「忘れてたぁ~」
やろうと思ってて、やってない
読書でコレが多かった私
新たに学び実践につなげる、
経営者の方々の読む量と質は半端ない
が、読めずに"積ん読症"に手を焼いていた20代の私
変化は、図書館でかりる様にしてから返却日が鳴りひびく
《期限が集中力を生む》
忘れない工夫は何してます?— ふさぽ@経営者 (@future_support) October 27, 2025
「積ん読症」は経営者の宿命?──“学び”が行動に変わらない理由
情報過多の時代に陥る“学びの罠”
経営者の皆さんの多くが、「学び」には熱心です。
セミナー、本、音声、動画──学びの手段はかつてないほど豊富になりました。
ところがその一方で、「学んでいるのに成果に結びつかない」「読んでも実行できていない」と感じている方も少なくありません。
私自身も若い頃は、まさに“積ん読症”の常習者でした。
読むつもりで買った本が机の端に積み重なり、気づけば表紙の色も薄れていく。
経営者であればあるほど、情報を集めようとする意欲が強く、気づかぬうちに“学びの罠”にハマってしまうのです。
この罠とは、「学ぶこと自体が目的化する」こと。
本来、学びは“行動のため”のものですが、知識を増やすことで安心してしまい、結果として動けなくなる。
いわば“インプット過多による満腹状態”です。
経営も同じで、どれほど立派な経営計画書をつくっても、実行しなければ何も変わりません。
学びもまた、動いて初めて「知恵」に変わる。
そして、行動を促す“きっかけ”こそが、この後にお伝えする「期限」という仕掛けなのです。
インプット過多がもたらす「思考停止」
情報があふれる時代、私たちは「知っている」ことを優位だと錯覚しがちです。
けれども、本当に力を発揮するのは「知っていること」ではなく、「使えること」。
つまり、知識を“行動に変えられる力”です。
経営者として、あらゆる情報や知識をインプットし続けるのは当然の姿勢でしょう。
しかし、学ぶほどに頭の中が満たされ、かえって思考が止まってしまう──。
そんな paradox(逆説)に陥ることがあります。
「知っている」ことが増えるほど、人は安心します。
ところが安心は、挑戦を鈍らせる。
新しい知識を得た瞬間は満足感に包まれますが、実際に行動する段になると、「もっと知ってから」「もう少し準備をしてから」と先送りしてしまうのです。
私もかつて、同じような罠に落ちていました。
分厚い専門書を読み漁り、講演会のメモがノートを埋め尽くしても、行動が伴わない。
そんなときに気づいたのは、「知識が多いこと」と「思考していること」はまったく別物だということでした。
経営の現場では、情報よりも判断が求められます。
判断は「考える」から生まれる。
そして“考える”とは、知識を混ぜ合わせ、選び、実践に落とし込む行為です。
つまり、動かない限り思考は止まるのです。
だからこそ、次の章でお伝えする「期限」という制約が、思考を動かす強力なスイッチになるのです。
期限が集中力を生む──行動を引き出す仕掛けのつくり方
図書館の返却日が教えてくれた“締切効果”
私が“積ん読症”から抜け出せたきっかけは、意外にも「図書館」でした。
20代の頃、買った本は積み上がる一方で、読み切れずに自己嫌悪に陥る日々。
そんな自分を変えようと、試しに“買う”のではなく“借りる”ようにしてみたのです。
すると不思議なことに、読むスピードも集中力も一気に上がりました。
理由は単純。「返却期限」があるからです。
この“期限”という存在が、私の行動を動かしたのです。
「あと3日で返さなければならない」と思うと、どんなに忙しくても本を開く。
読み切ろうとする集中力が自然と高まる。
まさに「締切が人を走らせる」という現象です。
経営者の皆さんも、締切効果の威力を日々感じておられることでしょう。
決算期、納期、会議日程──これらすべてが、集中と行動を生むトリガーになっています。
期限があるからこそ、決断できる。
期限があるからこそ、優先順位が明確になる。
学びにおいても同じです。
本を読むことに“返却期限”を設ける。
セミナーで学んだ内容を「1週間以内に1つ実行する」と決める。
このように“期限”を自ら設定することで、行動が生まれ、結果が積み上がっていくのです。
“締切”とは、決して私たちを縛るものではなく、行動を促す最高のサポーターなのです。
「時間の制約」がもたらす集中と決断力
人は「時間が無限にある」と思うと、つい先延ばしをしてしまいます。
逆に、「あと1時間しかない」と分かった瞬間、驚くほど集中できる。
この“制約”こそが、集中と決断を生み出す最大の要素なのです。
