赤字会社の経営者は、黒字社員を増やすだけでなく、ココにも注目!

事例体験から学びたい!

赤字会社の経営者は、黒字社員を増やすだけでなく、ココにも注目!

2020年6月2日

赤字は罪悪でなく、変えないことが罪悪

先日、ある会社の社長と「赤字」のことで大変掘り下げたお話を伺えた。

企業の70%以上が赤字という話に始まって、赤字というものをどう見るのか――ものの見方・考え方という深い話にまで至った。

 

赤字は罪悪」という松下幸之助氏がこだわった考え方をお話すると、この経営者は、「赤字は罪悪ではない、赤字を変えないことが罪悪だ!」と、さらに深い視点のお考えを話していただいた。

 

お話を伺って、過去の赤字をただ責める姿勢ではなく、今現在の赤字体質や、それを変えようとしない姿勢に疑問を投げ掛けることがより効果的だと強く感じ、なるほどと思った。

 

過去は変えられない、変えられるのは未来!

過去を責めるのではなく、未来に問い掛ける!

とするその姿勢に強く共感を覚えたのである。

組織だけでなく個人でいう、赤字社員も罪悪なのか?

赤字会社、赤字社員、財政赤字、貿易赤字、赤字国債、赤字国家等々。

会社だけでなく、組織や個人にも「赤字」という言葉が結びつき、色々と浮かんでくるものがある。

そして組織の赤字、個人の赤字はいずれも罪悪であるとされる。

 

例えば、収入と支出のバランスを大きく崩し、社会的な問題となっている多重債務者問題や、カードやローン社会が引き起こす影の部分、それらに追い込まれた人が起こすさまざまな悲劇など。

赤字は罪悪とする、松下幸之助氏の魂の叫び

そういう中、原点に返り、幸之助氏のいう「赤字は罪悪」とする思想に触れ、さらに深める機会が巡ってきた。

それは幸之助氏の多くの著作を読み返す中で、次のような一文に釘付けになったのである。

 

「天下の金・人・物を使う企業は、それに見合うだけの社会的プラスが、はじめから予想されていると考えるべきであり、それが十分にできないのならば、いさぎよく人と金を社会に返して、他にもっと有効に活用してもらうことを考えた方がよろしい。赤字を出すということは、企業の国家的国民的な罪悪だといってよろしいかと思う」

 

個人だけでなく社会が育んできた国民(ヒト)の可能性や貢献を生かしきれず、国家や他の国民に還元できないのはまさしく悪であり犯罪だとする考えである。

経営者が先行で恐れるべきは、現状の赤字や黒字だけでなく、白字化現象

「赤字」について深く見つめ直したこの機会に、私には色々な発見があった。

その最も大きかったものは、赤字でもなく、ましてや黒字でもなく、「白字」というものの見方があるのではということだ。

 

赤字企業⇔黒字企業、赤字社員⇔黒字社員という単なる赤か黒かという一つの軸ではなく、そこに白という多面的なものの見方が現れてきたのである。

 

これは白字とは、赤字か黒字かということを知らない、いや、むしろ知ろうとしない現象があること。

また、本当の意味で赤か黒かに深く気付いていない企業や組織、社員、個人が実に多くいるという、私のこれまでの現場体験から出てきたものだ。

 

例えば、自社が連続赤字なのに、粉飾決算で問題を先送りにする経営者(白字企業、白字経営者)。

会議で売り上げアップの討議に終始し、利益が出ているのか無頓着な幹部や社員(白字幹部、白字社員)。

収入に不釣合いな服装や持ち物、特に自動車で、外見ばかり気にしている人(白字人間)等々。

赤字というものを考えた場合に、こころの底から赤字の本質を身に染みて感じたならば、人は自ずとそれなりの手を打っていくものだ。

 

私が問い掛けたいのは、自らが赤字かどうかも知らない、知ろうとしない姿勢や、赤字である現実から目を背け、未来に対しても手を打っていかない組織や人についてだ。

 

今回の経営者との対談で白字企業、白字経営者、白字社員、白字個人の方々が、数字というものに注目し、その本質に気付き、これまでと違う角度から変革を生み出されることを願い、想いを深めてもらいたいと実感したのである。

 

あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

赤字・黒字を深く見つめる、リーダーのあなたへの言葉

  • 「赤字は罪悪」
  • 「赤字を変えないことが罪悪」
  • 「組織の赤字、個人の赤字はいずれも罪悪」
  • 「赤字を出すということは、企業の国家的国民的な罪悪」
  • 「白字とは、赤字か黒字かということを知らない、知ろうとしない。また、本当の意味で深く気づいていない企業や組織、社員、個人」
  • 「白字企業、白字経営者、白字社員、白字個人」
水野秀則
水野秀則

  1. あなたは赤字社員・黒字社員、それとも白字社員でしょうか
  2. あなたは数字を意識するために、どのような取り組みをされておられますか?

(2020年6月2日リライト)

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