主任とは?その役割とは? ~中小企業の後継者が、共に考え伝える~

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主任とは?その役割とは? ~中小企業の後継者が、共に考え伝える~

主任と係長の違いって明確ですか?

  • 「主任は一般職、係長は管理職」
  • 「スポーツに例えると、主任はキャプテン、係長以上はコーチ」
  • 「主任はプレーヤー要素が多く、係長は管理職要素が多い」
  • 「通常の上下関係でいえば、主任が下で係長が上」

一般的には、等々ではないでしょうか。

今回は、両者の違いを探りながら、自社の主任職の役割を明確にしていきましょう。

そのことで、主任育成のOJTOn-the-Job Training現任訓練)のヒントにしていただければ嬉しいです。

主任と係長の違いは、中小企業の現場では不明確?

水野秀則
皆さん、こんにちは、経営コンサルタント®水野でございます

今回は、我々後継者が、組閣のために次世代を担う主任をいかに育てるか?

この“主任とは何なのか?”

主任の“役割”とは何なのか?

係長との違いとは何なのか?

どういったところを主任に伝え、育成していけばいいのか?

こういったことを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

水野秀則
ズバリ、主任と係長の違いとは?

皆さんは、何だと思われますでしょうか?

そうですね、主任っていうのは、

スポーツに例えればプレイヤーですかねぇ

受講生
係長コーチみたいな役割になるんですか?
受講生

っていうような意見であったり、

主任はやはり一般職であって、

係長であれば管理職というようなイメージがありますね

受講生

というような意見が割と多いのかな、と思っています。

我々、中小企業ではですね、ここの違いが意外と重なってたりとか、

不明確であったりするのが、中小企業なのかなぁ、と思っております。

そういう中で主任を育てていく、あるいは、係長にさらに上がっていく人財を育てていくためにですね、

まぁ、どういう切り口が大事なのかな、ということで、

これから“2つ”のことをお話していきたいと思います

主任を育てる2つのこと

水野秀則
主任も係長も影響を与える人。

その与え方が違います。

主任の入門編(入口)

  • 後輩のモデルになる
  • 現役プレーヤーとして最高レベル

まず1つめの切り口はですね、主任の入門編ということで、どういう機能を求められるのか?

ここを考えていけば割とわかりやすいのかなと思っています。

まず、主任の入り口としてはですね、後輩のモデルでいること、

これがすごく大事なことだと思います。

で、自分自身として最高のパフォーマンスを自分の担当部署、実務で発揮している状況、

これがやはり主任の役割のベースになるところだと思います。

ここをきっちりできてこそですね、後輩たちはその主任の背中を見て、

「あの先輩みたいになりたいな」「ああいうふうなことができたらいいのになぁ」

というような形になるのではないでしょうか。

ですから、主任ということで、入門はですね、やはり現役プレーヤーとして、

最高レベルのものを身に着けるのと、後輩のモデルでいるということで、

自分が一馬力だとすれば、その一馬力で最高能力を発揮できるっていうところが、

この主任のまず、求められている入門編ではないでしょうか。

主任の卒業編(出口)

  • 1馬力ではなく、多馬力へ
  • リーダーシップを発揮し始める

そして、次に2番目にはですね、主任の卒業編ということで、

どこに近づけば卒業になるのか、主任としてのゴールになるのか、

これは、ずばりですね、1馬力ではなくて多馬力

人を通じて成果を生み出すといったところをですね、

やれるかどうか、そこに近づいているかどうか、

リーダーシップを発揮しつつあるかどうか、

まぁ、こういったところが、多くなってくれば、まさしく主任が卒業できるっていう状況ではないでしょうか。

通常は先ほどの1番目の役割と、2番目の役割、

こういったものの、ウェイトがですね、最初の主任になりたての頃はやはり自分自身が最高のプレーヤーでいること、

ここにすごく力点があると思うんですけども、徐々に、主任としてレベルアップをしていく中で、

2番目のこの役割、人を通じて成果を上げる、

そしてリーダーシップを発揮できるという役割が増えてくるのではないでしょうか。

今回はその主任としての入り口と出口、初歩、初級と、卒業というようなところで、

2つの切り口でお伝えをさせていただきました。

我々、組織のリーダー、あるいは後継者の方が主任を育てる時にですね、

ご参考にしていただければと思います。

まとめ

主任の役割入門は、現役プレーヤーとしての最高レベル

主任の役割入門

  • 後輩のモデル。(その分野の)実務のプロ。まだ一馬力。
  • 「あの人の様になりたい、ああやってみたい」と言われる存在。
  • 背中で語る要素が強い。行動や実務で影響を与える。
水野秀則
後輩が目指すモデルとして影響を与える存在

