ひたむきに頑張る意味とは? 人の心を打つ経営者の事例 

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1.ひたむきに頑張る意味とは?林業を手掛けた経営者の事例

世の中には知らないことが実に沢山ある。つい先日もお箸(はし)の製造販売の経営者の方から、私が知らない世界についてお教えいただいた。知的好奇心が満たされた時の喜びは何ともいえないものだった。

「プロ野球選手が使う木製バット、あのバットはどのような木から作られているかご存知でしょうか?」そう「あおだも」という木からだ。即答できる方は、野球関係者以外はほとんど皆無だそうだ。

北海道の門別町が主産地で、成長に100年かかる上に需要が増え、最近は伐採で天然林が激減しているという。

そういった中、前述の経営者はこの「あおだも」の植林事業をいちはやく手掛けられた方だ。若い苗木を育てるプロセスで、プロ野球選手はもとより「多くの少年野球に取り組む子供達一人ひとりの『野球への夢』を育てているのです」と熱く燃えて語られる。その一言一言にはまさに「哲学」といってもよいひたむきな熱い想いが秘められていた。

さらに、プロ野球の公式戦をはじめ色々な試合や練習で、残念ながら折れてしまったバット。それを全て回収され丁寧に手作りの木工細工として再生し、球児達に形を変えたこだわりの一品として届けておられるという。

このように野球バットの材料一つをとっても、そこには様々なドラマがあり、それに携さわる人間のかざりけのないひたむきな想いが脈々と流れているのである。

2.経営者のひたむきさが加熱する、本業のお箸づくり話

先程の経営者の想いは、本業のお箸の話に及んだ時、その「ひたむきさ」はさらにヒートアップされたように感じられた。

「お箸というものは、口に入れるものだから、そして、毎日三度は使うものだから、ぜひ本物を使って欲しい」と。そこには、素材としての木だけではなく、漆(うるし)など使う塗料への真剣な想いがこめられていた。安全・安心・健康志向の中で、環境ホルモンや合成塗料から我々の身体を守りたいという意気込みに溢れておられたのである。それは箸づくりに掛けたすさまじいばかりの「使命感」そのものといってよい。

さらには、日本の生活が西欧化する中で、子供がお箸をきっちりと使えないと案ずる世の親御さんの気持ちを読み取られ、全国の小学校・幼稚園で一人ひとりが自らのお箸を作り、箸使いを学ぶ「お箸知育教室」を主宰されるまで徹底された姿があるのだ。

その姿にはモノとしてのお箸を製造し販売するというより、お箸を通した食文化、さらには日本文化を後世に伝えておられる志を感じ取ることが出来たのである。

デザインや色・形・素材といった「作品」そのものではなく、私はこの経営者が「創作者」として作られる「一品もの」といえるお箸をぜひとも使わせていただきたいという気持ちがフツフツと湧き上がってきた。

全身全霊を掛けてお箸を作られるこの方の想いに触れ、かざりけがないひたむきさが私のこころを打ち、一瞬でこの方に魅了されてしまったのである。

3.人の心を打つ商売の原点は『笑売』~儲けるは欲、儲かるは道~

商売には「儲ける」と「儲かる」があるとよくいわれる。一方は「」であり、片方は「」である。

今回の経営者との出会いを通じて、社会が少しでもよくなることを願い、自分の事業としての道をトコトン極めていくことが、究極のところ「本物の商売」であると今更ながらに感じたものだ。

商売とは、それをやればやるほど笑顔の人が増える。笑顔の連鎖が広がり、自分を中心として豊かな人間関係が倍にも三倍にも増えていく。商売の原点は『笑倍』なりと真に実感できる経営者と出会えた喜びは、私にとってひときわ大きいものがあった。

4.ひたむきな姿勢や人の心を打つ感動が、経営者の人間関係を深くする

今回の体験では、もちろん知らないことを知った喜びもさることながら、志を持ち、ものごとに真正面から取り組み、徹しきり、なりきるひたむきな想いをもたれた方に出会えた喜びの方がはるかに大きいという想いを強くもったことは言うまでもない。

お客様に喜んでいただくというのが商売の原点であるならば、ひたむきな姿勢や「人の心を打つ(感動)」ということが、経営者の人間関係を味わい深いものにする。そして、人間関係を永く続けていく上での原点になるものと、確信できたのである。

ひたむきな姿勢なくして、真の人間関係なし』という言葉が、実感をもって自分のこころに広がっていったのは間違いない。

改めて、自分が日常で色々な人と出会い、様々な活動をする中ではたしてどれだけの人に喜びを提供し、笑顔を増やしていただいているだろうかと改めて考える機会をいただいたように想う。

今回の経営者の姿勢に学び、まず自らがひたむきに何かを追いかけ、「ワクワク・ニコニコ」している瞬間をさらに多くしていきたいものである。

自分が常に「イキイキ」していなければ、周りの人を「ドキドキ・ワクワク」の渦に巻き込むことは決してできないものだと、こころに強く残る今回の出会いであった。

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

5.ひたむきな経営者のあなたへの言葉

  • 「かざりけのないひたむきな想い」
  • 「『作品』ではなく、『創作者』に対する想い」
  • 「『儲ける』と『儲かる』、『欲』と『道』」
  • 「商売の原点は『笑倍』なり」
  • 「感動なくして、真の人間関係なし」
  • 「ワクワク・ニコニコ・イキイキ・ドキドキ」

6.心を打つ経営者のあなたへの問い掛け

  1. あなたは、商売・志事・人生の原点は、何だと想われますか?
  2. あなたはどのような人にこころ惹かれ、その人のファンになられますか? また逆に、ご自身はどのような魅力を醸しだしておられますか?

(2019年3月24日リライト)

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