経営の現場でも同じことが言えます。
限られた時間の中で決断し、成果を出すことが経営者の宿命です。
もしも期限のない経営判断ばかりだったら──
おそらく、企業のスピードは鈍り、チャンスは目の前を通り過ぎていくでしょう。
実は、時間の制約は「脳を最も活性化させるスイッチ」とも言われています。
期限を設定することで、脳は“今やるべきこと”を優先的に処理するよう働きます。
つまり、期限は“集中力を呼び起こす装置”でもあるのです。
私自身、日々の読書や学びにおいても、あえて制限を設けるようにしています。
たとえば「今日のこの1時間でここまで読む」「この章を読み終えたら必ずメモを残す」と決める。
たったそれだけでも、学びの質は格段に変わります。
経営者にとって、時間の制約は敵ではなく、味方です。
「あと少ししかない」と焦るのではなく、「この時間をどう活かすか」に意識を切り替える。
この発想の転換こそ、成果を上げ続ける経営者の共通点だと感じています。
読むだけで終わらせない──経営者に必要な“実践知”の磨き方
読書の目的を「知る」から「使う」へ
読書の目的を「知識を増やすこと」と考えているうちは、学びは行動に結びつきません。
知ることは大切ですが、それだけでは“変化”は起きない。
経営者にとって本当の学びとは、「知識を活かして結果を生み出す」ことです。
私が独立当初に痛感したのは、どれだけ良書を読んでも、使わなければ意味がないという現実でした。
頭で理解しても、現場で実践しなければ、自分の血肉にはならないのです。
読書は、知識の“仕入れ”にすぎません。
経営は、そこから“販売”──つまり実践を通して成果を出す段階に入って、初めて意味を持ちます。
たとえば「リーダーシップ論」を読んだら、翌日から部下への声かけを変えてみる。
「時間管理の本」を読んだら、今日中に1つだけでもタスクの見直しを実行する。
その一歩が、「読む人」と「使う人」を分ける分岐点なのです。
私の経験上、読書量よりも“実践回数”が、経営力の差を生みます。
知識を知恵に変えるには、行動という試練を通過する必要がある。
そして、行動の中でこそ、自分なりの「実践知(じっせんち)」が磨かれていくのです。
“知る”から“使う”へ──。
この小さな意識の転換が、経営者の人生と企業の成長を大きく変えると、私は確信しています。
一冊の本を現場で“試す”ことの価値
「いい本に出会った」と感じたときこそ、すぐに現場で“試す”ことが大切です。
多くの経営者が学びを成果に結びつけられないのは、「理解したつもり」で止まってしまうからです。
知識は、試して初めて“自分のもの”になるのです。
私が支援してきた経営者の中で、成果を上げる人の共通点があります。
それは、学んだことを“実験”のように扱う姿勢です。
たとえば、「新しい会議の進め方を試してみよう」「本に書いてあった質問法を明日から取り入れよう」といったように、学びを現場に持ち込むスピードが圧倒的に早い。
成功しても失敗しても、そこから得られる気づきは大きい。
実践するたびに、「自社にはこの方法が合う」「この考え方はもう少し工夫が必要だ」といった発見が積み上がります。
この“現場の試行錯誤”こそが、経営者の経験知を磨く最高の教材です。
私自身、読んだ本の内容をすぐにスタッフとの会議で話題にしたり、翌日の研修で引用したりしてきました。
そうすることで、知識が生きた言葉に変わり、行動を促すエネルギーになるのです。
経営の現場は、最も実践的な学びの場です。
本は教えてくれますが、教えたことを“自分の文脈”で試してみることでしか、本当の知恵にはなりません。
そして、その積み重ねが「経験」ではなく「成長」へと変わっていくのです。
“期限管理”は学びのマネジメントである
行動を生む“期限設定”の3つのステップ
「やろうと思っていたのに、気づけば忘れていた」。
これは学びに限らず、誰にでもあることです。
しかし、経営者は“忙しい”を理由にしてはいけません。
行動が止まるということは、学びの循環が止まるということだからです。
私が実践している“期限設定”には、3つのステップがあります。
どれもシンプルですが、確実に行動を促す仕組みになります。
ステップ① 「実行日」を明確に決める
学んだ内容を「いつやるか」を即決する。
ポイントは“感情が動いた瞬間”にスケジュール帳へ書き込むことです。
感動の熱が冷めると、行動は先送りされる。
だからこそ、「いいことを学んだ」と思ったその日が勝負です。
ステップ② 「期限」を数字で可視化する
“いつまでにやるか”を曖昧にしない。
