派遣社員から経営者へ──言霊の力と成功マインドの共通点を考察する

経営者に必要なノウハウ

派遣社員から経営者へ──言霊の力と成功マインドの共通点を考察する

2025年7月31日

水野秀則
水野秀則

今回はゆう子さん(@stage_shift)のポスト「運を引き寄せるための口癖6選」を深めてまいります。

なぜ「言葉」が運を引き寄せるのか?

言霊が持つ力と、自己暗示としての効果

「なんでこんなにツイてないんやろ…」と、昔の私はよく口にしていました。気づけば、うまくいかないことにばかり意識が向いて、自然と表情も暗くなる。そんな時期がありました。

でもある日、ある経営者仲間からこんな一言を言われたんです。「水野さん、運がいいって言ってる人に、ホンマに運ってついてくるんよ」。半信半疑で「運がいい」と言葉に出し続けてみたら、不思議と目の前の景色が変わってきたんですね。人との出会いや仕事の流れが、ほんまにええ方向に向かいはじめたんです。

これはただの偶然ではない、と今でははっきり思います。言葉には“言霊”という力が宿っていて、それが思考を変え、感情を動かし、行動を生み出す。そして、その行動が結果として現実をつくっていく。この流れは、まさに自己暗示の効果そのものです。

自己暗示とは、自分にかける“言葉の魔法”です。「私はツイてる」「うまくいく」「ありがたい」──こんな言葉を日々口にしていると、脳はその前提で物事をとらえはじめます。逆に「無理に決まってる」「どうせ失敗する」と言ってしまえば、その通りの現実が待っている。

つまり、日々の“口癖”が、人生の流れを決めている。経営者として数多くの現場を見てきて、心からそう思います。だからこそ、私は今でもこう言い続けています。「私は、本当に運がいい」と。

ゆう子さんの「運を引き寄せる口癖6選」とは?

実際のポスト内容と、共感できるポイント

X(旧Twitter)で流れてきた、ゆう子さん(@stage_shift)の投稿。
42歳で派遣社員だった私が、49歳で経営者になれたのは、言葉を変えたから」──この言葉に私は強く惹かれました。

投稿に添えられていた画像には、「運を引き寄せる口ぐせ6選」として、日常のちょっとした言葉の“置き換え例”が紹介されていました。

たとえば、

  • 「失敗した」→「いい経験になった」

  • 「今日はツイてない」→「そんな日もあるさ!」

  • 「疲れた」→「よくやった(頑張った)」

  • 「すみません」→「ありがとうございます」

  • 「難しい」→「どうしたら楽しめる?」

  • 「運が悪い」→「運がいい・おかげさま」

──どうでしょう?どれも言い換えただけやのに、不思議と前向きな気持ちになりますよね。

経営者としてたくさんの人を見てきましたが、「言葉の習慣」がその人の雰囲気や結果に大きく影響していることを、私は何度も目の当たりにしてきました。

たとえば、同じ出来事が起きても「ツイてないな…」とつぶやく人は、思考が内にこもってしまいがち。でも「そんな日もあるさ!」と切り替えられる人は、行動も前向きになる。「疲れた」ではなく「よう頑張った」と言える人は、自分に労いをかけてまた立ち上がれる。

こうした“言霊の転換”は、単なる言い換えやポジティブ思考ではなく、「自己認識の更新」や「思考習慣の再設計」とも言えるものです。私は「すみません」ばかり言っていた若い頃から、「ありがとうございます」を自然に言えるようになって、ほんまに周囲の反応が変わりました。

ゆう子さんが言う「私は最高に運がいいです!」という言葉は、まさに“決意”なんです。過去を変えたのではなく、「口癖」を変えた。それが、未来を変えた。

この投稿は、経営の世界に生きる私にとっても、あらためて“言葉の力”を見直すきっかけになりました。
やっぱり、人生も経営も、「どんな言葉を口にしてるか」が、大きな分かれ道になるんやと思います。

私自身の口癖と「運気」の変化を振り返って

恥ずかしい過去の口癖と、その後の転換

正直に申しますと、私にも“運の悪さ”を嘆いていた時期がありました。「またトラブルか…」「どうしてうちだけ…」そんな言葉が、知らず知らずのうちに口をついて出ていたんです。

特に若い頃、何か思うようにいかないことがあると、「やっぱり俺は運が悪い」と口にしていた。今思えば、それが現実を引き寄せていたんやと思います。心の中で「自分は不運や」と思い込んでいると、目の前のチャンスすら“リスク”に見えてしまうんですね。せっかくの機会も、つかむ前から逃していた。今振り返ると、ほんまにもったいなかったなと…。

