fs-session-07-eyecatch

経営者に必要なノウハウ

あなたの失敗談が、誰かの一歩を支える。リーダーの経験を、チームの学びに変えるには?

アバター画像

ふさぽ

後継者をホンマモンに育む、応援をしています。社長を19年経験してわかったこと。それは'トップ自らの人生'を豊かにすること…人との”ツナガリ”づくりを通して。その入り口として、口癖にこだわり、Xでは発信中。『口ぐせは生きグセ』人生観に裏うちされた、事業づくりがトクイ種目。 ホンマデッカァw

水野秀則
水野秀則

こんにちは。経営写コンサルタント®の水野秀則です。皆さんは最近、仕事でうまくいかなかった経験を、誰かに話されましたか。部下や後輩に伝えるとき、つい選んでいるのは、成果が出た話、困難を乗り越えた話かもしれません。今日は少し視点を変えて、自分がつまずいた経験を、次の人の力にすることについて考えてみたいと思います。

リーダーには、頼られる存在でありたいという気持ちがありますね。経験があるからこそ役に立ちたいし、せっかく話すなら、相手が元気になる話をしたい。私にも、そうした思いがあります。ただ、その気持ちの中に、すごいと思われたい、認めてもらいたいという自分の都合が入り込んでいなかったか。振り返ると、私には思い当たることがあります。

9月16日に12名で開催した「経営者シン感覚プレセッション」では、私自身、若い頃に成功体験を周囲へ押し付けていたことを、失敗としてお話ししました。相手の役に立つつもりでも、自分の経験の価値を分かってほしいという気持ちが先に立っていたのですね。そのことに気づくまで、私にも学ぶ時間が必要でした。

今回は、失敗を話せばよい、というところから、もう一歩先へ進みたいと思います。当時の自分は何を見て、どう考え、何を見落とし、その後に何を変えたのか。そこまで言葉にすることで、経験は聞き手が使える学びに近づきます。皆さんの中にも、まだ誰かに手渡していない経験があるのではないでしょうか。

「認めてもらいたい」が、話の主役になっていないか

私が若い頃を振り返ると、成功したことを伝える際に、どうだ、すごいだろうという思いがあったのだと思います。うまくいった理由を説明し、こうすればよいと伝える。本人としては親切のつもりでも、受け取る側からすると、自分の置かれた状況を聞いてもらう前に、答えを渡されるような感じだったかもしれません。

プレセッションでも触れましたが、私は、どうすれば話を聞いてもらえるのかを、経営者の方々に相談しました。その中で、失敗した経験から伝えられることがあると教えていただきました。最初から自然に話せたわけではありません。恐る恐る試してみたというのが、私の実感です。自分の見せたい姿と違う話をするのには、やはりためらいがありました。

私がここで大切にしたいのは、成功談をすべてやめることではありません。うまくいった工夫にも、伝える価値はあります。ただ、話し終えたとき、相手の手元に何が残るかを考えたいのです。話した人への感心だけが残るのか。それとも、自分の仕事で確かめてみたいことが一つ見つかるのか。経験を話す目的によって、選ぶ言葉も変わります。

相手が困っていることを、先に聞いてみる

例えば、後輩から打ち合わせの進め方を相談されたとします。そのとき、すぐに自分が大きな仕事をまとめた話を始める前に、何に困っているのかを聞いてみる。準備なのか、質問への対応なのか、話を終えるタイミングなのか。それが分かれば、相手に渡すべき経験も絞られます。自分の持ち話ではなく、相手の問いから始めるのです。

リーダーの経験は、年月を重ねるほど増えていきます。だからこそ、話せることが多すぎる場合もあるでしょう。関連することを次々に思い出し、気づけば自分ばかり話していた。そんなときは、経験の量より、今の相手に合う一つを選ぶことを意識したいですね。相手が続きを話せる余白も、支援の一部だと思います。

私は、経営者の想いを受け止める仕事をしています。その自分が、相手の想いを聞く前に、自分の経験で場を埋めてしまっては、本来の役割から離れてしまいます。これは今も、自分に返している問いです。今日の自分の話は、誰のための話だっただろうか。相手の顔を思い浮かべながら、振り返ってみたいと思います。

