自分を動かし、周りを真に動かすもの、それは一所懸命!

公開日: : 最終更新日:2013/11/22 リーダーのこの一言が組織を変える!

Pocket

(機関誌124号2011年5月)
こころの底にある、あなたの真の叫びは何でしょうか?

1.こんな出来事が!

女優、田中好子さんが亡くなった。キャンディーズの一員としてヒット曲を連発し、一躍トップアイドルに。そして人気絶頂の中、当時では異例と言われた後楽園球場を5万5千人のファンで埋め尽くすファイナルコンサートを開催。惜しまれながら’78年に解散、表舞台から姿を消した。
しかしその後、病床の弟さんの「テレビで活躍している姿をもう一度見たい」という声に押され女優として復帰。「おしん」「黒い雨」「ちゅらさん」等映画やドラマで活躍し、存在感ある演技で世代を問わず人気が高かった。

けれども、その裏にあの天真爛漫な笑顔からは想像できない苦痛と苦悩がいくつもあったとは・・・。’81年に当時19歳の実弟を骨肉腫で亡くした。結婚翌年の’92年には自身の左胸にガンが見つかり、治療・再発を繰り返して以来闘病20年間。病気のことをごく親しい人にしか告げず、女優業を笑顔で演じきった55歳の短い命であった。

一方女優業や自身の闘病だけでも大変な中、妹の夏目雅子さんを白血病のため27歳で亡くした夫や義母と共に、ガン患者へのかつら無償貸与・骨髄移植・エイズ問題等々、生涯医療の啓発活動に力を注いでいたのだ。

2.私の想い

痛みや苦しみ、不安が間断なしに襲ってくる中の、鬼気迫る演技や日常生活での人懐っこく明るい笑顔の背景には何が存在したのか。役者として人を惹きつけ、魅了するには何を大事にされていたのか。そして、ご自身を強く突き動かすものは何であったのか──。その生き様や仕事に懸ける想いに、私は無性に触れたい想いに駆られた。

晩年の作品では、社会のひずみや、そこから生まれる弱者を熱演した。阪神大震災を描いた「ありがとう」、裁判員制度を題材としたNHKドラマ「てのひらのメモ」。
中でも、19歳の大学生の一人息子を交通事故で亡くした母を演じた「0からの風」。追悼で上映会が行われていたが、実在の人物である鈴木共子さん(※1)のこころのひだを、迫真の演技で表現されている、としみじみ感じ入って観た。 

飲酒運転かつ無免許、再犯であっても、業務上過失致死罪、最高刑でもわずか5年という事実を受け入れ切れない主人公の悔しさと虚しさ。「息子の代わりを生きる」ため、母自らが同じ早稲田大学に入学・卒業する想いや喜び。飲酒運転撲滅等社会の意識を変え、法改正へ向かって行動された鈴木さんを全身全霊かけて演じられていた。深い想いに裏打ちされた行動に人と社会が動いていく様を、見事に表現されていたのである。
特に、雨の中亡くなった息子に語り泣き叫ぶシーン。そして加害者と向かい合い自らの想いを語るシーン。そのいずれもが、田中さん自身の魂の奥深い所から湧き上がってくる、命の叫び・生への叫びであるかのように感じ息をのんだ。

(※1 鈴木共子さんは「いのち」への強い想いを表現した「いのちのミュージアム」を東京都日野市に設立。代表理事を務めておられる。)

3.日々への影響

告別式。快晴だった天気が、参列者一同最後のお別れをした直後、嵐の様な雨と風が涙雨となって吹き荒れた。が、出棺の直前に空はまた晴れ渡ってきたのである。誰も知りえない何かを予兆するような現象であった。

そこに、ある肉声テープが流された。振り絞るような声であり、亡くなる直前のご本人のラストメッセージであったのだ。「(東日本大震災で被災された方へのお見舞いがあり、人生を共にしたランちゃん・ミキちゃんをはじめ周りの人に自分は幸せだったことを伝えた後)映画にもっと出たかった。テレビでもっと演じたかった。もっともっと女優を続けたかった。いつの日か、妹、夏目雅子のように、支えて下さった皆様に、社会に、少しでも恩返しができるように復活したいと思います
“いつかは死ぬ”のではなく、“いつ死んでもおかしくない”。死を遠い存在にしないことで、“生きる”がキラキラと輝くよと、スーちゃん(田中好子さん)の魂の叫びが、温かく私のこころの中にこだました瞬間であった。

