誠実な態度が、仕事で関係を育む【信頼を失う事例】

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誠実な態度が、仕事で関係を育む【信頼を失う事例】

2020年10月6日

「仕事の専門性よりリーダーの人間性」を実感した事例

先日、事務所で使っているある機械が故障。

スタッフが修理を依頼した。私は外出中であったが、ちょうど戻ってきた時に、サービスカーが事務所の前に停まっていた。

「修理にきていただいているのだなぁ」と、スタッフから聞いていた故障のことを思い出した。

 

その車に近づくにつれ、「ちょっと、おかしいな」と色々な思いが次々と湧き上がってきた。

「車の停め方が他の方に迷惑になっている」

「洗車はしているのだろうか?(あまりにも汚い車なので)」

「車内が乱雑で、工具や部品が無秩序に置いてあり見苦しい。安全・効率面からみてこれでいいのだろうか」

 

 

そしてここまでならまだしも、感情の高ぶりがどうしても抑えられないことがあった。

それは事務所に入って、スリッパに履き替えようとした瞬間にリーダーとして目にしたその光景だ。

スタッフの靴ではない来客のものと思われる靴が、それこそ乱雑に脱ぎ捨てられていた。

 

 

リーダーである前に、一人の人間として大切な誠実な態度

今回の出来事を通じて、私はリーダーとしての基本的なことがいかに大切かということを今更ながらに感じとり、振り返ることができた様に思う。

 

修理にきた担当者は、技術的に何かが不足していたり、ミスを犯したわけではない。

むしろ、自分たちで直すことのできない技術や専門力をもっていたのは確かなことだ。

 

しかし、今後何か修理が必要な時、この担当者に来てもらいたいとは決して思わないし、何よりもその会社から商品や・サービスを継続購入する気持ちが薄らいだのは事実だ。

 

そして、この判断基準となったのは、一見些細とも見える誠実な態度そのものにあったのである。

 

 

信頼を得るには、リーダー自らがこころを揃える

リーダーとして基本が大切だとする思いが巡るこの瞬間、ある経営者に教えていただいた

人の言うことは信じないけれど、やる(実践する)ことは信頼する!」という言葉が鮮明に蘇ってきた。

 

今回の場合も、サービスマンの言葉や修理内容に不満があったわけではない。

しかし、人間としての基本的な態度・行動に大きな引っかかりを感じたわけである。

 

特に、靴をそろえるという行為は、特別の能力がいるわけでもない。

時間にしてものの1秒もあればできる。

しかし、それは意識そのものであり躾がともなわないと実践はできない。

頭で判っていて理解していてもやり続け体得していないと、いつでもどこでも自然に実践できるものではない。

 

靴をそろえるという行為は、

「他人に迷惑になっていないだろうか」という周りへの配慮や優しさ

靴をそろえるのは、リーダーとしての自分のこころそのものをそろえることだ (靴をはじめ整理整頓ができず乱雑ということは、こころ自体が乱れている)」

 

という人間としての気付きがあってこそ初めて徹底できるものなのだ。

 

「一事が万事」で当たり前のことができないリーダーは、周りからの信頼をかち取ることは難しいと考えるのは決して私だけではないと思う。

 

 

誠実なリーダーとは?ーー言ったことを成し遂げて実らせる

この事例を通じて、会社対会社だけでなく人と人との関係においても、末永くお付き合いしていくためには、何より人間性が重要であると強く感じたものである。

 

人は相手のリーダーに何らかの魅力を感じてその関係が深まっていく。

 

そのリーダーの魅力には様々なものがある。

一緒に居ることで明るくなる、自分にはない情報をもっている、頭がよく、価値判断力が優れている、教えていただくことが多い、人脈が豊富等々。

ただ、一時的に触れ合えたとしても、それだけでは決して継続的なお付き合いにはつながらない。

 

人として誠実だ!という、そのリーダーへの深い信頼がなければ、いつか必ずこころが離れていく。

 

技術や知識といったものに代表される「専門性」は、時代と共に必ず古くなり色あせる。

が、「誠実」さのような人間としての本質や人間としてのあり方、つまり、深い「人間性」というものは、いくら時代が変わろうとも、人間が人間である限り普遍のものである。

 

一度身に付けてしまい、日々当たり前のこととして無意識に習慣的に実践すれば、それは必ずその人の一生の宝になる。

 

「誠実」という漢字を分解すると、言ったことを成し遂げて実らせることと書く。

 

私自身今回の出来事を反面教師とし、単に言葉や情報・知識だけではなく、言行一致で実践している姿や実らせた成果で、人と人の信頼を築く事の大切さをこころに強く刻みつけたのである。

 

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

 

 

誠実な態度をとる、リーダーのあなたへの言葉

  • 「人の言うことは信じないけれど、やることは信頼する」
  • 「意識であり躾がないと実践できない」
  • 「靴をそろえるのはリーダーのこころそのものをそろえることだ」
  • 「人間性という人としてのあり方は、人間が人間である限り普遍のものである」
  • 「誠実とは、言ったことを成し遂げて実らせること」

6.信頼を育むリーダーのあなたへの問い掛け

水野秀則
水野秀則

    1. あなたは人から信頼を得るために、どのよう な点を重視し実践されておられますか?
    2. あなたは深い人間性を育む上で、誠実さをは じめとして何が大切だと思われますか?

 

 

(2020年10月6日リライト)

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