後継者インタビュー

プレッシャーのない人生はつまらない(後編)

株式会社イノウエ 代表取締役社長 井上旭 氏(66歳、ファション小物類製造販売業)

http://www.inoue-braid.co.jp/index.html

1.人生と事業が大きく動く前の状況

私は45歳の時に、二代目として経営のバトンをようやく引き継ぎました。35歳の頃から実質的な経営の采配はしていました。しかし、内外共に正式に“経営者”として認めてもらえるまでに10年の歳月を要したのです。

当時を振り返ると、やはりその重責から「全てがプレッシャーだ!」と感じていた面がありました。胃が痛くなる、胸が締め付けられる、吐き気がする等々、身体にもその症状は現れていたのです。

2.経営者・リーダーとして、こころにしみたあの言葉

今考えると、プレッシャーを感じる要因は、他の会社と比べて少し多かったのかもしれません。例えば、①早い段階からガラス張り経営を推進。数字や成果がオープンに共有され、変に隠すことができない。②手形商売をよしとせず、常に現金取引が原則③一社取引が全売上げの70%に急増。そのリスクをいかに軽減するかに苦戦等々。

しかし、いくつもの山と谷を経験し、今そのバトンを渡す立場になってこころの中にふつふつと湧き上がってくる想いがあります。それは、「プレッシャーのない人生はつまらない!」というもの。プレッシャーがあるからこそ、達成感や充実感もあり、人間としてさらに大きくなれたように思うのです。

3.人生・事業で何がシフト(転換)したか

社員が充実感をもって愉しく働ける、仕入先・協力業者と共に発展していく、独自性豊かな真に良いものを創りお客様に喜んでもらう・・・等々、経営の現場を推進するに当たり、実に様々なことがありました。バトンを親父から譲り受けることができなかった時代は、目先の事にただただガムシャラに取り組むだけだった感じがします。

しかし、経営者として独り立ちした頃には、プレッシャーを愉しみ、「起伏のある人生がいい!」と心の底から実感する自分に転換していたのは間違いありません。そして今、このことを後進や三代目にもさらに伝えていきたいと心から感じています。

4.水野が直接お聴きして感じたこと

「地に足がついた後進(後継者)育成」―─を展開するために、

  1. ものの見方・考え方・捉え方を継承
  2. プレッシャーを愉しむ(屈するは伸びんがためなり)というメンタルの強さを育む
  3. 起伏のある人生が充実感を生む(プレッシャーは人生のスパイス)という考えを促進すること

が大切であることを実感する素晴らしいご体験談であった。

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