ある経営者が生活の中で実行している、健康習慣の事例!
先日、経営者仲間で海釣りに出掛けた。早朝から数台の車に分乗し、ワイワイと話をしながらの道程は、さながら学生時代のスキー旅行のよう。そこではビジネスの場面ではないからこそ、普段はあまり目にしないリーダーの別側面(生活場面)を見ることが出来、興味深かった。
ある方は移動中の車内で「カーブや揺れる時、取っ手につかまらない様にしているのですよ。電車に乗った時も同じで、吊り革や、手摺りには極力頼らないと決めています」と話された。自分の身体能力を高めるため、日常でのプチトレーニングのひとつとして意識して健康習慣に取り組まれているのだ。
その後釣り船に乗り換えた以降も、揺れの中両方の脚だけで身体を支えておられたのが、強く印象に残っている。
”バリアアリーとは何か?”を、山口県の「夢のみずうみ村」から感じる
この方の姿を目の当たりにして、ある介護施設の情景が想い浮かんだ。バリアフリーならぬバリアアリー(在り)施設として注目されている山口県のデイサービスセンター「夢のみずうみ村」である。ここでは生活上の障害を減らすことではなく、障害が生活環境にあることでリハビリとなり機能回復が図られるという考えのもと過度なケアは削ぎ落とされている。
従来の介護施設ではみられない常識を覆したその取り組みは、(バリアアリーとは何か?)
1)一日の過ごし方を、(受身ではなく)本人が自己選択・自己決定
2)食事はバイキングスタイル(「お食事の時間ですよ」という声掛けもあえて無くされた)
3)施設内通貨の流通(買い物をすることやサービスを受けることができ、何かに貢献したり機能回復の取り組みをしたりすると貰える)
4)訓練としてのリハビリにとどまらず生活を楽しむためのリハビリの実践等々。
高齢者だから、障害があるから、といって過保護(バリアフリー)にするのではなく、その名も「人生の現役養成道場」と銘打って、生活できる能力を再生産する(バリアアリー)という視点に立って運営されておられるのだ。
経営者の生活習慣・健康習慣(便利でバリアフリーな生活から、知らず知らずのうちに甘えが出がち)
これらの出来事を通じて、日常を振り返り、自分自身がいかに周りの便利な物にどっぷりとつかり、バリアフリーで甘えた生活をしているかが浮かびあがってきた。
健康に留意している人は、何気ない普段の生活からして違う。エレベーターやエスカレーターを使わず階段を積極的に使う。タクシーを使わずよく歩く。最寄り駅の1つ前で降りて歩く。自分がタバコを吸わないだけでなく受動喫煙にも気を遣う、等々(※文末注)。
また私自身の健康というものの見方や捉え方に偏りがあることにも気が付いた。具体的には、筋力や持久力(心肺機能)といったものを維持し増進させていく意識は高いが、加齢と共に損なわれつつある柔軟性やバランス(平衡)感覚については意識が低く、積極的な取り組みをしていなかったのである。
経営者の能力アップは、日々の生活改善から【習慣に違いを!】
今、社会が健康重視に大きく動いている。健康増進法の制定はもとより、メタボ対策、禁煙志向の高まり(今年はタバコの大幅値上げで、一段と禁煙者が増加したという)。また、健康を意識しての中高年の登山者数増加だけでなく、山ガールという名のもと、若い女性の中でも愛好者が急増している側面もある。
さらには、市民ランナーも年々増加。大都市東京の交通を止めて開催される東京マラソンにおいては、2007年2月のスタート時申し込み者が7万7千人であったのが、直近大会では3万7500人の枠に対して45万人もの申し込みが殺到。抽選の結果、実際走ることが出来る人は12人に1人という狭き門となっているのだ。
この様な中、今回実感し実行につなげる想いが深まったのは、日々の習慣を経営者としての能力アップや健康増進の味方にするということだ。時間に追われがちな現代人だからこそ、日頃の何気ない生活の中で、プチトレーニング・プチ感覚アップを意識して行うことの大切さを感じたのである。私も今日から、職場のある7階オフィスまで階段を歩いて上がる回数を、愉しみながら増やしていくことに決めた。登山者憧れの北アルプスの剣岳登頂を夢見て!
短期的な便利(快楽)は、長期的に便利(愉しみ)とは言いきれないのだから──。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
経営者の能力アップ・健康習慣につながる言葉
- 「バリアフリーならぬバリアアリー施設」
- 「本人が自己選択・自己決定」
- 「日々の環境を自らの健康の味方にする」
- 「短期的な便利(快楽)は、長期的に便利(愉しみ)とは言いきれない」
- あなたが心掛ける生活習慣・健康習慣は何でしょうか?
- あなたは、バリアアリー施設から何を感じられましたか?
(2019年8月22日リライト)