三方よしに学ぶ周りを生かす生き様・働き様!

公開日: : 最終更新日:2013/11/22 事例体験から学びたい!

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(機関誌80号2007年8月)
自分の視点(自社の都合)だけで、ものごとを判断していませんか?

1.こんな出来事が!

 先日、ある商工会議所の経営指導員の方と、お話をさせていただいた。数多く現場を回る中からの体験談には迫力がある。経営者や組織のリーダーの方々と日々接している者同士、様々な意見交換で盛り上がった。その中でも、「金儲け」と「商売」の話が印象に残った。

 それは、人を束ねる経営者があまりにも「金儲け」に走りすぎ、本来の「商売」をしていないのではないかというものであった。これは昨今、マスコミに取り上げられる企業不祥事の根底に巣くっている自分都合・自社都合優先の考えにも通ずるものである。まさに危惧している一つだ。外見は顧客第一と謳いながらも、その実は自社の売り上げ達成や、金儲けのためなら何でもするといった考えがはびこっている経営者を目にするのは、実にさみしいことである。

 企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)が求められるのは、単に大企業ばかりではない。それは規模の大小にまったく関わりないということだ。

 「自社の発展(自己)と社会貢献(他者)のバランスが崩れていることに歯止めが不可欠」という点では、まったく同感である。

2.私の想い

 この話の中で蘇ってきたのは、「儲けるは欲、儲かるは道」という言葉だった。儲けよう儲けようとするのは、意外と自分の欲から出ているものだ。

 対極としてお客様のことを一生懸命考え行動した結果が儲かるということであり、それが商売人の道である。我欲からでたものは必ずお客様が見破り、本当の意味の儲けを生み出すことはできないという教えだ。

 また、「商売は笑売」という言葉も頭に浮かんできた。商売とは本来面白いものであり、飽きない(商い)ものである。お客様と共に笑顔が生まれるような売り方でないといずれは、淘汰され「勝売」にはつながらないという考えだ。

3.日々への影響

 金儲けと商売の違いという対話の中で、その後も様々な角度から見つめ直したことがあった。それは、商売を行う人(つまり、商人)の「ものの見方・考え方」の原点についてだ。商人と言えば、近江商人、関西商人、甲州商人、江州商人、五個荘商人等々、人によって色々な商人のイメージがある。私のこころの中に広がったのは、「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」で有名な近江商人であった。現代に繁栄のバトンを繋いでいる企業も、高島屋、伊藤忠、丸紅、ふとんの西川産業等々、決して少なくない。

 二十年近くも前、関西在住だった私。三方よしの原点である滋賀県の現地に足を運んだ。三方よしの近江商人の考え方が最初に記録に現れてくるのは、中村治兵衛が子孫に残した家訓に見てとれる。私にとってその懐かしい文章―― 「他国へ行商するもの総て我事のみと思はず、其の国一切の人を大切にして、私利を貪ること勿れ」にも再度巡り会えたのである。

 江戸幕府の管理の下、藩を超えた往来が制限されていた当時、出向いた先の利益を考えないでいると自由な経済活動に直ぐに制限が加えられた時代であったことも影響していたのであろう。

4.生活・志事(仕事)の中での実践

 今回、経営指導員の方との対話や、三方よしの原点を振り返る中で、「私利を貪ること勿れ」という言葉がこころの中でこだました。周りから押し上げられる企業が、真に繁栄と永続を手にすることを日本の商人の歴史からも改めて学ばせていただいた。

 その学びは、単に企業経営だけに生かせるものではない。組織のリーダーや一個人が周りとの信頼関係をいかに育むかという点でも活用できるのは間違いがないところだ。「俺が!俺が!」と言った様な自我・自説・自欲にとらわれず、「相手の立場だったらどうか?果たしてこれで社会のためになっているだろうか?」と日々自分に問い掛けることの大切さを実感したのである。

 商売は金儲けの手段(だけ)ではなく、部下は昇進のための道具でもないことは明白なことだから。

 あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

5.毎日の言葉

  • 「儲けるは欲、儲かるは道」
  • 「商売は笑売」
  • 「私利を貪ること勿れ」
  • 「商売は金儲けの手段ではなく、部下は昇進のための道具でもない」

6.自分を見つめる問い掛け

  1. あなたは自分の視点だけで、ものごとを判断しがちになる時はどのようなことでしょうか?
  2. あなたは金儲けと商売の違いは、どのようにイメージされておられますか?
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