事例体験から学びたい!

原点に立ちかえり、目的を明確に

 

何のために”を常に問い続ける姿勢が、自らに変化を創る!

 春、新入社員の季節だ。大きな鞄を持ち、どこかぎこちないスーツ姿で移動するグループ。連泊の研修期間中の移動なのだろう。

 そのような姿を街で見掛ける中、今年も私自身、多くの企業の新入社員研修をご支援させていただいている。研修内容は「学生と社会人の違い」、「働くとは?」、「人生いかに生きるか?」、「ビジネスマナー(挨拶・敬語・名刺・電話他)」、「社会人としての基本姿勢・基本動作」等だ。

 研修を通じて毎年感じることは、新入社員の吸収力の素晴らしさである。スポンジのように何事も自分のものにし、一日一日成長のあとがはっきりと見られる。「素直さ」と、良いことを「真似る」という成長する上で基本的であり最も大切なものが、社会人のスタート段階では充分に備わっているからだろう。ちょうど、人生のスタート時期の赤ん坊や幼児が、何事もどんどん吸収していくように。

私の想い

今年はこの二つに加え、もう一つ、「意識すること」の大切さを痛感した。

それは、ある言葉を一人ひとりが自らに問い掛けることで、それぞれに起こってきたはっきりした変化であった。

その問いとは、「何のために(なぜ)やるのか」であり、カリキュラムの様々なテーマで「何のため」の明確化を図っていったのである。

例えば、「何のためにこの研修に参加するのか」「何のために働くのか」「何のためにビジネスマナーを身に付けるのか」「何のために報連相(報告・連絡・相談、コミュニケーション)をするのか」等々。

この取り組みの中で人が変わる瞬間というのは、自らが取り組む目的や意図が明確になり、そのことをやる意味合いを自ら納得した時だと肌で感じたのである。

 変わっていく過程としては、まず目つき、顔つき、姿勢に変化が見え始める。その後、態度や言動がテキパキ・ハキハキとなる。やがて、自ら進んで提案をしたり、創意工夫を重ねるようになっていく。

 最初は、(言われて)やらされている意識。次に、(自らが)やる意識。最後には、(仲間と共に)喜んでやっている意識―――この決定的な違いに注目すべきなのだ。このように短期間のうちに劇的に変化するのは、正に意識の重要性を裏付けるものといえる。

 「知識よりも意識」―――人は意識が変わることで、可能性が無限に大きく広がることを目の当たりにしたのである。

日々への影響

 研修会場を後にし、日々の経営者の方々へのご支援に戻る中で、一つの想いが明確になってきた。

 それは「何のために」という自らへの問い掛けは、チームリーダーや経営者こそがいま最も問うべきテーマではないかということである。

 IT(情報技術)の進展により時代の変化が激しく、情報の陳腐化がすさまじい。話題になっている「学習する組織」(自ら学び続けるチーム)としての知識の刷新と、習得のスピードアップが求められている。

 が、それと共に、知識を習得するに当たってエンジン(動力源)となる永久不変(陳腐化しない)の「意識を高める意識」を向上させる必要性がそこにあるように想う。

 社会構造が大きく変わる中、いまの時代はある意味ゼロからのスタートである。そこで企業の水先案内人であり明日の時代を切り拓くリーダー・経営者にこそ、原点にかえり、「何のために」を自らに問い続ける姿勢が求められていると感ずるのである。

生活・志事(仕事)の中での実践

 いまこそ時代のうねりに振り回されず、地にしっかりと脚をつけ、自らを直視することが不可欠である。外部情報の収集だけに奔走することなく、自己の価値観・存在価値を見極める───このテーマに果敢に挑むことだ。

 「何のためにこの事業をスタートさせたのか?(創業の原点)」

「先代からバトンを引き継いだ時、何のためにやろうと決意したのか?(事業継承の想い)」

「何のためにチームリーダーとしてやる決心をしたのか?(リーダーの決意)」

「何のためにいまの会社、この社長のもとで働こうとしたのか?(職業選択、企業選択の想い)」

「何のためにいまこのことをやっているのか(初心)」等々。

 いま、他から学ぶのではなく、自らが自らに学ぶことが求められているのではないだろうか。

 あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

毎日の言葉

  • 「「素直さ」と、良いことを「真似る」ということが、成長する上で大切」
  • 「人が変わる瞬間、それは目的や意図の明確さと、やる意味合いを納得した時である」
  • 「やらされている意識。やる意識。やっている意識」―――この決定的な違い
  • 「意識が変わることで、無限の可能性が広がる」
  • 「意識を高める意識」
  • 「自らを直視すること」
  • 「自己の価値観・存在価値を見極める」―――このテーマに果敢に挑む
  • 「他から学ぶのではなく、自らが自らに学ぶ」
水野秀則

  1. あなたにとって、人生の目的は何ですか、また、事業を営むことや働く目的は何ですか?
  2. あなたは、ご自身の意識を高めるために何に取り組んでおられますか?

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