こんな出来事が!
先日、ある会社の人材開発に携わるリーダーの方から電子メールを頂戴した。
そこには、イギリスの教育学者ウィリアム・アーサーワードの私が好きな言葉が綴られており、わが意を得たりとうれしさがこころに広がったのである。
いつも読み上げる度に、こころ揺さぶられる重みのある言葉
「凡庸な教師はただ話すだけ。少しましな教師は理解させようと努める。優れた教師はやってみせる。本当に優れた教師は生徒のこころに火をつける。」
(原文:The mediocre teacher tells.The good teacher explains.The superior teacher demonstrates.The great teacher inspires)
このリーダーの方は、著名な書家に全文を書いていただき、額に入れていつも噛み締めておられるということだ。
このメールをいただいたのは、初対面でありながら、二時間を越える白熱した意見交換をさせていただいた直後であった。
お互いが意気投合した感覚があったその原点がひも解かれた瞬間であったように想う。
私の想い
この方とのお出会いやその後のメールのやりとりを通じて、私の座右の書のタイトルが蘇ってきた。
それは経営コンサルタントの第一人者である田辺昇一氏の著書「心に革命を起こせ」である。
ほとんど読書する習慣の無かった学生時代の私。
しかし、今、想うとこの本との出会いで、こころに火がともり、人生が確実に前へ向かって動き出したように想う。
いうなれば、一冊の本と出会ったというより、著者である田辺昇一氏という人物に、さらには師に出会ったといった方が適切なのかもしれない。
日々への影響
私自身、日々、経営者として行っている現場でのスタッフ育成や、経営コンサルティング・研修等の業務それらは果たして単なる知識やノウハウ・テクニック等の薄っぺらい指導やアドバイスには終ってはいないだろうか?時間が無いと言い訳をして、ただ伝えるだけや中身のない説明に終ってはいないだろうか?自分がモデルとして模範を示し(率先垂範)ているだろうか?そして何よりも相手の琴線に触れるような話や、実感を引き出して実行してみようと感じる話になっているだろうか?等々、改めて自分自身を見つめるきっかけをいただいたように想う。
生活・志事(仕事)の中での実践
情報・通信時代と言われて久しい。我々経営者やリーダーにとっても数多くの書籍や雑誌、そしてテレビやホームページ・eラーニング等々複数のメディアからの溢れんばかりの情報は、居ながらにして手にすることができる。そのような中、時代変化の激しさに取り残される恐怖感からか、その多くを知識や情報として習得しストックすることだけに血眼になっているのかもしれない。しかし、我々は案外その蓄えたものを活かすだけの志や想いといったものが明確になっていないように強く感じる(自分らしさは何であるのか、何が人生や仕事(事業)で成し遂げたいことなのか等は不明確なまま)のである。
車に例えて言えば、ガソリンを積み込むことには非常に熱心ではあるが、肝心要のエンジンそのものを動かす点火プラグ(火花を飛ばしてガソリンと空気の混合気を燃焼(爆発)させる自動車部品)が機能しておらず、パワーが発揮できずに車が前進しない状態と同様なのかもしれない。
教育改革が叫ばれる中、政治や学校の先生だけにそれを委ねるのではなく、一人の人間として、また組織のリーダーとして、関わる全ての人のこころに火をともしたいものである。それには何より、様々な出会いや出来事から、自らがこころ打ち震える瞬間を多くもつことが大切ではないだろうか。それが相手に伝播(でんぱ)した時、その影響を受けた人が熱く燃えて、結果的に自然に動き出すのは間違いのないことなのだから。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
毎日の言葉
- 「本当に優れた教師は生徒のこころに火をつける」
- 「心に革命を起こせ」
- 「琴線に触れるような話や、実感を引き出し実行してみようと感じる話」
- 「点火プラグが機能しておらず、パワーが発揮できずに車が前進しない」
- 「自らがこころ打ち震える瞬間を多くもつ」
- あなたは周囲の人のこころに、火をともす人でしょうか?
- あなたにとって、自らがこころ打ち震える瞬間はどのような時ですか(でしたか)?また、そのような瞬間を多くするために、工夫されておられることは何でしょうか?
(2019年8月20日リライト)