どれだけ多忙なリーダーでも、毎日必ず食事をとる。食は栄養を吸収し身体を創るだけではない。我々リーダーにとって重要な意味があるのである。この本と出会って、粋なリーダーとは? 魅力あふれるリーダーとは? このテーマを深めるには、食は切っても切れないという感覚が宿った。食摩、谷崎潤一郎の生き様を、一緒に学び行動をしたいものです!
食事や食習慣は人で違う『その食い意地、芸術的なり!』
先ずは、この書籍の帯の文字、、、タイトルが衝撃的だですね。
坂本葵著『食魔 谷崎潤一郎』のキャッチコピーになります。
この本のタイトルである「食魔」という言葉は初めて身近に味わった。睡魔・病魔や邪魔は知ってましたが、、、。この言葉、「グルメ」「美食家」とも少し異なる様だ。「食魔」とは、「食にただならぬ執着心を持っている人」を指した造語とのこと。
この本との出会いは、好きな作家として谷崎潤一郎を挙げている弊社のスタッフから。「谷崎の小説『陰影礼讃』に出てくる食の表現の独特さが面白くて好き」との話を聞き、「谷崎潤一郎と食」という接点に興味を惹かれたのである。
経営者へ「何を食べているかで、その人がわかる」
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言いあててみせよう」とは、『美味礼讃』(1825)の著者、ブリア=サヴァランの有名な格言です。
この書き出しから本は始まるが、衣食住の中で、どれを最優先とするのかは人それぞれ。
谷崎先生の場合、「食」が最高優先順位を誇っていたらしく、谷崎の著書の中には、たびたび食事シーンが登場します。
それは、自分が実際通っていたお店や、食べていた好物が中心に描かれている。その食への執着心は異常ともいえるほどです。
食べ物の視覚的な表現から始まり、音、触感、温度の表現。そしてやっと口にいれ、飲み込んだ後の表現まで。
その一つひとつの過程が、スローモーションで実際に見ているかの様な錯覚に陥るくらい絶妙な表現で描かれています。
こんな谷崎先生の表現の魔法により、「食事」という行為が、ただならぬこだわりを感じる芸術へと昇華され、
「その食い意地、芸術的なり!」
のキャッチコピーへと繋がっていきました。
経営者文化・個人文化・食文化
現代ではファストフードでスマホ片手に、食べているものさえ見ないで食事をする若者も多いですよね。
(私も忙しさにかまけて食事ではなく、餌?になっている時はないか強く戒めを感じた)今の時代、食文化も多種多様になっていると想います。
「何を食べているかで、その人がわかる」ということは、高級なお店で食事をしている人が優れた人物だ、ということではもちろんない。
谷崎ほどでなくていいのかもしれないが、食べているものに興味をこれまで以上にもち、さらにはこだわりを持てるようになる。
すると、今まで気にも留めていなかったようなことにも、こだわりが現れ、どんどん引き出しが増えていき、結果魅力的な人間になっていく、ということではないでしょうか?
一番身近である食を通じて、個人文化を見つめなおすいい機会になったと想う。
食文化が日本文化を代表するのと同じように、食文化は個人文化を如実に語るものなのかもしれない。
スタッフとの語らいや、この本、さらには谷崎潤一郎先生と触れ合えたことに感謝です。
谷崎潤一郎が愛した名店に触れ、食空間を経営者仲間で愉しもう!
この本に出てくる、谷崎が足しげく通ったお店。さあ、歩みだそう。食文化の道、自分文化の道へ。
たん熊北店(京料理)
(京都、東京にも店舗あり)
- ふと眺めてみると、日頃の自分の食事はどの様なものでしょうか?
- 自分があこがれをもちモデルとなるリーダーは、何を日頃から食べていますか?
- どのお店に足を運んでいますか?