数字に弱いとは? 克服するには経営者自らの、お金や数字への価値観を変えよう!

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数字に弱いとは? 克服するには経営者自らの、お金や数字への価値観を変えよう!

1.経営者のお金の価値観や、数字でのものの見方・考え方の違い

ある出版社の方と、お会いする機会が増えた。この方は、経営情報誌を発行する企業の経営幹部としての立場を通じて、中小企業の経営者との親交が広く深い。お伺いすれば、いつも様々な経営者の話や、経営談議で盛り上がり、時間の経つのがとても早く感じられる。

つい先日も、「経営者には、『観』(例えば、事業観・人材観・人生観)が大切だ」というお話から、経営者のマネー観(お金の価値観や、数字でのものの見方・考え方)の違いについて貴重なご意見を伺えた。

それは、「お金に対するイメージが、経営者によって大きく違う。例えば、お金では幸せにはなれないと考え、こころが何より大切だとし「お金=(イコール)汚い」とこころの奥底でマイナスイメージももつ人。逆に、もちろんお金だけではないが、お金は貴重なものだし大切でかけがえのないものとする人。

また、「数字(お金)=苦手」と端(はな)から諦め、企業経営の通知表である決算書を、税理士や経理担当まかせでおざなりに扱う方(ご本人は、営業や技術への取り組みを理由に自己弁護)数字を極度に嫌い弱く、数値感覚が決定的に不足。逆に、経理や財務のことを専門的に勉強したわけではないが、常に数字や決算書の大切さをかみしめ積極的に学び続けてこられた方。

 経営者としては同じ顔(組織の長という意味では同じ)だが、内面の意識(お金に対する考え方)は大きく違う。」というものだった。

2.数字に弱い経営者の身近な特徴とは?

私が一番興味をもったのは、「リーダーとしての『お金の価値観(マネー観)』が顕著に現れるのは、家計をどの程度掌握しているかでわかる」というお話であった。「数字に弱い経営者がいて、たまたま家計管理の話になった時、その方は奥様まかせにされておられた。ご本人は、給料という収入を家庭にもたらすだけで、金銭のコントロールはほとんどノータッチ。奥様が家庭のCEO(最高経営責任者)であり、この経営者はただお金を運んでくる言わば一介の営業マンに過ぎなかった」と話される。それ以来、数字に弱いリーダーとお会いすると、『家計管理にどの程度関わっておられますか』という問いをされるようになられたと言われる。

「数字に弱い経営者は、会計用語がわからないとよく言われるが、そもそも数字をコントロールしようとする意識――お金や数字に対する価値観や思考パターン(マインドセット)――が決定的にずれている(お金・数字=汚い・苦手等々)のではないか」と手厳しい意見だ。

3.数字に弱いなど苦手意識の克服は、価値観や思考パターンの呪縛から解き放たれること

この経営幹部から伺った視点で、改めて経営者や部門のリーダーを見つめると、今更ながら数字やお金を意識の上で意味もなく遠ざけている方が多いように想う。「自分は数字が苦手で・・・」と、自己を正当化し、苦手意識から脱却できない人が実に多いように感じる。

※お金という今回のテーマからはそれるが、パソコン(IT)が苦手、営業が苦手、人前で話すのが苦手等々も同様で、全ての苦手意識は、その人の価値観や思考パターン(マインドセット)の呪縛から解き放たれることが最優先課題だと強く感じた日々でもあった。

4.お金や数字に弱い人への有効な処方箋

そこで、「お金・数字=汚い・苦手」という思考パターン(マインドセット)をもった方に対しての、処方箋としてこれまで比較的有効であったものをご紹介させていただく。

1)中国や台湾では、「経理」という漢字が表す意味は、部長であり、「総経理」と表現するとそれは社長(経営者)を意味する言葉であるという事例(中国4000年の歴史では、それだけ数字や経理というものに意識が高いのではないだろうか)

2)「数字が苦手」という口癖ではなく、「数字が苦手だった」と過去形で話す習慣を身に付ける(この効果としては、言い逃れできず、真剣に習得しようと意識が変わる)

3)食わず嫌いを改め、数字が得意になりつつあるふりをする(「習うより慣れよ」で、決算書や家計に触る)

4)わからないことを徹底的に質問をする(お金や数字の師を決め、会話を定期的にもつ)

等々。

今回の経営幹部の方から得た示唆を通じて、リーダーのものの見方・考え方の大切さを改めて見つめ直す素晴らしい機会を得たことに感謝したい。

あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

5.数字に強い経営者に切り替わるあなたへの言葉

  • 『観』(例えば、事業観・人材観・人生観)が大切だ」
  • 「『お金の価値観(マネー観)』が顕著に現れるのは、家計をどの程度掌握しているか」
  • 「お金や数字に対する思考パターン(マインドセット)が決定的にずれている(お金・数字=汚い・苦手等々)」
  • 「数字に弱いなど苦手意識には、思考パターン(マインドセット)の呪縛から解き放たれることが最優先課題」

6.お金のマインドセットを行う、あなたへの問い掛け

  1. あなたのお金に対する思考パターン(マインドセット)は何だと想われますか?
  2. あなたは、家計にどの程度関わっておられますか?

(2019年3月23日リライト)

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