4.生活・志(仕)事の中での実践

一生を懸けてやることは何か、それを一所に懸けるとすればそれは何であるのか。“一所懸命”という言葉がこれほどまでに迫ってきたことはなかった。
その懸ける姿勢から、真の魂が生まれ、人の琴線に響く仕(志)事や事業が生まれてくるのではないだろうか。それがスーちゃんには女優という志事であり、ある人物の人生を演じきるという営みだった様に強く想う。志事を通じて、命の大切さ、生きることの意味を多くの人に問い掛けることが彼女のこころの叫びであり、強い願いであったのは間違いがない。

生きるとは何か、原点にあるものは何か、志事や事業を何のために行うのか、自分が真にやりたいことは何か、という問いを今一度深く見つめ、再確認する機会を与えてもらったように感じる。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

5.毎日の言葉

  • 「女優業を笑顔で演じきった55歳の短い命」
  • 「深い想いに裏打ちされた行動に人と社会が動く」
  • 「もっともっと女優を続けたかった」
  • 「死を遠い存在にしないことで、“生きる”がキラキラと輝いてくる」
  • 「“一所懸命”」

6.自分を見つめる問いかけ

  1.  あなたのこころの底にある、“真の叫び”は何だと想われますか?
  2.  あなたは人を惹きつけ・魅了するには何が大事であり、ご自身が強く突き動かされるには何が必要だと感じておられますか?
Pocket

関連記事

リーダーのこの一言が組織を変える!

時間効率を他に求める前に、リーダー自らが方向性を明確に!

(機関誌57号2005年9月) リーダーとして、周囲の人の時間を奪っていないだろうか? 1.こん

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

かんしゃくの「く」の字を捨てて、ただ感謝!

(機関誌78号2007年6月) あなたは周りへの感謝を、いつどのように伝えていますか? 1.こん

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

こころが打ち震えた瞬間、人は自然に動き出す!

(機関誌74号2007年2月) あなたは周囲の人のこころに、火をともす人でしょうか? 1.こんな

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

人生の180度転換は、”自分次第”

(機関誌39号2004年3月) 矢印を内に向ける人、外に向ける人 1.こんな出来事が!  先日

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

バリア“アリー”で、日々の環境を自らの健康の味方に!

(機関誌119号2010年11月) あなたが心掛けるプチトレーニング・プチ感覚アップは何でしょうか

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

集中力を強化すれば、時間は無限大!

(機関誌38号2004年2月) 一点に集中する姿勢が真のゆとりを生む 1.こんな出来事が!  

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

夢を実現するための条件 ─ それは重点・集中・徹底の行動だ

(機関誌25号2003年1月) 計画の立てっ放し、言いっ放し、やりっ放しに自ら気付き歯止めを!

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

自分にとって最大の抵抗感が、最良の変革を生み出す(抵抗感はあっていい)!

(機関誌69号2006年9月) あなたの「こころの参入障壁」は何でしょうか? 1.こんな出来事が

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

現状打開の斬新なアイデア――それは視点を変えることから生まれる!

(機関誌62号2006年2月) あなたはリーダーとして行き詰った時、どのようなことに取り組みますか

記事を読む

リーダーのこの一言が組織を変える!

不慮の事故やトラブルも、実は自分がその種を撒いている!

(機関誌36号2003年12月) 健康を損なう時 ─ それは病気だけが引き金とは限らない 1.こ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

スパム対策のため日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

会議で決まらないのは、なぜかわかりますか 4つ目【回議】

会議で同じ議題がまた出てきて、決まらないことないでしょうか? 「この

会議の改善点を洗い出すには、ぜひこの視点を! 3つ目【悔議】

会議での討議は、過去のこと、今のこと、未来のこと、どの時点の話が多い?

会議の時間生産性を高める、今日からできる1つのこと 2つ目【戒議】

毎月、毎週ある会議、生産性高めたいですよね? 「会議を主催するトップ

会議体の見直し、カンタン即取り組める7つのポイント 1つ目【貝議】

会議と聞いて、湧いてくるイメージは? 「また会議、時間がないのに」

リーダーが叱ると怒るの違いに気づき、部下に届く叱る言葉のポイント #7

部下を叱ること、最近やっていますか? 「親にも叱られたことがない今の

→もっと見る

冊子 「部下が育つ報・連・相の受け方」期間限定無料贈呈中

PAGE TOP ↑