失敗の結末だけでなく、そこに至る判断を伝える

「昔、私も失敗したことがあるんです」。その一言が、話の入口になることはあるでしょう。ただ、それだけでは、聞き手は何を受け取ればよいか分かりません。失敗の大きさや、どれだけ困ったかだけを詳しく話しても、聞き手の仕事とはつながりにくいことがあります。私が伝えたいのは、結果に至るまでの、自分のものの見方です。

例えば、説明資料を十分に用意したのに、打ち合わせで話が進まなかった場面を考えてみましょう。「準備不足で失敗した」とまとめると、聞き手は資料をもっと増やせばよいと思うかもしれません。しかし、実際には資料の量ではなく、相手がその日に何を決めたいかを確かめていなかったことが問題だった、という場合もあるはずです。

その場合は、「必要な情報をそろえれば、話は進むと思っていた。けれど、相手が判断したいことを先に聞いていなかった」と伝えるほうが、仕事の場面を想像できます。どのように考えていたから、どの確認をしなかったのか。そこが見えると、聞き手も、自分の準備の仕方に重ねて考えられます。

後から分かったことを、当時の自分も知っていたことにしない

振り返ってみると、なぜあのとき気づかなかったのだろうと思うことがありますね。ただ、結果を知った今の視点だけで当時を語ると、話が簡単になりすぎます。そのときは別の心配が大きかったのかもしれない。以前のやり方でうまくいったため、確認しなくてもよいと思ったのかもしれない。当時の判断には、当時なりの理由があったはずです。

その理由を話すことは、言い訳とは違います。自分の判断を正当化するために並べるのではなく、同じ思い込みに入りやすい場面を知るために確かめるのです。「時間がなくて仕方なかった」で終わらず、「時間がないときほど、確認を省けば早くなると考えていた」と見直す。すると、次に気をつける条件が具体的になります。

聞き手にとって役に立つのは、すべて分かっている人からの答えだけではないと思います。限られた情報の中で、どのように迷い、何を選んだか。その途中を知ることも、自分が迷ったときの助けになります。失敗の結末より、判断の途中を手渡す。そんな意識で経験を振り返ると、話の中身は変わってくるのではないでしょうか。

失敗談を学びに変える、三つの整理

fs-session-07-body-v2

では、どのように話を組み立てればよいでしょうか。私は「当時の判断」「見落としたこと」「変えた行動」の三つに整理してみることを提案します。特別な話術は必要ありません。相手に参考にしてほしい一つの経験について、この順番で短く考えてみるのです。出来事を最初から最後まで説明するより、伝えたいことが見えやすくなります。

まず、当時の判断です。何を達成しようとして、どんな情報を見て、どう進めればよいと考えたか。例えば、「経験のある担当者なので、完成形を細かく確認しなくても任せられると思った」という具合です。ここでは、自分の考えを主語にします。相手が当然分かっているはずだった、という言い方だけでは、自分が何を前提にしたかが曖昧になります。

次に、見落としたことです。実際に何が起き、その結果、自分のどの見立てが足りなかったと考えたか。資料は期限内にできたけれど、必要としていた用途とは違っていた。それなら、相手の能力の話にする前に、用途や完成の条件を共有していたかを振り返れます。起きた事実と、そこから考えたことを分けると、話を大きくしすぎずに済みます。

そして、変えた行動です。「伝え方に気をつけるようにした」だけでは、まだ抽象的ですね。「依頼するときに、使う相手と場面を伝え、最初の一枚で方向を確かめるようにした」と言えば、聞き手は具体的な行動をイメージできます。経験から得た学びを、次の仕事で何をするかというところまで下ろすことが大切です。

変えてみた結果も、分かる範囲で添える

行動を変えて、どのような違いがあったかも話せるとよいでしょう。「途中で用途の食い違いに気づけた」「完成後の作り直しではなく、早い段階で相談できた」。小さな違いで構いません。ただ、確かめていない効果まで付け加える必要はありません。何もかもうまくいく方法に仕立てると、失敗談がまた、万能な成功法則になってしまいます。

まだ試している途中なら、そのように伝えればよいと思います。「これで十分かは、まだ確かめています」「別の仕事では違うやり方が必要でした」。そこを残すことで、聞き手も、そのまままねるだけではなく、自分の条件に合わせて考えられます。経験は答えの押し付けではなく、一緒に考えるための材料として渡したいのです。