そんな私の口癖を変えるきっかけになったのは、ある講演会での一言でした。壇上に立った年配の経営者がこう言ったのです。

「ワシはな、何があっても“運がいい”って言うことにしとるんや。雨が降っても『雨で良かった』。社員が辞めても『次の出会いがある』。そうやって生きてると、不思議と道が開けるんや」

この言葉が、胸にズシンと響きました。「そうか、運の良さは“決める”もんなんや」と。それから私は、意識的に「ありがたい」「ツイてる」「これは運がいい兆しや」と言葉を選ぶようになりました。もちろん最初はぎこちない。でも、続けているうちに、周囲の反応が変わってきたんです。

「水野さんって、運が強いですよね」
「またええご縁つかみましたね!」

こんな言葉をいただくようになって、確信に変わりました。運は“起こる”ものではなく、“呼び込む”もの。そして、呼び込む入口にあるのが「口癖」やと。

だからこそ、経営に悩むリーダーにはまず、「日々どんな言葉を使っているか」を自問してほしい。それが、未来の扉を開ける鍵になるのです。

経営者として実感する、口癖の影響力

リーダーの言葉が、社員・チームに与える影響

口癖って、自分だけに影響していると思われがちですが、実はまわりへの影響のほうが大きいんです。特に、経営者やリーダーの言葉には、それだけ「空気を変える力」があると私は思っています。

たとえば、会議でトップが「なんでこんなミスしたんや」と責め口調で入ると、場の空気が一気に硬直します。逆に、「これは良い学びになったな」と言えば、自然と前向きな雰囲気に切り替わる。人は、リーダーの発した“言葉の温度”を無意識に感じ取って動いているんですね。

以前、あるクライアント企業の社長が「俺の口癖、ヤバいかも…」と気づいたことがありました。振り返れば、社員の提案に対して無意識に「でもな…」「それ無理やろ」を連発していたと。これでは社員の意欲も萎えてしまいます。

その社長が意識して「ええやん、やってみよう」「おもしろそうやな」と肯定の言葉を使うようになったところ、なんと1年後には新規事業の立ち上げがスムーズに進み、離職率まで下がったんです。
これ、ほんまに言葉の力やと思います。

経営者がどんな口癖を持っているか。
それは、組織全体の“空気”や“文化”に直結している。私は何十社と関わってきて、その事実を痛感してきました。

リーダーの言葉は、会社の未来をつくる土台になる。だからこそ、まずは自分自身の口癖を点検することが、最初の一歩やと思います。

言霊と成功マインドの共通点とは?

思考は現実化する──言葉が行動を変える理由

思考は現実化する──これはナポレオン・ヒルの有名な言葉ですが、経営者としての私の実感としても、まさにその通りやと思います。そしてこの“思考”を最もシンプルに表現するものが、日々の口癖なんです。

たとえば、「忙しい」を口癖にしている人は、ほんまに常にバタバタしています。逆に、「ありがたい」と言っている人は、同じ忙しさでも満たされているように見える。不思議なことですが、言葉が思考をつくり、思考が感情を動かし、やがて行動を変えていくんですね。

私が若い頃、ある尊敬する経営者からこう教えられました。

「“できる”と思って動けば、やり方を探す。“無理”と思えば、言い訳を探す。すべては“思考の前提”やで」

この「前提」が、言葉によって形作られていることに気づいてから、私は口癖をものすごく大事にするようになりました。「ツイてる」「ありがたい」「なんとかなる」──これらは、楽観ではなく“信念の土台”なんです。

成功している経営者に共通するのは、「うまくいく前提」で行動していること。
つまり、言葉で未来を先取りしているということです。

口癖は、毎日無意識に繰り返される自己暗示。だからこそ、「私は運がいい」「自分には価値がある」と言葉にすることで、行動も変わり、出会う人も変わってくる。そうやって現実がじわじわと動いていく。これが、私が考える“言霊”と“成功マインド”の重なりなんです。

運がいい人の共通点は「自分を信じる言葉」だった

成功者の言葉づかいから見える内面の強さ

これまで数多くの経営者と関わってきましたが、「この人、ほんまに運が強いな」と感じる方には、ある共通点がありました。それは、誰もが例外なく「自分を信じる言葉」を日常的に使っている、ということです。

