【ゲンキ】の源は?
仲間のカウンセラーが
「それは気持ちを聴いてもらうだよ」と
真剣に語る
私はうなづきつつ
ある販社の経営者からのコトバを言えないでいた
『元気の源は現金』と伝えれば、あきれられそうでぇ
「おカネも、ダイジな友だちのひとり」
【感情と勘定】この二刀流からも、元気もらぉw— ふさぽ@経営者 (@future_support) September 18, 2025
経営者の元気を支える二つの源とは?
気持ちを聴いてもらうことの力
経営者という立場は、華やかに見える一方で、実際には孤独と重圧を抱え込む場面が多々あります。決断の連続であり、その一つ一つに責任がのしかかるからです。そんなとき、誰かに自分の気持ちを聴いてもらえることは、単なる「愚痴」や「弱音」ではなく、大きなエネルギーの回復につながります。
実際、産業カウンセリングの世界でも「傾聴」は基本の姿勢とされますが、経営者にとっても例外ではありません。言葉にすることで心が整理され、また相手に受け止めてもらえることで、自分の存在が承認されたような安堵感が生まれます。この心の軽さこそが、新たな挑戦や前向きな決断を下すための原動力となるのです。
私自身も経営者仲間と語り合う中で、ふっと肩の力が抜け、「よし、もう一歩踏み出そう」と思える瞬間を幾度も経験してきました。気持ちを聴いてもらえる環境は、経営者が元気を取り戻すための重要な資源であると実感しています。
現金がもたらす安心感
「元気の源は現金」と耳にすると、少し味気なく聞こえるかもしれません。けれども、現場を知る経営者にとって、この言葉ほど実感を伴うものはないでしょう。どれほど立派な理念を掲げても、資金が途絶えれば組織は動きません。社員の給料や仕入先への支払いが滞ると、一瞬で信頼が揺らぎます。
現金は、経営者にとって“安心の土台”ともいえます。資金繰りに目途が立っていれば、多少の逆風が吹いても冷静に構えていられる。逆にキャッシュが不足していると、頭の中が常に不安でいっぱいになり、正しい判断さえ鈍らせてしまいます。
私自身、資金繰りに追われた経験があります。そのとき痛感したのは、「おカネは敵ではなく、信頼できる友だち」だということ。大切に扱い、常に手元に適度な余裕を持たせておくことで、経営者の心に余白が生まれます。その余白が、挑戦への勇気と社員への優しさにつながるのです。
感情が経営者のエネルギーになる理由
経営の孤独を癒す「共感」の大切さ
経営者は、常に最終判断を下さねばならない立場にあります。そのため「誰にも本音を言えない」「弱みを見せられない」という孤独を抱えやすいものです。そんなときに必要なのは、解決策を与えてくれる存在ではなく、ただ気持ちに寄り添って「わかりますよ」と共感してくれる人です。
共感は、経営者に安心感をもたらします。人は自分の感情を理解してもらえたとき、心が軽くなり、前向きな行動を起こしやすくなります。これは社員や家族との関係でも同じですが、経営者にとっては特に貴重な体験です。共感によって「一人ではない」という実感が生まれるからです。
私も長年、数多くの経営者と関わってきましたが、共感を受けたときの表情の変化には毎回驚かされます。重い荷物を降ろしたように、ふっと笑顔が戻る瞬間──。その笑顔こそが、新しい挑戦へのエネルギーに変わっていくのです。
仲間やカウンセラーが果たす役割
経営者の元気を支えるうえで欠かせないのが、仲間やカウンセラーの存在です。経営は孤独な戦いと思われがちですが、同じ立場を経験している仲間や、専門的に心を支えるカウンセラーと関わることで、心の中に風通しが生まれます。
仲間は、同じ悩みや課題を共有できる存在です。「自分だけじゃない」と感じられるだけで安心でき、また他の経営者の取り組みから新しい発想を得ることも少なくありません。一方、カウンセラーは経営課題の解決を直接示すのではなく、じっくり話を聴き、感情を整理する手助けをしてくれます。その関わりが、経営者自身の気づきや判断力を磨いていくのです。
私自身、カウンセリングの資格を取得して以来、「聴いてもらえること」の大切さを何度も実感してきました。話すことで気持ちが整理され、心に余裕が生まれます。その余裕が、社員や顧客に対する思いやりの姿勢へとつながっていくのです。
勘定が生み出す現実的な元気
資金繰りの安定が与える心の余裕
経営者にとって資金繰りは、日々の大きな関心事です。どれだけ事業の将来性があっても、手元の資金がショートすれば一気に経営は行き詰まります。そのプレッシャーは、想像以上に経営者の心を蝕むものです。