たとえば「来週までに試す」「1週間後に結果を振り返る」など、期限を数値化することで、脳が「やらなければ」とスイッチを入れます。
期限とは、行動の“締切日”ではなく、“スタートライン”でもあるのです。
ステップ③ 「宣言」する場をつくる
自分の中で決めただけでは、甘えが生まれます。
仲間や社員、あるいはノートでもいい。
「〇日までにやります」と言葉にするだけで、行動の責任感が格段に高まります。
経営者自身が“有言実行”の姿勢を示すことで、組織にも「実行文化」が育っていきます。
この3ステップは、どんな学びにも応用できます。
期限を“プレッシャー”ではなく“約束”として扱う。
そうすれば、行動は継続し、学びは確実に成果へと変わっていくのです。
成果を上げる経営者の「自己期限力」とは
成果を上げる経営者に共通しているのは、「他人に管理される前に、自分で期限を決めている」という点です。
私はこれを“自己期限力”と呼んでいます。
これは単なる時間管理術ではなく、自分を律し、行動を制御する力のことです。
自己期限力が高い人は、いつも「自分の中の締切」を意識しています。
誰かに言われて動くのではなく、「自分で決めた期限」に忠実に動く。
だからこそ、成果もスピードも圧倒的に早いのです。
この自己期限力は、経営そのものにも通じます。
市場の変化、顧客対応、社内の意思決定──すべて“待つ”姿勢では遅れをとります。
一方で、期限を自ら設定できるリーダーは、変化の波を先に読み、動き出すことができます。
自己期限力を高めるためには、3つの意識が必要です。
「完璧」を求めすぎないこと
100点を狙うと、行動が遅くなります。まずは60点で動き、修正しながら磨く。「短期ゴール」を設定すること
遠い目標だけでは行動が続きません。今日・今週・今月といった短いスパンで区切ることで、達成感が生まれます。「振り返り」を習慣化すること
期限を守るだけでなく、結果を省みることで次の行動精度が上がります。
私は常々、「経営とは、自分との約束を守る競技」だと感じています。
誰も見ていない場所で、どれだけ期限を意識できるか。
そこにこそ、経営者としての本当の力量が現れるのではないでしょうか。
学びを組織に波及させる──リーダーとしての読書術
「学びを語る」ことがチームを変える
経営者の学びは、個人の成長だけでなく、組織の成長にも直結します。
なぜなら、リーダーが「学びを語る」姿勢そのものが、チームに良い影響を与えるからです。
私がこれまで関わってきた企業の中でも、成果を出す組織には共通点があります。
それは、トップが自ら学び、そして“学びを共有する文化”を持っていることです。
たとえば、読んだ本の一節を朝礼で紹介したり、学んだ気づきをミーティングで語ったりする。
このたった数分の共有が、社員の意識を変え、チームに活気を生み出します。
「こんなことを学んだ」「こういう考え方もある」とリーダーが発信することで、メンバーも「自分も学ぼう」という気持ちになる。
学びの輪が広がると、組織全体が自走し始めるのです。
ここで大切なのは、“教える”のではなく“語る”ということ。
上から目線で「勉強しなさい」と言うのではなく、自分の学びや気づきを素直に語る姿勢です。
リーダーの等身大の姿こそが、チームを動かす最大の影響力になります。
経営とは、学びの連鎖づくりでもあります。
学びを語ることは、志を伝えること。
そして、それが社員一人ひとりの行動変容につながり、組織を“学び続ける集団”へと成長させるのです。
学び続けるリーダーの背中が、組織を動かす
どんなに立派な経営理念を掲げても、リーダー自身が学びを止めてしまえば、組織の成長も止まります。
なぜなら、社員は「言葉」よりも「背中」を見ているからです。
私が出会ってきた尊敬すべき経営者の多くは、例外なく“学び続ける姿勢”を貫いています。
新しい本を読み、異業種の経営者と対話し、日々の出来事からも学びを見出す。
その真摯な姿勢が、社員に「自分も挑戦してみよう」という前向きな空気を生み出すのです。
学び続けるリーダーは、変化に強い組織をつくります。
環境が変わっても、「どうすれば良くできるか」と考える習慣が根づくからです。
これはまさに、“自走する組織”の第一歩です。
私自身も、社員や若手経営者からよくこう言われます。
「水野さんって、本当にいつも何か学んでますね」と。
そのたびに、こう答えます。
「学びを止めた瞬間に、成長も止まる。だから私は走り続けたい」と。
経営者が学び続ける姿は、言葉を超えた最高のメッセージです。
「学ぶリーダー」の存在が、「学ぶ組織」を生む。
そして、学び続ける企業こそが、これからの時代を生き抜く本物の強さを持つのです。
