お客様との信頼関係を構築するために必要なたった一つのこと

事例体験から学びたい!

お客様との信頼関係を構築するために必要なたった一つのこと

仕事は自分都合でなくお客様都合

少ないながらも共に働くメンバーが増え、少し広い事務所に移転しようと、先日、不動産業者をまわった。

物件の案内をいただいた時に、対照的な二人の女性に出会い、仕事の取り組みについて、色々と考えさせられる機会を得た。

一人の女性は、全国展開をしている店舗の方。

ブランド力・知名度もあり、物件数も多い。

その方の経験も知識も豊富で、応対にもそつがない。

ただ、受け答えがマニュアル的で、こちらの意向は何か二の次。

なんとなく不動産業者の論理を押しつける感じは否めなかった。

2度目に伺った時、我々の顔すら覚えておらず、「こちらの顧客カードにご記入を!」と促された時にはさすがに寂しい想いがした。

もう一人は、地元の不動産業者の女性。

この女性は、入った瞬間の挨拶と応対の時の笑顔がとても印象的。

何より我々がどのような物件を探しているのかという意向や要望に熱心に耳を傾けて、その内容をよく理解してくれた上でのていねいな対応であった。

一方は、業界の慣習・会社都合・自店舗の都合・自分の都合を押し付けてくる印象が強く残り、一方は、全てがお客様の都合からスタートする。

この違いが、こころからお客様を理解した上で対応できるかどうかの分かれ道だと痛感したものだ。

顧客対応の進め方・やり方の面だけで見ると、決して前者が大きく間違っているとは思えない。

が、お客様に対して一番大切な

「お客様とは何か」

「いかにお客様と関わるか(あり方)」

という根本の所が欠落している様に感じたのである。

お給料は誰からいただいている?

私はこのお二人の女性担当者に、ふと、ある質問を投げ掛けたい衝動にかられた。

それは、「あなたはお給料を誰からいただいていますか」というものだ。

これは、よく新入社員の方に研修会等でする質問だが、このことは、新入社員に限らず仕事をする上で極めて大切なことであると常々私は想ってきた。

今回出会ったお二人の例から言うと(直接尋ねた上での結果ではないが)

前者は社長から」「会社からという答えが返ってくるように感じ

後者は、お客様からですよねさらに付け加えてお客様の満足や感動からという明るく元気な声が返ってくるようにイメージできたのである。

電話中

お客様を大切にすること=自分自身を大切にすること

どのような仕事でも、給料をお客様からいただいているのだから、自分の都合ではなくお客様の都合で考え動く(考動する)ことが大切ということは、社会人として当たり前のことである。

(これが意外に出来ていない人が多く驚くのだ)

しかしこのこと以上に、お客様を第一に考えていない(知識や言葉として知っているが実行できていない)店員や、周りへの配慮や相手への理解が不十分な人は大切なものを失っているのに気がついていないのではないだろうか。

それは、いわば目に見えない充実感ややりがい・感動という人生の宝物を失ってはいないだろうかということだ。

志(仕)事を通じて、お客様の笑顔や、「貴方のお陰でうまくいったよ、ありがとう!」という感動の場面や瞬間を得ずに終わってしまっているのは本当にもったいないことだ。

(注:志事とは?志に基づき、意志や魂をこめた仕事、仕えてやらされているのではなく自ら取り組んでいるもの)

これでは、こころを一つのバッテリーに例えれば、仕事をすればするほど、充実感ややりがいというものを放電し続けている状態といえる。

本当にむなしいことである。一方では、仕事をすればするほど感動や喜びに満ち溢れ、ますます充電が進むということだ。素晴らしいことである。

お客様を大切にすること、それが一番自分自身を大切にすることだということが、より鮮明に今回の出来事を通じて浮かび上がった瞬間であった。

仕事を面白く⇒お客様志向⇒充実感で自分を大切に⇒信頼関係の豊かさ⇒仕事が面白く

今回の出来事を通じて、接客業・サービス業という狭いくくりに留まらず、仕事の対価として給料をいただくということはどういう意味か?

働くということはどういうことなのか?

という大切なものを改めて見つめ直す機会を得たように思う。

仕事を面白くするのは、決して会社や上司やまわりにその答えがあるのではなく、自分のこころの中(姿勢や取り組み・想い)に大きな答えがあるように感じるのである。

お客様だから、仕事だから、言われたから、なんとなくやるというのではなく、自分の生き様だから、自分の人生のスタイルだから、自分らしくありたいから、想いを込めてやることが極めて重要なのだ。

その人の生き様や、人生で大事にしていることと、日常の仕事や生活の場面での様々な行動とが一致していなければ、真にお客様や周りの人を感動させることはできない。

そればかりか、『自分らしく生きる(言うなれば、自分を生きる)』ことにつながっていないのではないだろうか。

仕事で得られるお客様や周りの人々との信頼関係。

何よりそれが、人生のかけがえのない宝物として自分にプレゼントされるのは間違いのないことだから。

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

信頼関係を深める、リーダーのあなたへの言葉

  • 「会社都合でなく、お客様都合の取り組み」
  • 「お給料は誰からいただいていますか」
  • 「仕事を面白くする答えは、自分の心の中にある」
  • 「お客様を大切にすること、それが一番自分自身を大切にすること」
  • 「自分らしく生きる(自分を生きる)ことの真の意味を考える」
  • 「仕事で得られるかけがえのない宝物、それは周りの人々との絆や感謝」
水野秀則
水野秀則

  1. あなたがまわりの人に「お給料は誰からもらっていますか」と質問した時、どのような反応が返ってくると思いますか?
  2. あなたは何を充実させることで、信頼関係を深めておられますか?

(2020年6月26日リライト)

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