経営者のものの見方・考え方を明確にすることが、事業に真の理念やビジョンを生み出す

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1.経営者の性格が、影響を大きく及ぼす事例

仕事柄、経営者の方が運転される車に乗せていただくことが多い。経営者のお顔が百人百様であるように、運転の仕方も実に様々だ。

特に急いでおられるわけではないのだが、少しでも前へ!速く!とハンドルを小刻みにきられる経営者。人を乗せているということもあり、車の流れには乗りつつも慎重な運転をされる経営者。ただ安全のためだけではなく、助手席の私への圧迫感がないようにと、前の車との車間を大きくとられる経営者等々。

そこでいつも感じることは、「自動車のハンドルさばきは、その経営者の経営の舵取りに通じているのではないだろうか」ということだ。経営者の性格が、そのまま運転にも経営にも大きく影響しているように感じるのである。このことは、ゴルフ等のスポーツでも際立って現れてくるように想う。

2.経営法則ー「事業繁栄の4C原則」で大切な経営者の性格(ものの見方・考え方)

このような想いの中から、私が経営コンサルタントとして駆け出しの頃、師と仰ぐ元CSK(元、住商情報システム、セガゲームス)創業者大川会長(当時のお役職)から永続をつむぐ「事業繁栄の4C原則(経営法則)」というものを教えていただいたことを想い出した。それは、経営者にとって大切なキーワードが、英語の頭文字の「C」で共通していて4つあるというものだった。

まず、一番目の「C」は、コンディション(condition)であり、自分をとり巻く状況・環境のどれを選択するかということである。業種・業態・地域等においてどれを選ぶか。二番目の「C」は、キャピタル(capital)であり、資本だ。事業に必要とする資金をどれだけ集めることができるか。そのために自分にどれだけの信用がついているか。三番目は、キャパシティー(capacity)、経営者としての才覚であり能力である。単なる知識や技能にとどまらず経営者としての器量や器につながる部分だ。最後四番目は、キャラクター(character)であり、経営者の性格、ものの見方・考え方を現している。

これらの4Cが、経営者としての原理原則である。これを意識して経営の舵取りを進めていくことが大切だと学ばせていただいたことがくっきりと浮かんできた。特に、最後四番目の経営者のキャラクター(ものの見方・考え方の特性、性格)が、企業の舵取りを大きく左右しているということが鮮やかに蘇ってきたのである。

3.「経営者の資質とは何か」を問わず、「ものの見方・考え方」を問う

そこで、自分の性格がいかに形成されたのか、振り返ってみた。特に、その中でものの見方・考え方がどの様な影響を与えたのかを探った。まず、生まれもった気質や資質があり、両親や家族、友人等育った環境。幼少期の出来事やエピソード。そこには知らず知らず決める時のくせがあったに違いない。決めることや選択の連続であった姿がくっきりと浮かんできた。そこには、知らずのうちに身に着けていた判断基準となるものの見方や考え方があったことが以前にも増して際立って見えてきた。(私の履歴書(日経新聞の最後のページに掲載))を見ても、また経営者の自叙伝や伝記を読んでもこのことを実感することが多い。)

私は幼少の頃、火鉢にのせてあったやかんを誤ってひっくり返した苦い体験がある。下半身に大やけどを負い、病院に担ぎ込まれて、生死のはざ間を幾日かさ迷った。奇跡的に回復した時、けがの手当てや看護、輸血、励まし等々で実に多くの人に助けていただいたのを知らされたことがふと蘇ってきた。この時こころの奥深くに「将来、自分も人のために何かできれば・・・それが少しでもご恩返しになれば!」と刻まれたのは間違いがないようだ。

このことが職業選択、事業選択の時に大きな影響をあたえていたことも今改めて気づいたのである。先天的な資質や環境はある面では選べないのかもしれない。が、人間の素晴らしさは、ものの見方考え方をベースにした意志というものが備わっている。これをフルに活かし、能力を磨かない手はない。経営者としての資質を問わず、ものの見方考え方こそを問い続けたい、と感じた今回の体験である。

これからも私のものの見方考え方の大切なひとつ─「人のお役に立つこと」、を胸に深く刻み、経営人生を日々過ごしていきたいものと強く感じた。

4.自分の事業に真にふさわしい理念やビジョンを生み出す

改めて自分を見つめて、自分のものの見方・考え方は、実にありとあらゆるところに影響していると感じるのである。日々の生活や人付き合いはもとより、仕事や事業にも。そして冒頭の運転やゴルフにまで。

それだけ影響力のある自分のものの見方・考え方や性格を、深く見つめた意義は実に大きい。

この自分のものの見方・考え方や性格を身近に感じるには─人生の転機となったエピソード(特に、幼少期の出来事。自分では大人になって忘れていたり無意識である場合もある)に想いを巡らすことだ。

幼少期のことなので日常生活では滅多に意識することもないのかもしれない。しかしだからこそ自分の原点となるエピソードを想い出し、自分のものの見方考え方を明確にすること。このことで自分にしっくりと来る企業理念になり、自分にふさわしいビジョン、使命感がほとばしり出てくる。そして、経営者自らの持続的なパワーの源となるのではないだろうか。

今回は、自分のものの見方・考え方を深め、自分らしさに想いを巡らせる素晴らしい機会であった。

あなたご自身は何を感じられ、何を進めておられますか?

5.リーダーのあなたへの言葉

  • 「経営者の個性が、運転にも経営にも大きく影響」
  • 「経営法則、事業繁栄の4C原則、コンディション・キャピタル・キャパシティー・キャラクター」
  • 「幼少期の出来事やエピソードが、自分のものの見方や考え方を感じるポイント」
  • 「ものの見方考え方を明確にすることが、自分にしっくりと来る企業理念になり、自分にふさわしいビジョン、使命感につながる」

6.リーダーのあなたへの問い掛け

  1. あなたは企業の発展を大きく左右するものは、何だと感じておられますか?
  2. あなたにとって人生の転機になったエピソードは何でしょうか?

(2019年3月9日リライト)

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