才能ではなく習慣が人生を変える──《体質転換》のすすめ

経営者に必要なノウハウ

才能ではなく習慣が人生を変える──《体質転換》のすすめ

2025年9月18日

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ふさぽ

後継者をホンマモンに育む、応援をしています。社長を19年経験してわかったこと。それは'トップ自らの人生'を豊かにすること…人との”ツナガリ”づくりを通して。その入り口として、口癖にこだわり、Xでは発信中。『口ぐせは生きグセ』人生観に裏うちされた、事業づくりがトクイ種目。 ホンマデッカァw

「才能」に頼る危うさとは?

経営者が陥りやすい“素質依存”の落とし穴

経営者として歩んでいると、「あの人は生まれつき頭が切れるから」「自分には才能がないから」と、どうしても素質の違いに目が向きがちです。確かに、もって生まれた能力や環境は人それぞれです。しかし、そこに依存してしまうと成長の余地を自ら閉ざしてしまうことになります。

私自身も若い頃、「あの人みたいにはなれない」と嘆いた経験があります。けれども、よく考えてみれば、その人が持っていたのは才能だけではなく、毎日の積み重ねによって形づくられた“体質でした。素質に頼る姿勢は一見ラクに感じても、やがて「努力しても無駄だ」という諦めに直結します。

経営の現場で本当に差をつけるのは、才能ではなく、習慣を通じて変わり続ける姿勢です。“素質依存”の落とし穴に気づくことが、体質転換への第一歩なのです。

自己否定の言葉がもたらす悪循環

「自分には力がない」「あの人とは違う」──こうした自己否定の言葉は、一瞬の感情の吐露に思えても、積み重なることで大きな悪循環を生み出します。言葉は心を形づくり、心は行動を左右し、行動の積み重ねが結果を生むからです。

経営者にとって、この悪循環は特に深刻です。トップが「自分には無理だ」と発してしまうと、周囲の社員やパートナーにまでその空気が伝染します。結果として、挑戦を避ける風土が広がり、組織全体の成長を止めてしまうのです。

私が出会った経営者の中にも、「どうせ…」という口癖を繰り返すうちに、新しい取り組みを自ら潰してしまった方がいました。しかし逆に、「やってみよう」「工夫すればできる」と前向きな言葉を使い始めた途端、社員の表情まで変わっていったのです。

つまり、自己否定の言葉は未来を閉ざし自己肯定の言葉は未来を切り開く。経営者自身の口癖が、組織の可能性を決めるのです。

「体質転換」が経営者を変える

習慣が未来を形づくる理由

一日の小さな行動は、今は取るに足らないものに見えるかもしれません。しかし、それが習慣となれば未来を確実に形づくります。なぜなら、習慣は「無意識の選択」を変える力を持っているからです。

例えば、毎朝10分の読書を続ける人と、ニュースを眺めて終える人では、数年後に知識の深さも視野の広さも大きく異なります。経営者にとっては、この差が意思決定の質を分け、事業の成長速度に直結します。

私自身、50歳を超えて始めたトレイルランニングが習慣となり、体力だけでなく「継続することの力」を改めて実感しました。走る習慣がついたことで、日々の判断にも集中力と粘り強さが生まれたのです。

つまり、未来を変えるのは特別な才能ではなく、日々の習慣が積み重なった体質です。習慣が変われば思考が変わり、思考が変われば未来の現実そのものが変わっていくのです。

小さな積み重ねが大きな成果に変わる瞬間

大きな成果は、突然手に入るものではありません。毎日の小さな積み重ねが、ある瞬間に臨界点を超えて表れるのです。これはまるで水滴が岩を穿つように、日々の努力が形を変えていく現象です。

ある経営者は「毎日10分、社員の声を聞く」ことを習慣にしました。当初は雑談に過ぎなかった会話が、やがて信頼関係を深め、数年後には離職率の大幅低下と生産性の向上につながったのです。この変化は一朝一夕ではなく、見えない積み重ねが大きな成果に変わった瞬間でした。

私自身も体験したことですが、日々のランニングで走力が伸びるのは一気ではなく、ある日突然「あれ、今日は楽に走れる」と実感する瞬間があります。その裏には地道な練習の積み重ねがあるのです。

経営も同じです。小さな習慣積み重ねが、大きな成果へと転換する“その瞬間”を信じて続けられるかどうか。そこに、真のリーダーシップの差が表れます。

《習慣は第二の天性》の意味を深掘りする

成功者が共通して持つ習慣力

私がこれまで出会ってきた多くの経営者やリーダーに共通しているのは、「特別な才能」ではなく続ける力を持っていることです。朝の時間の使い方、日々の学びの習慣、健康を維持するための生活リズム──どれも一見すると平凡なことですが、長年の継続が彼らを成功へと導いています。

