自分の殻を打破する最大のカギ!

事例体験から学びたい!

自分の殻を打破する最大のカギ!

一流のパイロットとは?

ちょっとしたきっかけがあって、パイロットの方と親しくなった。

その方はパイロットとしての世界から、私は経営コンサルタントの視点から社会を見ている。

視点が違うということで、色々と考えさせられることや「ハッ」とすることが多く、お会いする度に新たな発見の連続である。

ある時こういう質問をぶつけてみた。

「一流のパイロットになるためには、どういった能力開発が重視されるのでしょうか?」

答えは

「どのようなクルー(乗組員)とチームを組んでも、どのような状況であろうとも、自分が正しいと思ったことを主張するということが重視される」

ということであった。

ジャンボ旅客機は、専門領域の異なる多様なメンバーのチームワークがあってはじめて大空を安全に飛ぶことができる。

それをまとめる機長の判断は、人間である以上いつもすべて正しいとは限らない。

二重三重の安全確保の意味から、「おやっ」と思ったことは自分の主張を意見として正確に伝える訓練を徹底して繰り返すというのだ。

一回の飛行で数百人、年間で数万人もの尊い人命を預かっているパイロットという職業。

同じくコンサルタントも企業という生命をもつものに触れている。

もちろん失敗すれば、倒産ということもありうる。

緊迫した仕事であり、実に多くの方の人生を預かっている。

こういった点がパイロットと経営コンサルタントとの共通点である。

じっくり考えれば

一人の人間の判断だけにはゆだねてはならない、"人間は失敗をおかすもの"という視点からのしくみづくり

ということは、生死を握っているパイロットとしては至極当然のことかもしれない。

が、上下関係や力関係、プライド等々、色々なしがらみがある中で、実践していくことは決してたやすいことではないはずだ。

この方との出会いが私にとっては置かれている立場や世界は違うかもしれないが「リーダーとしての判断のあり方や、チームメンバー同士の真の連携、メンバーの自立の重要性」等を見つめ直す素晴らしい機会になったのである。

人生我れ以外皆師

私が学生時代から好きであった「宮本武蔵」、その小説を書かれた吉川英治氏の言葉を日々多くの人々との出会いから実感している今日この頃である。

その言葉とは、「人生我れ以外皆師」である。学ぶ機会や、学ぶ場、学ぶ時間がないのではなく、私自身が常に何からでも学ぼうとする想いがまだ足らなかったのだと認識したのである。

今では「学ぶ姿勢が全てのことを教科書にする」ということを身近かに感じ、吉川英治氏の言葉を深くかみ締めている。

このことと同時に、私のこころにはっきりと現れてきたことがある。

それは日頃交流している人の考えや業界の枠に、知らず知らずのうちにとらわれていたということだ。

付き合う人のタイプやカラーが固定し始め、頭が硬くなりはじめている私に気付いたといってもよいと思う。

それまでも違う畑の方や異業種の方々との交流を積極的に心がけていた。

しかし、それもしょせん私が選択した関係であって、本当の意味で自由な枠組みからスタートした交流ではなかった。

これに気付いたのも、私がパイロットの方と出会った時が自分で選択した交流ではなく、入院していた病院での患者同士という関係で始まったからである。

また、日頃触れ合う機会の少ない、自分の世界(専門分野)から遠い人や場面にこそ、意外と自分が求めている答えに近いものが得られるものであることも体験することができた。

このような体験を通して、新しい世界の人と交流することが人生にとっていかに貴重なものかという想いが深まっていった。

こうして「新たな出会いの数とその関係の深まり度が、自分の成長のバロメーターだ!

という気持ちがふつふつと湧き上がってきたのである。

日本の常識、世界の常識

人と交流することを見つめ直す機会をもった私は、あることを試みようと気付く。

20代の時に経験した3年間にわたる中華民国(台湾)での海外駐在のことを改めてその時想い出していた。

当時駐在生活で感じ日々実感していた「日本の常識、世界の非常識」ということを、これからの人生で応用してみようと思いついたのだ。

つまり、「業界の常識、社会の非常識」であり、「自社の常識、他社の非常識」、「自分の常識、世間の非常識」を意識し取り組み始めた。

私は原点に戻って、常識というものを疑いをもってみることにした。

時代の変化は、すさまじく、かつすばやい。時代という前提条件が変わってきている中で、新しい時代に合った新たな常識が当然築かれるべきではないだろうか。

これまでの成功体験は、これからの失敗体験になる時代が目の前に迫っていると感じた。

日々の生活で私には当たり前になっていること、メンバー同士で暗黙の了解になっていることこそを見直す。

これまで前提としていた所を根底からひっくり返すパラダイムシフト(枠組みの転換)が、不可欠な時代が今やってきているとつくづく思う。

知らず知らずに身に付き、そのまま意識の中に染み込んでいることはないだろうか」と自問することは、私にとってパイロットの方との出会いから始まったまったく新たなる取り組みであった。

こだわりを捨ててみる

これまで培ってきたこと、当たり前のこと、そのことこそに疑いをもつ。

これは簡単な様で意外に難しい。通常その人にとっては当然過ぎて、いわば無色・無臭・透明の様になっているので自分にとって染み付いているものの正体が一体何であるのか意識しにくいものである。

さらには、自分が何にとらわれているかを意識し理解するだけでなく、そのことにとらわれず生きていくことを日常生活に盛り込んでおくことも大切である。

私の場合は、海外旅行に行くことがとらわれに気付く一つの場面でもある。

日本の文化や日本人の体質を拭い去るまでには至っていないかもしれないが、私がもっているとらわれに気付く瞬間として海外旅行はまたとない環境といってもよい。

また身近なことでは、まったく自分と世界が違う人の考え方ややり方を聴いたり、興味や関心が違う人の生活スタイル、食事や、読書、趣味等をこだわりになしにやってみる。

自分に選択の余地を与えず、その人の枠組みでものを感じ行動してみるとこれまでとは見えてくるものが違うという貴重な体験もした。

「人生ってこんなもの」と決めつける前に、環境を変え、会う人を変え、取り組むテーマを変えてみる。

自分が知らない世界や、大きな感動がこの社会にはまだまだ眠っているはずである。

その宝の山を掘り当てるかどうかは、自分次第である。

自分が培ってきたものへの意味のないこだわりを最小にすることが、自分の殻を打破する最大のカギ」ということをかみ締め、日々の挑戦をさらに続けたい。

あなたご自身は何を感じ、どのように進めておられますか?

毎日の言葉

  • 「自分が正しいと思ったことは主張する」
  • 「人間は失敗をおかすもの」
  • 「人生我れ以外皆師」
  • 「学ぶ姿勢が全てを教科書にする」
  • 「成長のバロメーターは、新たな出会いの数やその関係の深まり度合い」
  • 「これまでの成功体験は、これからの失体験」
水野秀則
水野秀則

  1. 家族や職場以外の人とのつながりは、どれくらいありますか
  2. 今年、初めて知り合って仲が良くなった人は、どのような人がどれくらいいますか?
  3. 知らず知らずに身に付き染み込んでいることということはあなたにとっては何ですか?
  4. 自分の枠組みを打破するために、どのような事に取り組んでいますか?

(2019年7月12日リライト)

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