さを生む

1.こんな出来事が!

 ある会社で、生産部門をとりまとめる新任の経営幹部の方と話をしていた時のことだ。「入社されてあまり日が経っておられないのに、生産現場の状況把握はもとより、第一線の方々との良い人間関係を育んでおられますね。」と私。日頃、この方の人間味あふれたメンバーとの関わりを見るにつけ、その行動の素晴らしさに感心させられていた。そこで、そのことを率直にぶつけてみた。

 その方は「まだまだ」と謙遜されながらも、社会人になりたての頃、トップからいただいた一つの言葉について話し出された。「当時の経営者から『仕事は労務管理から身に付けよ!』と言われましてね。入社当時、ともすれば最先端をいく生産技術や、アメリカで脚光を浴びた生産管理手法に目を奪われがちな自分に一石を投じてくれたのですよ。『現場の仕事は何年もやっていれば自然に身に付く。が、形のない職場の人間関係づくりや人の協力を得るということは、自らが意識して関わっていかない限りいつまでも実力はつかない!』当時のこれらの言葉が、モノづくりの前にヒトとの関係づくりが大切なのだということを叩き込んでくれた様に想います」と、こころの支えになってきた言葉を振り返られた。

 私はこの経営幹部のお話から、生産に臨む姿勢、いや経営に対する姿勢の原点となるものを見たように想った。

2.私の想い

 この幹部の入社当時のお話を伺う中で、私自身も社会人になりたての頃を思い出していた。やはり同じように自分のこころの支えになっているある言葉がくっきりと蘇ってきた。それは、「(わが社の社員ではなく、独立したと思って)〇〇商店(この場合、水野商店)の店主になれ!」という言葉であった。

 ビジネスマンの中でも、置かれている職場環境・仕事の内容・雇用条件・上司とのやり取り等で、不平・不満・グチをこぼす人は少なくないのかもしれない。が、自らが経営者という意識をもつことで、環境次第・上司次第・他人次第に流されることなく、自分次第でこれまで仕事に取り組んでこれた様に想う。この心構えを社会人のスタートをきった時から植えつけられたことは、事業を営む様になった今その有難さをしみじみと感じられるものである。経営者は、当然のこととして言い訳や原因他人論・他力依存は許されないのだから。「補助輪(自らは動かない)ではなく、動輪(自らが動く)になれ!」は、今も自分のこころに息づいている。

3.日々への影響

 その人が拠り所とする言葉の重み――それを実感した私。そんな私が、経営者の方々によくご質問するのが、「社長の座右の銘は何でしょうか?」というものだ。その経営者の事業観・人生観をさらに身近に感じ、経営の原点を理解させていただく上で非常に大事にさせていただいている。

 経営者自らが、己を奮い立たせる言葉は何であるのか、本来のその経営者の原点に立ち戻れる言葉は何であるのか。言葉は知っているだけではなく、日々その言葉にそって経営に取り組み、生きていくことをしなければ、無価値であるということだ。

 厳しい経営環境の中、経営者に今求められるのは、自分自身へ投げ掛けるプラスの言葉である。自分を勇気づける言葉(自分は必ずやれる、まだまだこれからだ等々)が多いのか、逆に、元気までも奪ってしまう言葉(もうダメだ・自分にはできない等々)が多いのか。これが人生と事業を左右する。

4.生活・志事(仕事)の中での実践 

 アテネオリンピックで輝かしい結果をだした日本選手達。勝利のインタビューに共通点がある。それは「できる自分を信じて、ここまでやってきました(顕著な例として、水泳平泳ぎ二冠の北島選手の「勝つのは俺だ!」)」という言葉だ。こうした自己を信頼する気持ちと、自分を勇気付ける言葉の投げ掛け(アファメーション)が勝利に導いた原動力であったはずだ。

 結果を追い求める者にとって、まさに「言葉には命がある」ということを強烈に感じたオリンピック観戦の日々だった。結果を出すことが宿命であるのは、経営者もまったく同じだ。オリンピック選手に学び、科学的なメンタルトレーニングの必要性を改めて感じた貴重な日々であった。

 私達にとって、「あの時にあの人から言われた一言」、それを生かすも殺すも自分次第であるのは間違いがないところだ。座右の銘や、自分が元気になり自分のこころを突き動かす言葉を、日々自分に語りかける―、それが人生に力強さを生むとしみじみ想う日々である。

 経営者から入社早々に諭された重みのある言葉に、こだわり続けやり切った冒頭の経営幹部、その素晴らしいお話しから深い気付きをいただいたことに感謝したい。

 あなたご自身は何を感じられ、何を進めようと決意されましたか?

5.毎日の言葉

  • 「仕事は労務管理から身に付けよ!」
  • 「モノづくりの前にヒトとの関係づくり」
  • 「〇〇商店の店主になれ(経営者意識をもて)」
  • 「補助輪(自らは動かない)ではなく、動輪(自らが動く)になれ」
  • 「社長の座右の銘は何か?」
  • 「経営者に今求められるのは、自分自身へ投げ掛けるプラスの言葉」
  • 「できる自分を信じて、ここまでやってきました」
  • 「言葉には命がある」

6.自分を見つめる問い掛け

  1. あなたは、自分を勇気付けるためにどういったことをされておられますか?
  2. あなたはどのようにして、元気・やる気・勇気を高めておられますか?
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