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【40歳後継者に迫る中年の危機】ミドルエイジクライシス(ゴーギャンコンプレックス)の乗り越え方

2021年2月25日

ミドルエイジクライシス(中年の危機)とは?【対照的な二人の先輩の事例】

夏祭りまっさかりである。

日本三大祭りの一つ、京都の祇園祭。

その宵宵山の日に以前勤務していた会社のOB会(同窓会)があった。

 

10数年ぶりの同期生や、何年かぶりに会った先輩・後輩、そして私が所属していた時期のずっと以前のご勤務で、今回初めてお会いさせていただく大先輩など。

会話では多くの方々から、ただ仕事の先輩ということだけではなく、人生の先輩として色々と示唆にとんだお話を頂く事が出来た。すばらしい三時間半であった。

 

たとえ短い期間かもしれないが、同じ釜の飯、程度の差こそあれ同じ仕事、同じ生活スタイルだった方々。

まして私が座った10人のテーブルには事務局の方の取り計らいで同世代の方がメインであった。

にもかかわらず、それこそ人生様々。

ひとりひとりまったく違う個性的な人生を送っておられることを強く感じたのである。

 

例えば、驚くべきことに年間休日40~50日、毎日の14~16時間にも及ぶ激務の中、休日や生活時間を削ってでも仕事に打ち込んで充実の日々を送る40代中ごろの先輩。

そこに私は仕事を中心に人生を組み立てておられる、ものすごい執念と志をみた想いであった。

 

また、仕事は仕事として短時間で大きな成果をあげるのはもちろんだが、何より家族と一緒にいる時間を大切にというスタイルを貫く先輩。

家族や人とのつながりを重視して人生を過ごしておられるが、内に秘めた志の高さには教えられるところが多かった。

 

色々と話し合っている中で、ひとりひとりの個性的なライフスタイルが浮かび上がる。

そんな時、40歳までに後数年ある先輩が言われた「何が幸せかは、ほんと・・・わからないよな~、幸せって何かな~」といった言葉が印象に残った。

 

そして、その先輩は、別れ際にも、「人生の幸せって何かわかったら教えて・・・」 と、半ば冗談っぽく、半ば本気で私に笑顔で宿題を投げ掛けて去って行かれたのであった。

 

周りがどう言おうと、自らの価値観で力強く進む先輩。自分の価値観が揺らぎ始め、必死に自分の生きざまを模索する先輩。両者と接する中で出て来たものーーそれがミドルエイジクライシス(中年の危機)と呼ばれるものだ。

 

 

人生をじっくり考え、人生を見直す時期40歳前後を乗り越える

この度の40歳前後(私と同世代)の方々との会話の中から、この時期誰もが通るというある考えのことを思い出していた。

思春期の頃、誰もが大きな夢を描いて人生について熱く考える。

 

この時期に次いで、人生をじっくり考え、人生を見直す時期が40歳前後にくるという考えである。

 

40歳!これは、思春期ほど世間に知られていないが、人生の折り返し点としてとても大切な時期を表していると感じたものである。

 

画家として著名なあのゴーギャンが、40歳を少し過ぎた時に、家族やこれまでの生活と決別し、南の島タヒチでまったく新しい生活を始めたことから、ゴーギャンコンプレックスとも言われているのでご存知の方もおられるだろう。

 

 

人生の軸足を決めずして、経営の軸足は決められない

「人生の幸せって何?」という問い掛けと、その先輩のなんとも言えない表情が脳裏にこびりついてなかなか離れなかった私であったが、質問に追いかけられるのではなく、自分なりにその質問を徹底的に追いかけてみた。

 

考えをめぐらせた結果、後継者にとって「経営人生に正解はない、あるのは自ら進路を選択することだけ」という想いにたどり着いた。

 

経営人生で何が大事か?一回きりの人生をどうするか?といったこころを定めるということ!!決めて何かを断つという決断!といったものの重要性を改めて認識したのである。

さらに、決心や決断といったものは、誰も「これだ!」と教えることは出来ないし、誰かが代わりにという性質のものでもない! 何より後継者自ら決心し、自ら決断し、自らの道を心を定めて歩んで行くしかないのだから・・・後継者の人生の軸足を決めずして、経営の軸足は決められない!

まさに、自己責任という言葉がぴったりなのが人生だ。

 

 

人生という航海に羅針盤(コンパス)を!(人生方針書づくり)

ビジネスはもちろんのこと遊びでも、構想や方針、計画といったものが決まらなければその場に足踏みして立ち止まり、前へは進めない。

ビジネスにおける部門の方針や、旅行に行く時のツアープランだけではなく、人生方針書こそを多くの後継者が作成してもいいのでは!と日々想い、これまで歩んできた私であった。

しかし、今の世の中、日々の生活や仕事の忙しさに追われ、人生を深くみつめ、人生という航海を羅針盤(コンパス)なしで進んでいる後継者が意外と多いのかもしれない。

 

そして何より、単に人生や家族の方針を立てるだけではなく

 

①より具体的に(数値で表現し、期限を切る)

②より身近に(常に目に付くところに掲げ意識する)

③より振り返りを多く(目標に近づいているのか離れているのか)

 

といったことが方針の実現のために大切だと感じている。

 

後継者として人生に正解を求めず、後継者自らの進路を決心・決断する。

そして人生方針書・家族方針書という羅針盤(コンパス)を常にもち、節目の年齢を人生の寄港地ととらえ経営人生の足跡を重ねながら、また新たに船出をする。

この繰り返しが充実した経営人生に導くものと想う。

冒頭に掲げた夏祭りにもこれが一番だというものはない。あるのは自分が「この夏祭りが好きだ!」という選択があるだけだ。

 

 経営人生はまさに自分自身による選択の連続である

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

 

 

経営人生を選択する後継者のあなたへの言葉

  • 「ゴーギャンコンプレックス」
  • 「人生に正解はない、あるのは進路の選択だけ」
  • 「こころを決めるという決心、決めて何かを断つという決断」
  • 「人生方針書や家族方針書」
  • 「(1)より具体的に、(2)より身近に、(3)より振り返りを多く!」
水野秀則
水野秀則

  1. あなたは経営人生を航海として例えた場合、どのような羅針盤(コンパス)をお持ちですか? あなたはゴーギャンコンプレックスというものをどのように受け止められましたか?

(2021年2月25日リライト)

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