主任の役割卒業は、係長や課長の登竜門、コーチ見習い

主任の役割卒業

  • リーダーシップの入門、人を通じて成果を出す人、多馬力へ。「自分がやった方が早い」からの脱却。
  • 「あの人がいるから頑張ろう」と言われる存在へ、面倒見の良さを増やす。
  • 人を通じて、成果を生み出す人へギア転換。
水野秀則
リーダーシップで影響を与える存在へ

YouTubeでも詳しく解説しています

今回の、「主任とは?その役割とは?」について、

YouTubeでも、わかりやすく解説しています。

ぜひ、動画でも「主任とは?その役割とは?」について理解を深めてください。

水野からの問いかけ

水野秀則

  • あなたが今強化したいのは、主任の役割?それとも係長の役割?(現在地の確認)
  • あなたが求める、主任職への思いは?

主任の育成を通じて、チーム作りを進める意味

後継者として、孤軍奮闘になっていませんか?

  • 「既存の部門長に言っても、自分の実務経験の無さからはね返される」
  • 「現社長である親父おやじに提案しても、なかなか意見が通らない」
  • 「社内や部門の改革を進めようとするも、理解者がいない」
  • 「違う部門から、配置転換や転勤・転職で来たので、自分の強みを活かせるか不安」

等々、強い想いをもちながら、空回りになっていたり不安を感じることはないですか。

今回は、そういった後継者のための、

「チームづくり=主任の育成」についてご提案します。

主任を育てる2つの意味

よくこういう声を聴きます。

受講生
親父おやじである先代の社長に対して、なかなか意見が通らないんですよ

あるいは、もう既にいらっしゃる幹部の方に、

「一緒にやっていこう」と誘うんだけど、

今までの考え方であったりとか、実績が邪魔をして、

中々こちらの言うことに耳を傾けてくれない。等々あります。

後継者として、あるいは新しくその部門に来たリーダーとして、

どうしたらよいのか分からず、孤軍奮闘されている事例をよく見ます。

だからこそ、主任を育ててですね、チームを作りながら、まずは実績を上げる。

あるいは、組織としての発言力を強化していくことで、影響力を獲得していきます。

まずはその、とっかかりとして、今回の「主任を育てる」というテーマが大きな意味を持つでしょう。

それでは、大事な2つのことを、これから伝えてまいります。

1つ目は、チームを組む意味

1つはですね、チームを組むことの、そもそもの意味とは何だろうかと、

これまでのシリーズでは、組織力を伝えてまいりましたので、

だいぶ皆さんにも、お伝えができたかなと思っております。

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それではまず、「チームを組む意味」について、この言葉をご紹介したいと思います。