自分の失敗を話しながら、誰かを責めていないか

失敗談には、たいてい自分以外の人が登場します。お客様、同僚、部下、協力してくださった方。だからこそ、自分の話をしているつもりで、別の人の評価を下げていないかに気を配りたいと思います。「私も失敗しました」と始めても、その後が、相手が言うことを聞かなかった、理解してくれなかったという説明だけなら、聞こえ方は変わります。

例えば、「確認しておいてと頼んだのに、担当者が見ていなかった」と話す場合です。そこで、「自分は何を、いつまでに、どう確認してほしいと伝えたか」「確認が終わったことを、どのように共有するつもりだったか」にも目を向ける。相手の行動だけを原因にせず、自分が整えられた部分を考えることで、聞き手に渡せる学びが出てきます。

もちろん、すべてを自分の責任にするということでもありません。自分が決められない条件や、複数の事情が関係する場合もあります。それぞれを切り分けたうえで、自分の立場で何ができたかを話す。過剰に自分を責める話にしてしまうと、聞き手は学ぶよりも、慰めることに気を取られるかもしれません。

名前を伏せれば、それで十分とは限らない

誰かが関わる経験を話すときは、名前を出さなくても分かってしまう場合があります。時期、役職、珍しい案件の内容などが重なると、身近な人には相手が想像できるでしょう。学びに必要なのは、その人が誰だったかではなく、どんな判断が行われ、何が起きたかです。特定につながる情報を省いても、仕事の構造は伝えられます。

また、相手に負担をかけたことが、まだ解決していない場合もあるでしょう。その出来事を、早々に自分の成長物語として語るのは、慎重でありたいと思います。先に説明や謝罪、必要な対応をすることがあるのではないか。話せるようになることと、出来事への対応が済むことは別です。その順番を取り違えたくありません。

私が大切にしたいのは、失敗した経験を使って、自分をよく見せることではありません。関わった人への配慮を保ちながら、次の仕事をよくすることです。話を面白くするために相手の言葉を強めたり、誰かを悪者にしたりしなくても、伝えられることはあります。自分の見落としを具体的に話すだけでも、十分に意味のある経験になると思います。

武勇伝にも、自分を責める話にも寄りかからない

失敗談として始めたのに、最後は、自分が徹夜で取り戻した話や、無理を通して成果を出した話になることがあります。懸命に対応した経験には、その人なりの重みがあるでしょう。ただ、聞き手が受け取る教訓が、困ったら体力で埋め合わせるしかない、になっていないかは確かめたいところです。

例えば、締め切り直前の変更を何とか間に合わせた話なら、どれほど頑張ったかだけでなく、なぜそこまで変更が分からなかったのか、次から何を早く確認するようにしたのかを話す。そのほうが、聞き手は同じ苦労を避けるための手掛かりを得られます。最後に持ち直した事実があっても、途中の無理を美化しなくてよいのです。

反対に、「自分は本当に駄目だった」と繰り返すことも、学びを曖昧にします。人全体の評価にしてしまうと、何を変えられるのかが見えにくくなるからです。「あの場面では、相手の確認を待たずに進めた」と、行動の大きさまで戻してみる。人格を裁く話ではなく、仕事を振り返る話にすることで、具体的な改善を考えられます。

笑い話にする前に、何が残るかを考える

場を和ませるために、自分の失敗を笑って話すこともあると思います。それ自体を否定するつもりはありません。ただ、聞き手が笑ってくれたから、よい学びになったとは限らないですね。面白かったという印象だけで終わったのか、自分も確認してみようと思える点があったのか。そこは分けて考えたいと思います。

特に、当時の関係者にとっては大変な出来事だったなら、話す側が今は笑えるとしても、同じように受け止められるとは限りません。軽く扱わず、それでも今に生かせることを伝える。そのバランスを大切にしたいのです。経験の重みを保つことと、深刻な語り口にすることは、必ずしも同じではありません。

「私も話したから、あなたも」と求めない

リーダーが自分の失敗を話した後、周りにも話してほしくなることがあります。せっかく自分が口を開いたのだから、みんなも率直に話してほしい。その気持ちは分かります。ただ、相手にも、話せる準備や、話してよい範囲があります。上の立場の人が話したことが、下の立場の人にとって、同じように話せる条件になるとは限りません。

