経営者の自分づくりから始まる、未来の組織づくり
1.5世代づくりプログラム(略称「.5コンマゴープロ」)とは
事業承継では、先代と後継者の間に、考え方や立場の違いが生まれやすいものです。
先代には、
「まだ任せるには早い」
「これまで築いてきたものを守ってほしい」
「本当に会社を任せて大丈夫だろうか」
という思いがあります。
一方、後継者には、
「早く任せてほしい」
「自分のやり方で経営したい」
「いつまでも二頭立てでは前に進みにくい」
という思いがあります。
どちらかが間違っているわけではありません。
先代には、会社を守り育ててきた経験と責任があります。後継者には、新しい時代に合わせて会社を変えていこうとする意欲があります。
しかし、互いの思いが十分に理解されないまま事業承継が進むと、先代と後継者の対立が深まり、経営判断の混乱や組織の停滞につながることがあります。
そこで私たちが提唱しているのが、「1.5世代」という考え方です。
1.5世代とは
「1.5世代」とは、単に一代目と二代目の中間にいる世代を意味する言葉ではありません。
先代が築いてきた理念、信用、人脈、技術、文化などの良さを受け継ぎながら、後継者の持ち味や新しい発想、時代に合った経営感覚を生かしていく、新たな経営のあり方を表しています。
一代目のやり方を、そのまま守り続けるのでもありません。
二代目が、先代の経営をすべて否定して作り替えるのでもありません。
先代と後継者のどちらか一方に偏るのではなく、双方の良さを生かしながら、次の時代にふさわしい会社を共につくっていく。
それが、私たちの考える「1.5世代づくり」です。
「1.5」には、先代と後継者の間に立つ中間という意味だけではなく、両者の強みを掛け合わせ、新しい価値を生み出すという意味を込めています。
先代と後継者の双方が主体です
1.5世代づくりは、後継者だけを育成する取り組みではありません。
先代には、これまで築いてきたものを整理し、何を残し、何を任せるのかを明確にすることが求められます。
後継者には、先代の思いや会社の歴史を受け止めたうえで、自らの経営に対する考えや覚悟を育てていくことが求められます。
先代だけが変わるのでもなく、後継者だけが成長するのでもありません。
双方が自らの考え方や関わり方を見つめ直し、互いの違いを理解しながら、新しい役割と関係をつくっていくことが大切です。
対象となるのは、創業者と二代目だけではありません。二代目と三代目、現経営者と次期後継者、経営者と経営幹部など、次の世代へ経営をつないでいくさまざまな場面に活用できる考え方です。
.5コンマゴープロで取り組むこと
1.5世代づくりプログラム、略称「.5コンマゴープロ」は、先代と後継者が互いの思いを理解し、それぞれの強みを生かした事業承継と組織づくりを進めるための実践型プログラムです。
経営手法や事業承継の知識を学ぶだけではありません。
経営者、後継者、経営幹部が、自らの価値観、判断の癖、周囲との関わり方、会社に対する思いを見つめ直し、これからの経営に必要な姿勢と行動を具体化していきます。
プログラムでは、次の3つの段階を通じて取り組みを進めます。
自分を知る
自らの考え方や行動の傾向、現在の立ち位置を把握します。
自分を開く
これまで言葉にできなかった思いや迷い、将来への考えを整理し、周囲と向き合う土台をつくります。
自分を育てる
得られた気づきを日々の経営に落とし込み、判断や行動の変化として継続していきます。
こうした取り組みを通じて、先代が大切にしてきたものと、後継者が実現したい未来を結びつけます。
STEP1 自分を知る
経営者シン感覚プレセッション(略称:プレ)
最初のステップでは、まず自分自身の現在地を知ることから始めます。
日々無意識に使っている口癖や、ものの見方、判断の傾向を通じて、自分が今どのような状態にあるのかを体感的・実感的につかんでいきます。
経営は、現在地が曖昧なままでは前に進みにくいものです。
まずは自分を知り、自分の感覚に気づくこと。それが、次の変化への入口になります。
STEP2 自分を開く
経営者カクセイ合宿(略称:合宿)
次のステップでは、経営者としての人生そのものと深く向き合います。
日常の延長では見過ごしてしまいがちな想いや迷い、これからどのように生き、どのような経営をしていきたいのかという根本に向き合う三日間です。
“覚醒”という言葉には、自分の内側に眠っていた本音や覚悟に気づき、開いていくという意味を込めています。
経営者人生を見つめ直し、自分の軸をより明確にしていく、プログラムの中核となるステップです。
STEP3 自分を育てる
経営者同志が本音で語らう居場所「者塾」(略称:しゃじゅく)
最後のステップでは、気づきや覚悟を一過性のものに終わらせず、実践を通じて育てていきます。
者塾は、経営者同志が本音で語り合い、支え合い、磨き合う継続的な場です。
一人で考え続けるのではなく、異業種の仲間との対話や実際のケーススタディを通じて、判断軸・実行力・人間力を深めていきます。
経営者としての成長を、日々の経営と人生の中で積み重ねていく場です。
目指すのは、先代と後継者のウィンウィン
.5コンマゴープロが目指すのは、先代が一方的に身を引くことでも、後継者が一方的に主導権を握ることでもありません。
先代が、これまでの歩みや築いてきたものに誇りを持ちながら、安心して次の世代へ託すことができる。
後継者が、先代の思いを受け止めながら、自分らしい経営を実践できる。
さらに、社員や取引先も、経営の方向性を理解し、安心して次の時代へ進むことができる。
先代の良さが受け継がれ、後継者の持ち味が生かされ、会社も新しい時代へ成長していく。
そのような、先代と後継者、そして組織にとってのウィンウィンを実現することが、1.5世代づくりプログラムの目的です。
事業承継は、経営者の名前や役職を交代するだけではありません。
会社の歴史と未来をつなぎ、次の経営世代を共につくる取り組みです。
.5コンマゴープロは、そのための対話と気づき、実践の場を提供します。