一人では何も出来ない。
しかし、まず誰かが始めなければならない。

会社や組織に新しい風を吹き込もうと、後継者や、組織のリーダーとして大志を抱き、

まずは、自分が発起人となって、新たに現場に立つわけですけれども、

実際の現場では、自分1人のできること、影響力の小ささに出鼻をくじかれ、自信を喪失してしまう方がとても多い。

まず、自分が最初に、一人でもスタートさせることから、全てが始まりますが、

同時に、一人では何もできない、変えられないことにも、すぐに直面します。

とにかく一人でなんとかしようと思ったとしても、なかなか、

今までの体制であったり、今までの実績が障壁となり、思うようになりません。

この、「一人の発言力は知れている」という、現実を早めに受け入れましょう。

そして、自分の影響力、発言力を拡大させるためには、

「チームを組む」ことが、突破口となり、

チームの仲間として最適なのが、主任なのです。

2つ目は、主任を育てる意味

2つ目は、チームの仲間に主任を選び、その主任を育てていくことについて、

これも一つの言葉をご紹介したいと思います。

これは奈良にある酒造メーカーの、実績をあげられた社長さんから若い時に、

やはり、教えていただいた言葉です。

「1年を計る人は花を育てる」

「10年を計る人は木を育てる」

「100年を計る人は、人を育てる」

※中国の古典「菅子」の一節「一年之計、莫如樹穀、十年之計、莫如樹木、終身之計、莫如樹人」を参照

この言葉を伺いました。

これは、1年の計画を立てるのならば、年内に収穫のある花を植え、

10年の計画を立てるのならば、木を植えるのが良く、

そして、一生涯の計画を立てるならば、人を育てることであるという教えでございます。

1を植えて1の収穫があるのが花で、

1を植えて10の収穫があるのが木材、

1を植えて100の収穫があるのが人財とも言えます。

つまり、短期勝負であれば業績であったりとか、

あるいは中期勝負であれば、のつく言葉、

商品」であったり、「ルート」であったり、「規顧客」であったり、

そういったところに入っていくと思います。

ですけれども、やはり長期で考えれば、

「人を育てる」戦略、これがすごく大事なのです。

幹部や新入社員ではなく、主任を育てる理由
  • 主任は固まっていない
  • 主任は現場を知っている
受講生
人を育てるのが大事なのはわかりましたが、なぜ幹部新入社員ではなく、主任なんですか?

こういう声をよく聞きます。

簡単に言えば、幹部の方は、

「固まってる」とは言えないでしょうか?

今までのやり方、今までの価値観、そういったところで、

なかなか新しいことを受け入れにくいっていうところがある。

そして、もう自立している方々でございますので、

やる人はやるし、やらない人はやらないって言ったところで、

やはり、この固まってるっていうところがある。

それが主任クラスであれば、まだまだ固まっていない。

柔軟な主任クラスならば、会社の新しい未来を一緒に創っていけるでしょう。

そしたら、新入社員はどうなのかっていうと、もちろん主任クラス以上に未来がありますし、

柔軟性も、更にあるのかも分かりませんですけれども、

1つ、やはり、実務経験といったところで、実務であり、現場を知ってるって点ではですね、

主任クラスの方が、やはり、適任ではないでしょうか。

また、主任クラスは、課長部長と違って、これからマネジメントを始める点もポイントです。

このような理由から、主任クラスと一緒に取り組む、ご提案をさせていただいています。

主任を育てるということで、一緒にこれからシリーズで考えていきたいと思います。

今回はここまでです。

水野秀則
ありがとうございます

YouTubeでも詳しく解説しています

今回の、「主任の育成を通じて、チーム作りを進める意味」について、

YouTubeでも、わかりやすく解説しています。

ぜひ、動画でも「主任の育成を通じて、チーム作りを進める意味」について理解を深めてください。

水野からの問いかけ

水野秀則

  • 自社の若手クラスとの接点はどの程度ありますか?(現在地の確認)
  • 主任クラス(班長・係長)の意見で印象に残るものは?

主任と未来を語らう ~経営ビジョンの作り方~

我社の経営ビジョンって、ピンときますか?

  • 「日頃の業務に追われ、なかなか3年後5年後って言われても」
  • 「会社の夢みたいなのはあるのですが、現実とギャップがあり過ぎてピンとこない」
  • 「経営ビジョンは大切だと想うので創りたい。でもどこから始めればいいのか」
  • 「自分ひとりでは作ったのですが、浸透が進まないで困ってます」