例えば、朝の打ち合わせで一人ずつ失敗を発表することにすると、まだ整理できていない出来事まで持ち出す人がいるかもしれません。あるいは、無難な話を選ぶことが目的になるかもしれない。経験を学びにしたいのであれば、本人が何を話せるかを選べることも大切です。話さなかった人を、率直さが足りないと決めつけないようにしたいですね。

自分の経験を話した後は、「似た経験があれば、話せる範囲で聞かせてください」でもよいですし、「この話で、自分の仕事に関係しそうな点はありますか」と尋ねてもよいでしょう。自分の失敗を差し出さなくても、気づいたことを話す形なら参加できる人もいます。対話への入り口を、一つに限定しないことです。

相手が話してくれたとき、すぐに答えをかぶせない

誰かが経験を話し始めたら、リーダーの側にも聞く姿勢が求められます。「それなら私のほうがもっと大変だった」と自分の話へ戻したり、「だから前から言っているでしょう」と結論を急いだりしない。その人が、どんな条件で、どう考えていたかを聞いてみる。自分が話すときに伝えたかった判断の途中を、相手にも尋ねたいのです。

ここでは、助言を求められているのか、まず整理したいのかも確かめるとよいと思います。話しているうちに、自分で次の行動が見えてくることもあります。リーダーが必ずよい答えで締めなくても、その人が自分の経験から一つ気づけたなら、意味のある時間でしょう。自分が教えることだけを、対話の成果にしないことです。

以前の記事では、相談や失敗の報告への反応について考えました。今回は自分の経験をどう話すかが中心ですが、聞く側になったときの姿ともつながっています。自分の失敗には理解を求め、相手の失敗にはすぐに評価を下す。それでは、語った内容と普段の関わり方が離れてしまいます。同じ視点で振り返ろうとする姿を、日常でも重ねたいと思います。

小さなつまずきほど、明日の仕事に持ち帰りやすい

失敗談というと、人生が変わるほどの大事件を思い浮かべる方もいるかもしれません。けれど、最初から大きな話を選ばなくてもよいと思います。依頼するときに用途を伝えなかった。会議の最後に担当を確かめなかった。相手の話を最後まで聞く前に説明を始めてしまった。日々の小さなつまずきにも、仕事を変える手掛かりがあります。

例えば、打ち合わせでは全員が理解したように見えたのに、翌日になって誰も着手していなかった場面です。「意思疎通が足りなかった」とだけ話すより、「私は、内容が決まれば担当者も分かっていると思っていた。最後に誰がいつ始めるかを確認していなかった」と伝える。その違いが分かれば、聞き手は次の打ち合わせで、一つ確認を増やせます。

小さな経験は、聞く側も自分の仕事に重ねやすいものです。大きな出来事なら、その人だから乗り越えられたと感じてしまう場合でも、普段のやり取りなら、自分にも似た場面があると思えるかもしれません。話の価値を、失敗の規模で決めないことです。相手の今日の困りごとに届くなら、小さな経験で十分ではないでしょうか。

一度の経験から、大きすぎる法則を作らない

ただ、一つの経験から、相手は必ずこう考える、このやり方は絶対に駄目だと広げすぎないことも大切です。うまくいかなかった理由には、そのときの条件が関わっています。相手、仕事の難しさ、使えた時間などが違えば、同じ行動でも意味は変わるでしょう。自分の経験を大切にしながら、その範囲も伝えたいのです。

「私の場合、この場面ではこうだった」と話したうえで、「今の皆さんの仕事なら、どこが同じで、どこが違うでしょうか」と問いを返す。そのようにすれば、過去をそのまま再現させる話になりにくくなります。世代や立場が異なる人との対話でも、経験を比べることが、新しい見方を得る機会になります。

私自身、プレセッションでは、まず恐る恐る試してみればよいという趣旨をお伝えしました。自分たちに役立ったことが、誰にでも同じように役立つとは限りません。だから、小さく試し、相手の反応を見て、伝え方を見直す。経験を伝える自分もまた、学んでいる。その姿勢を忘れないようにしたいと思っています。

