仕事は“人望”の総決算!

事例体験から学びたい!

仕事は“人望”の総決算!

2019年8月6日

こんな出来事が!

この秋から年末にかけて、複数の会社から立て続けに同じ様な主旨でリピート研修のご依頼をいただいた。「時間があるこの時期にこそ以前の研修で学んだ基本を見直し、しっかりと身体に定着させたい。そして、忙しくなった時に備え他社との差をつけておきたい」というものだ。中でもモノが売れないこの厳しい時代を反映してか、業務や配送担当等といった非営業部門の人材を含めた営業の実践力強化のための研修が多い。

その様な中、ある会社での研修は“全員が営業パーソン”というスローガンのもととにかく顧客訪問・顧客接点という“量”をアップする取り組みをしてきた。

そして今回はこれまでの研修を活かしつつも、お客様からご用命を多くいただき業績貢献できる営業マインド溢れる人材として、“質”の充実を意図とした内容で取り組みをすることになった。

私の想い

研修初日は、実践力強化の意味合いからロールプレイング(役割演習)中心で進行した。すると早速、現場の風景やお客様に挑む営業人材の一挙手一投足が、目に痛いほど飛び込んできた。“先ずやってみる!”という考えのもと営業パーソン役・顧客役に分かれ実践を披露する中で、現時点での営業人材の強みと弱み(伸びしろ)が通常よりも際立った感覚で、浮き彫りになって見えてきたのだ。

この会社の営業人材の強みは真摯で真面目である点。弱みはその裏返しで、忠実かつ堅実であるが故に、単刀直入にいきなり物を売り込んでおられる点。その場でのお客様の気持ちを考えたり汲み取ったりせず、ただ商品をご案内しているという面が見られ、損をしているところがあると強く感じた。──私はその強みと弱みを深く感じ取り、さらに研修を進めていった。

日々への影響

営業の世界でよく言われる言葉に「商品を売る前に会社を売れ!会社を売る前に自分を売れ!」というものがある。参加者の方お一人おひとりも、「頭ではわかってはいるけれど、行動でやり切れない」というもどかしさが研修当初はあった。

しかし研修が進むにつれ、自分を売る──つまり、営業パーソンとして大切な“自分を買っていただく”という考え方や実践トークが、お客様との真の信頼関係を構築し、価格競争に巻き込まれずに長期的な販売量増加や新規開拓に結びつくことを、参加者の皆さんは自然と感じ取っていかれた。商品の良さにはこだわりつつも、商品だけに頼らず人間力で差別化・差異化を図る営業人材としての誇りと愉しみまでも、以前に増して身に付けられた様に強く感じたのである。

志(仕)事での実践

人は、相手と話す時に何かの考えや自分の想いをもって向かい合っている場合が多いのかもしれない。営業人材であれば、「お客様にこちらを提案しよう!」「この話を伝えよう!」と。

これは、よく言えば目的や意図をもっている、ということになる。しかし、悪く言えばお客様に対しての下心や何かを操作しようという面がある、といえないだろうか。お客様側から見ればそれらが透けて見えてしまっている場合があるかもしれない。現場に立っている時、自分自身に意識が行き過ぎて、肝心要のお客様への意識はどの程度あるだろうか。固定概念をとり除き、あるがままの素直な心でお客様と向き合うことが大切だと想う。

──リーダーとして部下に相対する時なども同じである。大事な相手の気持ちを感じることや相手の今を聴くことがおざなりになり、不自然さやぎこちなさ、行き違いを生んでいる点はないだろうか。とらわれのないまっさらな心で向き合うことが人間関係を豊かにするように想うのだ。

今回の研修での取り組みを通じて、経営の神様・松下幸之助氏が人と向かい合う時のポイントとして強く言われていた「素直な心で」「あるがままに(とらわれをなくす)」ということの大切さが実践を通して深まったように想う。仕事の成果は、人脈という単なる数や量的なものだけではなく、人との質的な深まりや充実が重要なのだから――仕事は“人望”の総決算!

あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

毎日の言葉

  • 「先ずやってみる」
  • 「商品を売る前に会社を売れ!会社を売る前に自分を売れ!」
  • 「自分を買っていただく」
  • 「人間力で差別化・差異化を図る営業人材としての誇りと愉しみ」
  • 「相手と話す時に何かの考えや自分の想いをもって向かい合っている」
水野秀則
水野秀則

  1. あなたは“あるがまま”でお客様や部下と向き合っておられますか?
  2. あなたは自らのファンや人望を高め増やすために、何に取り組んでおられますか?

(2019年8月6日リライト)

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