これまでのイメージを払拭し、イメージの力を味方につけた事例
2004年、アテネオリンピックをかけた大会で高橋尚子選手を振り切り独走する土佐礼子選手。
因縁の対決となった二人の関係を振り返ると、土佐選手がまだ若く無名だった頃、既に高橋選手は誰もが認めるトップアスリートであった。
土佐選手にとってはあこがれの選手、それがまさに高橋選手だったのだ。
その後、土佐選手はメキメキと頭角を現した。高橋選手がオリンピックの選考にもれ土佐選手が出場したというのは、我々の記憶に新しいことだ。
画面が切り替わり、レース前のインタビューでの土佐選手。
今日の抱負や、他の選手との駆け引き、レースのイメージ等を明るく語っている。
その中で、画面に釘付けになった場面があった。
それは、「レースに出るのは、高橋さんじゃない、高橋さんじゃない、今日一緒に走るのは、絶対高橋さんじゃない!」と、自分に言い聞かせるその姿であり、何度も熱く語るその言葉だった。
強いイメージを持つ相手を、のんでしまう(これまでの完全払拭)
私はこのインタビューを見て、スポーツの世界でよく口にされる言葉を想い起こしていた。
それは、「相手をのんでしまう」というものだ。
競技をする前から、既に闘いは始まっているし、優劣は決しているという考えである。
だからこそ、ライバル選手にどれだけ強い選手としての自分のイメージを与えることができるか、また、打ち負かそうする相手の強いイメージを自分が完全に払拭できるかが鍵となる。
まさに、土佐選手は、本人の内側にある高橋選手のイメージ(セルフイメージ)に負けない様に、「今日は高橋選手と走るのではない」と自分に何度も言い聞かせていた(セルフトーク)土佐選手の姿に心を打たれたのである。
商談の場面で使える、イメージを払拭する事例
ひとたび、スポーツの世界から、ビジネスの世界に目を転じると、
我々経営者やリーダーもストレスのかかる立場で結果(業績・革新等)を
出すという点では同じである。
しかし、果たしてどれだけのビジネスマンが、科学的なメンタルトレーニングを日々実行しているのだろうか?商談等の仕事の場面で、「戦う前から負けている(話す前からうまくいかない)」ということはないだろうか?逆に、「戦わずして、勝つ」を実践するために、イメージの力を味方につけている方がどれ位いるだろうか?
自分の変な思い込みや、自分自身や自社についての過去のマイナスイメージにとらわれ、本来実力を磨きレベルがあがっているにも関わらず、その良さを自らが封じ込めていることがあるように強く感じるのである。
子供時代のセルフイメージを払拭し、セルフトークで変化を生み出す
今回の出来事を通じて、人生・ビジネスにおけるイメージというものの大切さを改めて学んだように想う。
スポーツ選手に学び、セルフイメージやセルフトーク(口に出る言葉ではなく、自分の脳裏にでてくる言葉、さらには自分に言い聞かせる言葉)を磨き続ける価値をさらに確認したように感じる。
人は、我々が想っている以上に、自分が幼かった時、弱かった時、うまくいかなかった時のイメージを永く引きづってしまう動物のようだ。
だからこそ、自分自身の「小さな時の大きな勘違い」に気づき、そこを完全に払拭できた時、自然に大きな成果を成し遂げてしまうのもまた真実である。そして、これが自信につながっていく。
自転車に乗る時に、何かの故障でブレーキがかかった(できないというマイナスイメージをもった)状況が、突如直ったとたん、ペダルをこぐ(頑張ったり、行動する)力がダイレクトに伝わり前に進む(成果がでる)ものだから。
「プラスのイメージが、過去の思い込みを払拭する!」このことを実感した素晴らしい学びであった。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
イメージを払拭するのあなたへの言葉
- 「相手をのんでしまう」
- 「科学的なメンタルトレーニング」
- 「戦わずして、勝つ」
- 「セルフイメージやセルフトーク」
- 「小さな時の大きな勘違い」
- 「プラスのイメージが、過去の思い込みを払拭する!」
- あなたにとって、小さな時の大きな勘違いは何でしょうか?
- あなたはビジネスの場面でメンタルをいかに高めておられますか?
(2021年3月9日リライト)