話した経験を、チームの仕事に残す

よい話を聞いたという感想で終わらず、日々の仕事に何か一つ残せたら、経験はさらに生きてきます。依頼の際に確認する項目を加える。打ち合わせの最後に、担当と着手日を確かめる。作業を始める前に、最初の見本を共有する。自分の失敗から変えた行動が、ほかの人も使える形になると、同じところでつまずく可能性を減らす工夫になります。

ただし、失敗のたびに確認項目を増やし続ければよいわけでもありません。使わない項目が積み重なると、確認すること自体が負担になります。何を防ぐための項目か、どの場面で使うかを明確にし、実際に役立っているかを見直すことが必要です。経験から学ぶつもりで、仕事を複雑にしすぎていないかも確かめたいですね。

経験を短く記録するなら、「何を前提にしたか」「何が起きたか」「次に何を確かめるか」の三つでもよいでしょう。書いた本人しか分からない人物名や事情を並べるより、次に同じ仕事をする人が読んで使えるようにする。立派な失敗事例集を完成させるより、次の担当者が一つ迷わずに済むことを目指したいと思います。

後日、使ってみた話を聞いてみる

自分の経験を伝えた相手に、後で「あの話、参考になりましたか」と聞くこともあるでしょう。そのとき、褒めてもらうための質問にしないことです。「実際の仕事では、何を確かめてみましたか」「合わなかったところはありましたか」と、使った場面を尋ねる。相手の経験から、自分の伝え方を学び直すことができます。

もし、あまり役に立たなかったと言われたとしても、その言葉は大切な情報です。状況が違ったのか、具体性が足りなかったのか、相手が必要としていたこととはずれていたのか。話した自分の満足と、聞いた相手の役立ち方を分けて見てみる。私が成功体験を押し付けていた頃から学んだことも、ここにつながっていると思います。

今日、一つだけ経験を手渡すとしたら

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。最後に、ご自身の経験を一つ思い出してみませんか。最近でも、少し前のことでも構いません。今なら、自分はここを見落としていたと言える場面。そして、その後に小さくても行動を変えた場面です。誰かを責めずに話せて、今の相手の仕事に関係するものを選んでみてください。

まずは、手元に三行だけ書いてみます。当時、自分はどう考えていたか。実際には何が起き、何を見落としていたか。その後、何をするようにしたか。書いてみて、最後が精神論だけになっていたら、行動をもう少し具体的にします。「よく確認する」なら、誰に何を、どの時点で確かめるようにしたかまで戻ってみるのです。

話す場は、大きな会議でなくてもよいですね。似た仕事に取り組む人との短いやり取りで、「参考になるか分かりませんが、私はここでつまずいたことがあります」と切り出してみる。自分の経験を話したら、相手の条件も聞く。そこで、自分の学びにも新しい補足が生まれるかもしれません。経験は、渡して終わるものではなく、対話の中で育つものだと思います。

私にも、できる人だと思われたい気持ちがありました。今も、自分の話し方を振り返る必要があります。だからこそ、失敗を話すことを、上手な自己演出にしたくありません。分からなかった自分、見えていなかった自分を確かめ、その後に変えたことを、相手が使える形で手渡す。その地道な関わりを、大切にしていきたいのです。

水野秀則
水野秀則

あなたがつまずいた場所を言葉にすることで、次の誰かは、そこで一度立ち止まって確かめられるかもしれません。皆さんが今日、一人に手渡すとしたら、どんな経験でしょうか。すごいと思ってもらうためではなく、その人が自分の一歩を選ぶために。私も、自分の経験をそんなふうに役立てていきたいと思います。

    この記事はご満足いただけましたか?

    メールアドレス(任意)

    ご意見・ご要望(任意)

    プライバシーポリシーに同意の上でお申込みください

    • この記事を書いた人
    アバター画像

    ふさぽ

    後継者をホンマモンに育む、応援をしています。社長を19年経験してわかったこと。それは'トップ自らの人生'を豊かにすること…人との”ツナガリ”づくりを通して。その入り口として、口癖にこだわり、Xでは発信中。『口ぐせは生きグセ』人生観に裏うちされた、事業づくりがトクイ種目。 ホンマデッカァw

    -経営者に必要なノウハウ

    PAGE TOP