例えば、ある経営者は毎朝必ず30分の振り返りを行い、自分の言動を記録していました。その習慣は、自らを客観的に見つめる力を磨き、組織の舵取りに大きな力を発揮していたのです。

私自身も50歳を過ぎて始めたトレイルランニングを通じて、習慣の力を身に染みて感じました。決して速く走れる素質があったわけではありません。しかし、日々の積み重ねが確かな体力と粘り強さを育み、経営においても「続けることの価値」を実感させてくれました。

結局のところ、成功者が持つ共通点は「特別な才能」ではなく「習慣力」。習慣こそが、未来を切り開く最大の資源なのです。

習慣が人格をつくり、人格が経営を導く

人格は運命を決める」と言われますが、その人格を形づくる源こそが習慣です。毎日の言葉づかい、時間の使い方、人との向き合い方──その一つひとつの積み重ねが、やがてその人の人格となって表れていきます。

経営者にとって人格は、単なる人柄ではなく、組織の文化や方向性に直結します。リーダーが誠実さを習慣にすれば、会社全体に誠実さが根づきます。逆に、リーダーが妥協やごまかしを繰り返せば、その姿勢は必ず社員に伝染していきます。

私自身、これまで数多くの経営者にお会いしてきましたが、長く繁栄している企業のトップには、必ず共通する習慣があります。それは「人を大切にする」というシンプルな習慣です。挨拶や感謝の言葉を欠かさない、社員や顧客の声に耳を傾ける──こうした小さな習慣が、人格を磨き、経営の舵を正しい方向に導いているのです。

つまり、習慣が人格をつくり、人格が経営を導く。この連鎖こそが、持続的な成長を支える真の力なのです。

経営者が身につけたい“習慣化のコツ”

習慣化を阻む3つの壁とその乗り越え方

「よし、今日から新しい習慣を始めよう」と決意しても、三日坊主で終わってしまう経験は誰にでもあるものです。習慣化には必ず壁が立ちはだかります。その代表的なものは、意志の弱さ、②成果が見えにくいこと、③環境の影響3です。

まず意志の弱さ。人間の意志力は有限で、気合や根性だけでは続きません。ここで有効なのは「仕組み化」です。たとえば、習慣を毎日のルーティンに組み込むこと。歯を磨く前に日記を書く、出社したらまず机を整理する、といったルール化が効果的です。

次に成果が見えにくいこと習慣の効果はすぐに表れません。そのため途中で「意味があるのか?」と疑いたくなるものです。ここでは、小さな進歩を記録することが大切です。数値や日誌で見える化すれば、継続のモチベーションが高まります。

そして環境の影響。周囲の人や環境が習慣を左右します。続けたい習慣を共有できる仲間を持つことや、やめたい習慣を誘発する環境を避けることが効果的です。私自身もランニング仲間がいたからこそ、長年走り続けることができました。

習慣化は意志力だけに頼るのではなく、仕組み・見える化・環境を整えることで乗り越えられるのです。

習慣を継続するための環境づくり

習慣は「どんな環境に身を置くか」で大きく左右されます。続けたい習慣を自然と促す環境を整えれば、意志力に頼らずとも行動は継続しやすくなるのです。

例えば、健康を維持したいなら、オフィスに小さなストレッチスペースを設ける。学びを続けたいなら、机の上に常に本を置いておく。こうした物理的な環境の工夫は、習慣を無理なく後押ししてくれます。

また、人の環境も重要です。「やってみよう」「続けよう」と励まし合える仲間の存在は大きな力になります。私自身、ランニングを続けられたのは、一緒に走る仲間がいたからです。孤独な努力ではなく、環境に支えられた努力は継続しやすいものです。

経営においても同じです。前向きな習慣が自然と生まれる組織文化をつくることで、社員一人ひとりの行動が変わり、やがて会社全体の成果へとつながります。習慣を支える環境づくりこそ、リーダーの大切な役割なのです。

まとめ:才能よりも習慣で未来を変える

体質転換こそ経営者の最大の武器

経営者にとって、本当の意味での武器は「生まれ持った素質」ではありません。むしろ、日々の習慣によって築かれる体質転換こそが、未来を切り開く力になります。

素質に頼る姿勢は、状況が変われば簡単に揺らぎます。しかし、習慣によって鍛えられた体質は環境の変化に強く、困難に直面しても揺るぎません。たとえば、経営危機を乗り越えた経営者の多くは、特別な才能を誇った人ではなく、粘り強く続ける習慣を持っていた人でした。

私自身も習慣は第二の天性という言葉を胸に刻んでいます。小さな行動を続けることで体質が変わり、やがて自分の人生そのものが変わっていく──この実感があるからこそ、経営者の方々にも伝えたいのです。

才能に嘆く必要はありません。今日からの習慣の積み重ねが、経営者として、そして一人の人間としての大きな成長を支えていきます。体質転換こそ、経営者に与えられた最大の武器なのです。

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