リーダーシップスキルを高めたい。
このような想いを持つリーダーの声をよくお聞きします。
何があれば、自分のリーダーシップに違いを生み出すことができるのか。
リーダーシップ論やスキルを学ぶことも大事ですが、
経営の現場にいる中で、その糸口は
人生の視点や自身の生き様から見て軸を決めること
と感じています。
あなたが1回限りの人生で、何としてでも成し遂げたいことは何でしょうか?
人や組織に影響を与えたい。でも何から始める?
今回は、リーダーシップスキルをどう高めていったらいいのかについてお話ししてまいります。
よく経営の現場を歩いていますと、
- 「なんとしても人や組織に影響を与えたい」
- 「まだ課長だが、将来のことを考えてリーダーシップスキルを高めたい」
といった声を聞きます。
皆さんは、どのようにすれば効果的だと思いますか?
真のリーダーシップ開発の糸口はこれだ
1.リーダシップ理論を学ぶだけでは何かが足りない
リーダーシップ理論・テクニックを磨くことも大事だけれども、
自分自身が人生で何を成し遂げたいのか
自分の人生の軸、そして生き様
こういったものを明確にすることが大事ではないでしょうか。
上辺だけのテクニック・スキルを学んだとしても
自分が何をしたいのか
何で社会に影響与えたいのか
自分がこの1回きりのかけがえのない人生で
何を一生をかけて実現したいという想いがあるのか
この沸き上がってくる想い。
これこそが、結果、人に影響を与えたり、社会に影響を与えるのではないでしょうか。
2.リーダーとしての自身の生き様が問われる
自分のやりたいということが見つかっていない、という方もいらっしゃると思います。
しかし、この「自分が何をやりたいのか」「何を実現したいのか」
これを自分に問い続けることが大事ではないでしょうか。
趣味や家族との関係の中でも、自分の個性は色々と出てきます。
そして、自分自身が今の会社に入った想い
あるいは自分が学生時代に何をしたかったのか
といった「初心」を振り返ってみるのもいいかもしれません。
「これをしたい」「これをやってみたい」という想い=自分の「たい」を明確にしながら、
自分の経営人生で何を成し遂げたいのかを明確にするということをご提案します。
ドラッカーの問いかけ
1.自分は何と呼ばれたいのか?
ドラッカーもこのように我々にアドバイスをしています。
人は、何によって人に知られたいかを
自問しなければならない
ドラッカー著『プロフェッショナルの条件』
何によって知られたいか。
これは、ドラッカーが40歳のときに、
ドラッカーの父親が経済学者のシュンペーターに問いかけた質問です。
この質問には、シュンペーターもドラッカーも思わず笑ったそうです。
なぜなら、シュンペーターは30歳の頃、
「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、
そしておそらくは、世界一の経済学者として知られたい」と言ったことで有名だったからです。
しかし、当時66歳になっていたシュンペーターの答えは、次のようなものでした。
その質問は今でも、私には大切だ。でも、むかしとは考えが変わった。
今は一人でも多く優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたいと思っている。
ドラッカー著『プロフェッショナルの条件』
これを受け、ドラッカーの父親も次のように返しました。
人を変えることができなかったら、
何にも変えたことにはならない
ドラッカー著『プロフェッショナルの条件』
この会話を聞き、ドラッカーは、何によって知られたいかを自問することの大切さとともに、
- その問いに対する答えは、歳をとるにつれて変わっていかなければならないこと
- 本当に知られるに値することは、人を素晴らしい人に変えること
を学んだといいます。
自分は何によって知られたいか。
自分が周りからどのように呼ばれたいのか。
これを明確にすることはとても大事なことです。
あなたは周りから何と呼ばれたいですか?
ぜひ皆さんも、自分に問いかけてみてください。
※参考書籍:
著者:P.F.ドラッカー
出版者:ダイヤモンド社
2.「マネジメントの父」と「経営の神様」
ドラッカーは人々から何と呼ばれているでしょうか?
「マネジメントの父」ですよね。
では、「経営の神様」と呼ばれる人物は誰でしょうか?
松下電器(現在のパナソニック)の創業者である、松下幸之助さんですね。
リーダーシップスキルを高めたいと思っている皆さんにとって、
この2人は、どちらも学ぶことの多い人物です。
先人の言葉から、自分の「たい」が明確になるかもしれません。
3.先人の言葉から学ぶ
弊社主催の合宿セミナー(次世代経営者力セミナー)では、
ドラッカーの「マネジメント- 基本と原則」を必読書籍として指定しています。
これはセミナー開始当初から10年以上経った今でも変わっていません。
まさに「基本と原則」であり、マネジメントとは何かが学べる1冊です。
セミナーの中では、”独りで読書”という形で、字面を追っていくだけではなく、
経営者仲間と一言一句を、現場体験と照らし合わせながら読み深める
というカリキュラムに取り組んでいます。
ある年の講座では、参画者一同、次の言葉にハッとさせられました。
組織がなければマネジメントもない。
ドラッカー著『マネジメント- 基本と原則』
しかし、マネジメントがなければ組織もない。
あまりにも単純明快なこの言葉、
当たり前のシンプルな言葉だからこそ気づくことが多かったように思います。
著者:P.F.ドラッカー
出版者:ダイヤモンド社
松下幸之助氏に関連する書籍としては、次の本をお勧めしたいと思います。
「社長になる人に知っておいてほしいこと」
過去の講演録や数々の書籍のダイジェスト版ですが、
経営者として何が大事かがコンパクトにまとまっていると感じました。
それは、この本の章立てが、私が常に経営者の方々と大切にしているものと重なる点ばかりだったからです。
Ⅰ 熱意の章
Ⅱ 覚悟の章
Ⅲ 信念の章
Ⅳ 素直の章
Ⅴ 信頼の章
Ⅵ 飛躍の章
タイトルにあるように、実に明快に、社長として大切なことが、幸之助さん自身の言葉で紹介されています。
著者:松下幸之助
出版者:PHP総合研究所
まとめ
リーダーシップスキルを高めるためには、理論やテクニックを学ぶだけではなく、
- 自分がこの1回きりのかけがえのない人生で何を一生をかけて実現したいのかという想い=自分の「たい」を明確にする
- 自分の経営人生で何を成し遂げたいのかを明確にする
ことが大切。
ドラッカーの言葉にある
何によって知られたいか
ドラッカー著『プロフェッショナルの条件』
を自分にも問いかけてみよう。
YouTubeでも詳しく解説しています
今回の「リーダーシップ開発って、スキル・テクニック? vol.2」について、
YouTubeでも、詳しく解説しています。
ぜひ、動画でも「リーダーとしての『想い=たい』」について理解を深めてください。
※ブログの内容を1分にまとめたShorts動画も公開中です。すき間時間にすぐ振り返ることができます。
リーダーシップが高まる、あなたへの問い掛け
- リーダーシップの理論やスキルを学んで感じることは?
- 自分は何と呼ばれたいのか?
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