僕のマーケティングの原点の話。
もう30年も前、大学生時代にレンタルビデオ店のバイトをしていた頃。（時給580円！）
僕は人間観察が好きなので、借りる人の趣味や嗜好をよくチェックしてよく傾向を探っていました。「この映画、30代の主婦がよく借りてるな」…
— ほりの｜ECの専門家 (@horino_ec) January 29, 2025
今回はほりのさん（@horino_ec）のポストを参考に、マーケティングの本質について考察していきます
1. バイト経験が教えてくれたマーケティングの原点
レンタルビデオ店のアルバイトから学べること
ほりのさんがX（旧Twitter）でシェアされていたポストを読んで、「これはまさにマーケティングの本質だな」と感じました。大学生時代のレンタルビデオ店でのアルバイト経験が、マーケティングの原点になっていたという話は、多くの経営者やマーケターにとって示唆に富むものです。
時給580円のバイトでありながら、お客さんの行動を観察し、売上を伸ばすための工夫をする。この姿勢こそが、 「顧客理解からビジネスの本質を学ぶ」 というマーケティングの基本を体現しているのです。
人間観察が生んだ「顧客理解」
ほりのさんが言うように、マーケティングの出発点は 「顧客を知ること」 です。
- どんな年代の人が、どのジャンルの映画を借りるのか？
- 曜日や時間帯によって、どんな作品が人気になるのか？
- おすすめの仕方を変えると、選ばれる作品に変化があるのか？
こうした観察から、「顧客ごとに適した商品や提案がある」という セグメンテーション の概念を、バイト経験を通じて無意識に学んでいたのだと思います。
現代のEC業界や実店舗の販売でも、この「顧客の行動パターンを観察し、適切なレコメンドを行う」という手法は基本です。データを駆使したAIレコメンドが発達した現在でも、根本にあるのは 「顧客を理解し、適切なタイミングで適切な商品を提案する」 という考え方です。
これを大学生時代に体験し、実践していたというのは非常に興味深いですね。
2. 売上を伸ばすための発想と工夫
手書きPOPで売上が変わる理由
ほりのさんのポストで特に注目すべきポイントは、 「手書きPOPを使ったレコメンドでレンタル数が伸びた」 という点です。
これはまさに、マーケティングの基本である 「売り場でのコミュニケーション」 の力を示しています。お客さんは、ただ漠然と商品を選んでいるわけではなく、何かしらの情報やおすすめを参考にしながら購入を決めています。
例えば、
- 「お子様が寝たあとにじっくり味わいたい名作」
- 「大学生の店員（僕）が一番おすすめの映画」
- 「20代男性が絶対見るべきアクション映画」
こうした ターゲットを明確にしたキャッチコピー を書くことで、お客さんは「これは自分向けのおすすめだ！」と感じ、手に取る確率がぐっと上がるのです。
この仕組みは、今のECサイトやSNSマーケティングでも同じ。例えば、Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」や、Netflixの「あなたにおすすめの作品」などのレコメンド機能は、まさにこれと同じ発想です。
手書きPOPというアナログな手法でも、適切なメッセージを届けることで 売上は大きく変わる という実例は、現代のマーケティングにも活かせるヒントになります。
なぜ「レコメンド」が顧客の心を動かすのか？
レコメンド（推薦）の力は、単なる宣伝とは異なります。なぜなら、お客さんは 「自分にとってベストな選択をしたい」 という心理を持っているからです。
情報が多すぎる時代において、 「どれを選べばいいかわからない」 という問題が発生します。特に映画や書籍のような選択肢が豊富な商品では、この傾向が顕著です。そんなとき、信頼できる誰かのおすすめや、シンプルな分類があると、お客さんの決断がスムーズになります。
ほりのさんが 「手書きPOPでレンタル数が伸びた」 と語っているのは、まさにこの効果が働いたからでしょう。
- 選択肢を絞ることで、決断しやすくなる
- ターゲットを明確にすることで、自分ごととして受け止めてもらえる
- 店員の「リアルなおすすめ」は、口コミ的な信頼を生む
これは、現代のデジタルマーケティングにも応用できる考え方です。例えば、ECサイトで商品を売る場合でも、
✅「30代女性に人気のスキンケア商品」
✅「営業職の方におすすめのビジネスバッグ」