等々、思いはあれど、作り切れていない、活かしきれていないという声を聴きます。

今回、”浸透しやすい”経営ビジョンのつくり方の事例を、ご紹介します。

経営ビジョンって、なかなか現場まで浸透していない

今回は「経営ビジョン」。

これを主任たちといかに作っていくのか、

ということをテーマでお伝えしてまいります。

現場を歩いていますと、やはりこの「経営ビジョン」、

意外とピンと来ないんですよね。

「我が社のビジョンって何ですか?」

って問いかけても、

「いやそれは」っていうような形で、

なかなか明確な答えが出てこなかったり、

あるいは経営ビジョンを作っているんだけれども、

あるいは文字にもしているんだけれども、

意外と現場に浸透していなくて、

「困っているんだ」っていう声もよく聞きます。

だからこそ、後継者の方が、

この主任研修、

あるいは、主任との研修プロジェクトを通じて、

この経営ビジョンを作っていく、という意義があるのかなと思っております。

具体的にどうするかということで、つ、これからお伝えしてまいります。

後継者と主任で、未来を語らう

後継者の役割は、主任の意見を尊重し、引き出すこと

水野秀則
1つ目は後継者の役割について

step
1
後継者から主任へ、思いを語る

参加者の自己紹介、後継者からの開催主旨など、思いを語る。

こういったところから、場を立ち上げていくという形でございます。

step
2
意見を出す練習をする

いきなり未来のビジョンを話してくれと言っても、どうしても意見が出てこないため、

事前トレーニングとして、

例えば、お客さんに喜んでもらって、最近うれしかったこと。

あるいは情調であったり、仕事をしてて、やりがいであったり、面白みがあるな、ということを挙げていただく。

この時、ポストイットを使って、『書き出す』とスムーズに意見を引き出せます。

まずはポストイットへ書いて、それを机の上へどんどん貼り出していく、いわゆる「KJ法」でございます。

ここでのポイントは、出てきた意見を否定しないこと。

彼らの主張を尊重することを心がけましょう。

これらは事前トレーニングとして効果的な練習になります。

step
3
考えをまとめ、ビジョンを語らう

まずは、5年後・10年後・30年後等、どのような時期でも結構ですので、

その段階でどうなっていたいのかという、未来を語る、夢を語るという形になります。

主任の役割は、現場経験を通じて、未来を語ること

水野秀則
2つ目は主任の役割について

step
1
過去に引きずられず、未来を語る

発言に慣れていない場合が多いので、まずは個人で書き出すこと。

大事なのは、過去に引きずられず、未来を語る。

過去こうだった、ああだったというような意見になりがちですので、

あるいは、これができない、あれができないという形ではなくて、

未来にどうなっていたいのか。

本当にロマンであったり、ビジョン、自分が手にしたいもの。

そういったところを出していく。

step
2
ポストイットを活用し、意見をまとめる(KJ法)

そういった意見を紙に書いて、机に並べ、グルーピングする。(KJ法)

step
3
期限は具体的にイメージできる形で

期限は何年や何年度だけでなく、イメージや意識が向かうもの。

10年後 20年後でも、いいんですけども、

なかなか10年後って言ってもピンと来ないっていうような場合、

私がよくやって効果的だったのは、例えば、

「634メートル」です。

634メートルとは、スカイツリーの高さのことですが、

スカイツリーが完成するまでに、我々こういう風になっていたいよね。

っていうような「スカイツリービジョン」。

そうしたらスカイツリーが、だんだんと出来上がってきて、

我々のビジョンも出来上がってるのか、といった感じです。

これは、ただ単に年数だけではなくて、何年のこの時にはこうなってたい、

例えば、2025年大阪万博。

この「2025年ビジョン」を掲げていただいている、

会社さんもいくつかあります。

そういうことで具体的な節目となるイベントであったり、

そういったものをイメージとして設定して、その時までに一緒にこういったものを、

我が社では作っていくよ、というものを、

ぜひ掲げていただけたらなと思います。

後継者と主任が未来ビジョンをつくる、未来を語り合うということを、

ぜひこの主任研修の中で、取り組んでいただきたいな、

ということをご提案して、

今回はここで終わりでございます。

水野秀則
ありがとうございます

YouTubeでも詳しく解説しています

今回の、「経営ビジョンのつくり方は、後継者と主任が未来を語らうことから」について、

YouTubeでも、わかりやすく解説しています。

ぜひ、動画でも「経営ビジョンのつくり方は、後継者と主任が未来を語らうことから」について理解を深めてください。

水野からの問いかけ

水野秀則

  • わが社のビジョンと聞いて、思い浮かぶものは?(現在地の確認)
  • 現場から見ると、そのビジョンの浸透度合いはどの様な状況でしょう?

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