たとえば、困難な状況にあっても「大丈夫、乗り越えられる」と言える人。「なんとかなる」「俺ならできる」「この経験に意味がある」──そういった言葉が自然と出てくる方は、不思議と流れをつかみやすい。チャンスも人も向こうからやってくるんですね。

一方で、「どうせ自分なんて」「またうまくいかないかも」とつぶやく人は、何かにつけて慎重になりすぎたり、せっかくのチャンスを逃してしまったりします。実力や才能の差というより、「自分を信じる言葉を使っているかどうか」の差が、行動の質やスピードに表れていると私は思っています。

実際、ある業界団体の会合でお会いした創業社長がこんなことをおっしゃっていました。

「うちは資金も人材も最初はなかったけど、“うまくいく”って毎日言うてたら、ほんまに応援してくれる人が現れたんや。不思議やけど、口に出したことって、現実になるねん」

この「言葉の先出し」、つまり「未来の自分を信じて、今それを語る」ことができる人には、運も味方するのかもしれません。いや、味方するというより、そういう人の“在り方”が周囲を巻き込み、結果として運を引き寄せるのだと思います。

だからこそ、私は言いたいんです。
経営者であれ、誰であれ、まず「自分を信じる言葉」を使うことから始めてみてほしい、と。
口癖は、自分をつくる言葉。その言葉が、人生の軸になるんです。

今日からできる「運を引き寄せる口癖」実践法

経営者・リーダーのための言葉トレーニング

「口癖を変えると、人生が変わる」──そう聞くと、少し大げさに思えるかもしれません。でも私は、実際にその“変化”を何度も見てきました。社員が変わり、会議が変わり、業績まで好転したケースもあります。

では、どうすれば運を引き寄せる口癖を日常に取り入れられるのか。ここでは、私が経営者やリーダーにおすすめしている簡単な3ステップをご紹介します。


【ステップ1まずは「自分の口癖」に気づく
人は無意識のうちに、同じ言葉を何度も使っています。たとえば「どうせ無理」「忙しすぎる」「最悪やな」──こうした言葉が口をついて出ていないか、一度振り返ってみましょう。朝や寝る前に、自分の発言を内省するだけでも効果があります。


【ステップ2ネガティブワードを“変換”するクセをつける
ゆう子さんの投稿でも紹介されていたように、たとえば「疲れた」を「よく頑張った」に、「失敗した」を「いい経験になった」に。「すみません」を「ありがとうございます」に変えるだけで、場の空気も自分の気持ちも大きく変わります。大事なのは、“反射的に”ではなく、“意識的に”選ぶこと。


【ステップ3声に出して“前向きな口癖”を唱える
たとえば朝起きたら「今日は運がいい」「全部うまくいく」と声に出してみる。最初は気恥ずかしいかもしれません。でも続けるうちに、その言葉が心に馴染んでくるんです。経営者なら、朝礼であえてポジティブな一言を加えるだけでも、組織全体の流れが変わります。


大切なのは、「言葉が現実を変える」と信じて実践することです。
もちろん、言葉だけで奇跡が起きるわけではありません。けれど、“どんな前提で行動するか”を決めるのが言葉であり、その前提が未来の成果を分ける。

だからこそ、経営者やリーダーには「運を引き寄せる口癖」を“習慣”として取り入れていただきたい。それは、あなた自身を支えるだけでなく、まわりの人をも明るい未来へ導く力になるのです。

おわりに:口癖を変えることで、人生と経営が動き出す

「運がいい」と言える人には、本当に運が集まってくる──このことは、私自身の経験や、関わってきた経営者たちの歩みを通じて、確信しています。

口癖は、小さな言葉の習慣です。
でもその小さな“言葉の選び方”が、自分自身の思考を変え、行動を変え、やがて周囲の人間関係や環境、果ては事業の方向性にまで影響を与えていきます。

ゆう子さんのように、派遣社員から49歳で経営者になる──これは誰にでもできることではないかもしれません。でも、そこにあったのは“特別な才能”ではなく、“言葉を変える”という選択だった。誰もが今日からでも実践できることです。

経営は、山あり谷ありです。
うまくいく日もあれば、悔しさや不安に押しつぶされそうな日もある。
だからこそ、どんな時でも「自分を信じる言葉」を持っていることが、何よりの支えになります。

私は今日も、こうつぶやいています。
「ほんま、運がいいなぁ」って。

その一言が、また次のご縁や挑戦を引き寄せてくれる。
そう信じて、これからも言葉と共に歩んでいきたいと思います。

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