人が影響を受け動き出してしまう“コミュニケーションのポイント”!

事例体験から学びたい!

人が影響を受け動き出してしまう“コミュニケーションのポイント”!

こんな出来事が!

ある女性教諭の話を伺う機会を得た。

モンスターペアレント(理不尽で自己中心的に、非常識な要求を繰り返す親)の話をよく耳にする中、人を育むことは一筋縄ではいかないものという現場での難しさを感じるお話であった。

そこに身を置き、子供たちにブレずに影響を与え続けるのは並大抵なことではないと想う。

だからこそ、取り組みがいのある素晴らしいものだとしみじみと感じる。

この先生が子供との関わりの場面——喫煙・遅刻や、はては授業のさぼり等々——を具体的に話される時、先生の対応に、ある特長があることに気が付いた。

それは、
1.(それをしてしまったあなたの気持ちは)よくわかるよ
 2.(同じ立場や状況だった当時を思い起こし)自分の場合は
 3.(終わったことは)仕方がない
 4.(目標に向かって)やってみよう
という口ぐせであった。

相手を受け止めつつ、自分自身を引き合いに出し、過去にこだわらず、一つひとつの行動を通じて、未来の可能性を引き出していこうとする立ち位置(姿勢)が私のこころに焼きついたのである。

一人ひとりの子供を信じる温かな想いが、ひしひしと伝わってくる。その原点には何があるのか、そこにますます興味を引かれたのは言うまでもない。

私の想い

この先生が自分をさらけ出し、生徒と体当たりしておられる話を、その場面を想いつつじっくりと振り返ってみた。

その原点を探求する中で、身に染みたことが一つでてきた。

それは、子供に対し社会のルールや常識だからと言った形(あるべき論)でしか話をせず、自らの生き様や行動(ありたい論)で熱く語る大人が少ないというものだ。

人は案外意識せずに、

「未成年がタバコを吸うのはダメ」

「運動や栄養のことを考えないと、身体が大きくならないよ」

「遅刻ばっかりしていると、いい学校(大学)にいけない」という、あまり効果的ではない言い方を気づかぬうちにしているのかもしれない。

このことは、もちろん大人から子供という場面だけではない。

むしろ大人から大人の時にあっても、自らの生き様や行動で語ることが大切だと想う。

例えば、健康管理の大切さをいくら声高に叫んだとしても、人は自らが自分にとっての意義を実感しない限りなかなか動こうとはしない。

周りがその人の健康を高めよう高めようといくらやっきになっても、逆効果だったりする事例からも、よくわかるものだ。

日々への影響

今回の出来事を通じて、自分自身や周りの人の言動や健康面での取り組みを見つめてみた。

まず意識をしたのは、「(自分が)起きて、(周りの)人を起こす」ということだ。

例えば、運動や栄養に対する取り組みをこころの底から楽しんでいるのか、義務感や悲壮感が漂っていないかということである。

自分がやりもしないで、人のこころに火を灯すことはできない。

逆に言えば、自らが変われば、周りは簡単に変わる(自分へのアプローチが有効)ということなのかもしれない。

人材育成にも同じことが言える。自分ができないことを平気で指示したり、「規則だから守れ—」といったアプローチでは決して人は育たない。

まず自らがやる。

自発性の姿勢に灯をつける、そうした関わりが大切だということを、この先生は実践しておられるのだ。

もう一つは、ポジティブアプローチをさらに意識したことである。

人はとかく問題を見極め、現状とのギャップを解決するといった方法論を使う。

例えば、「ストレスを減らすにはどうすればいいか」と。

しかし、「ワクワク・イキイキするには、どうすればいいか」という未来志向の方法論もある。

冒頭の先生の事例で言えば、「遅くまで寝ていると、遅刻するよ」ではなく、「早く起きると、仲のいい友達と一緒の電車に乗れるよ」の違いだ。

こうすれば生徒の心は確実に動く。それもプラス方向へ大きく動く。このことに、子供も大人も関係はない。

生活・志(仕)事の中での実践

われわれ社会人にとって、健康増進法やメタボリックへの関心の影響もあり、健康は高めなければいけない(ダイエットしなければいけない)ものになっていないだろうか。これこそ義務感というものである。やらされ感がある中で、自分も周りも健康づくりに本気になれないのは、至極当然である。世に言う自己啓発もその類いになってはいないだろうか。何と言っても自分の心から湧き出た行動こそ大切なのだ。

今回のことは、もちろん健康管理だけにとどまらず、「人が本気で動き出すには?」「周りの可能性や行動を引き出すには?」という問い掛けに対して、何が大切かを見つめ直す機会となった。まさに家庭にあっては子育て、組織にあっては人材育成への回答を頂いた感がある。

 自らのコミュニケーションスタイル(くせ)をつかむことが、周りの人との人間関係に変化を生み出しその人の心のあり方や、行動にまで影響を与えるきっかけになることを実感する先生との素晴らしい出会いであった。

あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

毎日の言葉

  • 「よくわかるよ・自分の場合は・仕方がない・やってみよう」
  • 「あるべき論で話をせず、自らの生き様や行動を“ありたい論”で熱く語る」
  • 「自発性の姿勢に灯をつける」
  • 「(自分が)起きて、(周りの)人を起こす(自分アプローチ)」
  • 「ポジティブアプローチをさらに意識」
  • 「自らのコミュニケーションスタイルの気付きが、人間関係の変化のきっかけ」
水野秀則
水野秀則

  1. 人にアプローチ(接触)する時、あなたのくせは何でしょうか?
  2. あなたは、自分へのアプローチ・ポジティブアプローチを意識されていますか?

(2019年7月15日リライト)

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