✅「初心者向けの簡単DIYキット」
といった ターゲットに刺さるメッセージを添えるだけで、売上は変わります。
3. 現代マーケティングに通じる教訓
データ分析と人間観察のバランス
ほりのさんのポストで示されたような「顧客の行動を観察し、そこから売れる仕組みを作る」というアプローチは、まさに現代のデータマーケティングにも通じます。
現在のEC業界やデジタルマーケティングでは、データ分析 が重要視されています。GoogleアナリティクスやECプラットフォームの購買データをもとに、どの商品が売れやすいのか、どのターゲットにどんな訴求が響くのかを分析し、戦略を立てるのが一般的です。
しかし、データだけを見ていても、 「本当にお客さんが何を求めているのか？」 という本質は見えにくいもの。
例えば、ECサイトの管理画面では「この商品が売れている」とデータでわかるものの、
✔ なぜその商品が売れているのか？
✔ どんな感情で購入を決めたのか？
✔ 他の商品とどう比較したのか？
といった 「お客さんのリアルな心理」 までは、数値だけではわかりません。
そこで大切なのが 「人間観察の視点」 です。
ほりのさんがレンタルビデオ店で 「お客さんがどんな作品を選んでいるのかを観察し、手書きPOPを作った」 のと同じように、デジタルの世界でも 「データだけでなく、実際のユーザーの声や行動を観察する」 ことがマーケティングの成功につながります。
顧客目線のマーケティングが成功のカギ
どれだけ優れたマーケティング戦略を立てても、最終的に売れるかどうかを決めるのは 「お客さんの視点に立っているかどうか」 です。
例えば、
✅ いくら高機能な商品でも、「この機能がどんな人にどんなメリットをもたらすのか」が伝わらなければ売れない
✅ 魅力的なサービスでも、「自分に関係のあるもの」と感じてもらえなければ関心を持たれない
✅ 価格が安いだけではダメで、「その商品が持つストーリーや信頼性」が求められる
このように、「売り手の視点」ではなく「買い手の視点」で考えることが、売上アップの最大のポイントです。
ほりのさんがバイト時代に手書きPOPを通じてお客さんの行動を変えたように、 「顧客理解から始まるマーケティング」 は、どの時代でも本質的に変わらないということがわかります。
4. まとめ：マーケティングの本質とは？
ほりのさんのポストをもとに、マーケティングの本質について考察してきました。時給580円のバイト経験から得た学びが、現代のマーケティングに通じる重要な要素を示しているのは非常に興味深い点です。
マーケティングの原点は「顧客理解」
マーケティングというと、広告やブランディング、データ分析といった専門的な要素がクローズアップされがちですが、その根本にあるのは 「顧客理解」 です。
- どんな人が、どんな理由で、どんなタイミングで商品を選ぶのか？
- どんな情報を伝えれば、選びやすくなるのか？
- どうすれば、購入後の満足度が高まり、リピートにつながるのか？
これらを深く考え、実践することが、どんなビジネスにおいても成功のカギとなります。
「観察」と「提案」が売上を変える
ほりのさんのケースでは、レンタルビデオ店のお客さんの行動を観察し、それに合わせて手書きPOPを作ることで売上が伸びたという話がありました。これはまさに、 「顧客に適切な提案をすること」 の重要性を示しています。
これはデジタルの世界でも変わりません。
ECサイトでも、リアル店舗でも、「お客さんが何を求めているのか」を理解し、それに合った情報提供をすることで、購買行動は大きく変わります。
✅ データ分析だけでは見えない「顧客の本音」に注目する
✅ レコメンドを工夫し、選びやすくすることで売上を伸ばす
✅ 顧客目線のマーケティングを実践する
これらの視点を持つことで、どんなビジネスでも成長のチャンスを掴むことができます。
最後に
ほりのさんのように、日常の仕事の中で「なぜこれが売れるのか？」「どうすればもっと売れるのか？」と考え続けることが、マーケティングの本質を理解する第一歩です。
マーケティングとは、 「商品を売ること」ではなく、「顧客のニーズを満たすこと」。
それを実現するためには、データだけでなく、人の行動や心理に目を向けることが大切です。
時給580円のバイトであっても、工夫次第で売上を変えられる。
この考え方こそが、マーケティングの面白さであり、成功する経営者に求められる視点なのではないでしょうか。
