経営はアートかサイエンスか?

その他

経営はアートかサイエンスか?

ガウディが生み出した世界遺産サグラダファミリア。その建造物を40年にわたり実測し、詳細な設計図として創りあげられた日本人がいらっしゃる。この素敵な方との触れ合いを通じて、経営で何が大事か一緒に考えてみたい。建築が科学なのか芸術なのか? 門外漢の私が味わい深めたことで、経営者として大切な教え4つを得た様に感じる。

サクラダファミリア

サグラダファミリアには設計図がない?ーー創造・アートの世界で生きたガウディ

こんにちは
経営コンサルタントの水野秀則です。

それは、取り組み先の大阪の経営者との対話から始まりました。

この方とは、私が32歳の時に出会い、24年間お付き合いをさせていただいている笑顔が素敵な熱い方です。

「水野さん、あのガウディのサグラダファミリアに北海道稚内から一つの想いをもって関わっている人が日本人が居るんですよ、、、、」
(詳細は以下のプロフィールやTVでのご紹介を参照)

田中裕也(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%A3%95%E4%B9%9F

ガウディに最も近づいた男~どさんこ建築家・田中裕也さん~
http://www.stv.jp/tv/dosanko_eve/tokushu/u3f86t000002srpj.html

その熱い語りに魅了され、ぜひその方に触れてみたいと想い始めた時。

「ちょうど帰国され会を開くので、来ませんか?」とお誘い。2つ返事でご紹介いただけることに。

この時に、ガウディがサグラダファミリアを創る時には、全体構想や構造を考えた模型はあれども、詳細設計図がなかったということだった。

わずかばかり残したものも以降のスペイン内戦等で焼失したこともあり、サグラダファミリアはガウディの死後100年の2016年にようやく完成にいたるとはまさに驚きの世界。

ある決断をされ建築物を測ることにーー実測・サイエンスの世界で偉業達成の田中裕也さん

当日、ワクワクしながらお会いさせていただいた田中裕也さん。

建築に憧れ故郷北海道の稚内を離れ、大学の建築学科でガウディにますます傾注。

順調に卒業されるも、認めたくはなかったであろうことを率直に認めれた。

この20代でなさったある決断のことに度肝を抜かれた。

それは「自分には創造性がない」ということ。

建築家を志望していたご自身がこれを認めるには、様々な葛藤があった様に想う。

しかし、それを乗り越え次のステージに進まれた。

そこではガウディへの想いが冷めるどころか、さらに熱を帯びていった。

明確な働き先やツテがあった訳ではないが、単身で現地に住み建造物をこの手で測ることを決行。

ここでも周りの「生活はどうしていくのか」という心配をよそに、何とかなるだろうとスペインバルセロナにわたり、40年が過ぎたとのこと。

実測家田中裕也さんに学び、我々経営者にとって大切と感じたこと

先ず一つ目は、真の志をもつ(目的地を決める)こと。

自分は何を成し遂げたいのか?」これを深く見つめ、自分の今の事業とマッチしているのか。

創業者であれば、創業の原点を見つめなおす。その志は社会が求めるものと重なりあっているのか。

後継者の方であれば、先代から受け継いだ理念や伝統と、自分の個性や想いを重ねいかに調和をはかるか。

さらには、田中さんの様に、最終ゴールのテーマ(建築)だけでなく、それを深めた具体的な人物(ガウディ)を定めることの大切さを実感した。

二つ目は、自分の個性を認める(現在地を見極める)こと。

建築家でも色々あり、全てが創造性がなければいけない訳ではない。

自分の強みに着目し、建築の素養があり実測できること・ガウディへの情熱・粘り強さ等々を活かしきった田中さん。

いったん創造性では勝負しないと決着をつけられたからこそ、後日スペイン政府からも賞を贈られるほど、ガウディやその建物のの創造的貢献を手になさったのは間違いがない。

世界で自分と同じ人間個性は誰一人として存在しない。70億分の1のオンリーワンの自分の個性を活かすことの大切さを学んだ。

三つ目は、やはりやり続けること。

40年にわたり何の保障もなく現地でたんたんと測ることだけを来る日も来る日も実行された。

最初はその長い道のりや、そもそもゴールがあるのかどうかも分からなかった様に想う。

しかし、先ず始めること、そして己が信じる道を脇目を振らずひたすら一歩一歩あゆむ姿に心惹かれた。

四つ目は、家族と協力者を大切にすること。

「長い道のりを歩み始めた時は、スペイン語もろくにできなかった。

でも、一人だけでも真剣にひたすら取り組んでいく中で、協力者が生まれてきた」「(現地で結婚された)家内や娘さんが一番の私の理解者だ」と笑顔で話されたのが印象的であった。

経営はアートであっても、サイエンスであってもいい

二者択一的に、経営をアートかサイエンスかと論じるものを目にすることが時々ある。

しかし大切なのは、自分に不足しているものに無いものねだりをしたりしても中々前には進めない。

理論や考えを振り回すのではなく、われわれ経営者は実務家として、自分の弱みに苛(さいな)まされ考え立ち止まることではなく、強みに着目しそれを行動し実践して活かしてみる。

今回、素敵な出会いを創ってくださった経営者に改めて感謝をお伝えしたい。

それと共に自分もご縁を大切につむいでいける一人でいたいと願い、行動することの大切さを感じた出来事であった。

気づきと行動が深まる、あなたへの問い掛け

  1. 自分にとってのガウディ(恋い焦がれる人物)は誰でしょうか?
  2. 田中さんの体験にならい、認めたくないが認めれば決着がつくものは何かありますか?
    逆に、そこから見えてくる自分の強みは何でしょうか?

水野秀則

    この記事はご満足いただけましたか?

    メールアドレス(任意)

    ご意見・ご要望(任意)

    プライバシーポリシーに同意の上でお申込みください

    -その他