しかし逆に、資金繰りに安定の見通しが立ったとき、経営者の心には余裕が生まれます。「来月は支払いが滞らない」「半年先まで資金計画が描ける」──この確信が、冷静な判断や新しい挑戦への意欲を支えてくれるのです。
私も独立当初、資金繰りに追われた経験があります。そのとき学んだのは、「余裕は数字がつくる」ということ。売上や利益の大小よりも、キャッシュフローの見通しがあるかどうかで、心の落ち着きは大きく変わります。資金繰りの安定は、経営者の精神的な健康を守るための“見えない力”なのです。
「おカネも友だち」と考える視点
経営者にとって「おカネ」という存在は、時に頭痛の種にもなり、時に大きな安心材料にもなります。多くの人は「おカネ=苦労や不安」といったイメージを抱きがちですが、私は「おカネも友だちのひとり」と捉える視点が大切だと思っています。
友だちとは、距離を大切にしながら信頼関係を築いていくものです。おカネも同じで、過度に執着すれば振り回され、ぞんざいに扱えば離れていきます。しかし、健全な距離感で付き合えば、おカネは経営者を支える心強い味方となってくれるのです。
この視点を持つことで、「おカネに追われる」のではなく、「おカネと共に歩む」という感覚が生まれます。資金を活かして社員の成長や新たな挑戦を後押しできるとき、経営者自身も不思議と元気をもらえるのです。おカネは単なる数字ではなく、夢や挑戦を支える“仲間”だと気づいたとき、経営の景色は大きく変わります。
感情と勘定を両立させる経営術
右手に理念、左手に決算書のバランス
経営は「心」と「数字」の両輪で成り立っています。理念や志だけでは現実を動かせず、数字だけを追っても人はついてきません。だからこそ、私はよく「右手に理念、左手に決算書」という表現を使います。
右手の理念は、経営者の情熱や志を象徴します。どんな企業をつくりたいのか、どんな価値を社会に届けたいのか──これがなければ経営はただの作業になってしまいます。一方、左手の決算書は、現実を映し出す鏡です。どれだけ理想を語っても、数字が赤字であれば継続はできません。
私自身、若い頃は理念を重んじすぎて数字を直視できず、苦い経験をしたことがあります。逆に数字ばかりに目を奪われ、社員の心が離れていった場面もありました。両者を同時に大切にすることが、経営者に必要な「バランス感覚」なのです。
理念で未来を描き、決算書で現在を把握する。この両輪が噛み合ったとき、経営者は本当の意味で元気に前進できるのだと実感しています。
感受性と数値感覚を同時に磨く方法
経営者に必要とされるのは、社員や顧客の気持ちを感じ取る「感受性」と、決算書や資金繰りを冷静に読み解く「数値感覚」の両立です。どちらか一方に偏ると、経営は長続きしません。感受性だけでは理想論に流され、数値感覚だけでは人心が離れてしまうからです。
この二つを磨く方法の一つは、日々の習慣に取り入れることです。たとえば、社員の声をじっくり聴く時間を確保することで感受性が育まれます。同時に、毎月のキャッシュフローを確認し、数字の意味を自分の言葉で説明できるようにすることで数値感覚が鍛えられます。
私も長年の経験の中で、「会話と数字を交互に見る」習慣を意識してきました。朝は社員との対話から始め、午後には数字を見直す。こうしたリズムを続けることで、自然と両方の力が磨かれていきます。
感受性と数値感覚の両方を育てることは、経営者の元気を維持するための実践的なトレーニングです。バランスの取れた判断ができるようになれば、企業もまた持続的に成長していくのです。
まとめ:経営者に必要な二刀流の元気力
感情と勘定の調和が生む持続可能な経営
経営者が長く元気で走り続けるためには、「感情」と「勘定」のどちらか一方に偏らないことが欠かせません。感情は人を動かすエネルギーを生み、勘定は組織を守る安定をもたらします。この両方がかみ合ったとき、経営は持続可能な力を発揮します。
感情だけでは資金繰りが行き詰まり、勘定だけでは人がついてきません。社員や顧客の心を大切にしながら、資金の流れを冷静に管理する。まさに二刀流の姿勢が、経営者に求められているのです。
私自身も「こころを支える共感」と「現実を支える現金」の両輪を意識して活動してきました。その積み重ねが、企業の発展だけでなく、経営者自身の人生をも豊かにしていくのだと実感しています。
持続可能な経営とは、決して大きな戦略や特別な仕組みだけではありません。日々の中で感情と勘定を調和させ、元気を保ちながら前進し続けることこそが、経営者にとって最大の強みになるのです。