経営ビジョンの作り方~後継者と主任で未来を語らう~

経営者に必要なノウハウ

経営ビジョンの作り方~後継者と主任で未来を語らう~

2024年10月10日

我社の経営ビジョンって、ピンときますか?

  • 「日頃の業務に追われ、なかなか3年後5年後って言われても」
  • 「会社の夢みたいなのはあるのですが、現実とギャップがあり過ぎてピンとこない」
  • 「経営ビジョンは大切だと想うので創りたい。でもどこから始めればいいのか」
  • 「自分ひとりでは作ったのですが、浸透が進まないで困ってます」

等々、思いはあれど、作り切れていない、活かしきれていないという声を聴きます。

今回、”浸透しやすい”経営ビジョンのつくり方の事例を、ご紹介します。

経営ビジョンって、なかなか現場まで浸透していない

今回は「経営ビジョン」。

これを主任たちといかに作っていくのか、

ということをテーマでお伝えしてまいります。

現場を歩いていますと、やはりこの「経営ビジョン」、

意外とピンと来ないんですよね。

「我が社のビジョンって何ですか?」

って問いかけても、

「いやそれは」っていうような形で、

なかなか明確な答えが出てこなかったり、

あるいは経営ビジョンを作っているんだけれども、

あるいは文字にもしているんだけれども、

意外と現場に浸透していなくて、

「困っているんだ」っていう声もよく聞きます。

だからこそ、後継者の方が、

この主任研修、

あるいは、主任との研修プロジェクトを通じて、

この経営ビジョンを作っていく、という意義があるのかなと思っております。

具体的にどうするかということで、つ、これからお伝えしてまいります。

後継者と主任で、未来を語らう

後継者の役割は、主任の意見を尊重し、引き出すこと

水野秀則
水野秀則
1つ目は後継者の役割について

step
1
後継者から主任へ、思いを語る

参加者の自己紹介、後継者からの開催主旨など、思いを語る。

こういったところから、場を立ち上げていくという形でございます。

step
2
意見を出す練習をする

いきなり未来のビジョンを話してくれと言っても、どうしても意見が出てこないため、

事前トレーニングとして、

例えば、お客さんに喜んでもらって、最近うれしかったこと。

あるいは情調であったり、仕事をしてて、やりがいであったり、面白みがあるな、ということを挙げていただく。

この時、ポストイットを使って、『書き出す』とスムーズに意見を引き出せます。

まずはポストイットへ書いて、それを机の上へどんどん貼り出していく、いわゆる「KJ法」でございます。

ここでのポイントは、出てきた意見を否定しないこと。

彼らの主張を尊重することを心がけましょう。

これらは事前トレーニングとして効果的な練習になります。

step
3
考えをまとめ、ビジョンを語らう

まずは、5年後・10年後・30年後等、どのような時期でも結構ですので、

その段階でどうなっていたいのかという、未来を語る、夢を語るという形になります。

さて、経営ビジョンを現場に浸透させるために大切なのは、後継者の立場から主任の意見をいかに尊重し、引き出すかということです。

後継者としての役割は、ただビジョンを押し付けることではありません。むしろ、現場で働く主任たちの声を聞き、それをしっかりと反映させることで、ビジョンに現実的な力を与えることができます。多くの会社では、ビジョンというのは上層部が決めて、現場が「従うもの」という風に考えられがちですが、これでは現場のやる気や共感を引き出すことは難しい。

主任たちは、現場を知り尽くしている存在です。彼らの視点や意見を経営ビジョンに取り入れることで、ビジョンが単なる「絵に描いた餅」ではなく、具体的な行動指針として力を持ち始めるわけです。だからこそ、後継者は「経営者として何を決めるべきか」を明確にしつつも、同時に「主任たちの意見をどう取り入れるか」を模索することが重要やね。

例えば、後継者は定期的に主任たちとのミーティングを設け、彼らの現場での課題やアイデアを共有する場を作ることが求められます。この場では、リーダーシップを発揮するだけでなく、聴く力が問われるんですわ。

主任の役割は、現場経験を通じて、未来を語ること

水野秀則
水野秀則
2つ目は主任の役割について

step
1
過去に引きずられず、未来を語る

発言に慣れていない場合が多いので、まずは個人で書き出すこと。

大事なのは、過去に引きずられず、未来を語る。

過去こうだった、ああだったというような意見になりがちですので、

あるいは、これができない、あれができないという形ではなくて、

未来にどうなっていたいのか。

本当にロマンであったり、ビジョン、自分が手にしたいもの。

そういったところを出していく。

step
2
ポストイットを活用し、意見をまとめる(KJ法)

そういった意見を紙に書いて、机に並べ、グルーピングする。(KJ法)

step
3
期限は具体的にイメージできる形で

期限は何年や何年度だけでなく、イメージや意識が向かうもの。

10年後 20年後でも、いいんですけども、

なかなか10年後って言ってもピンと来ないっていうような場合、

私がよくやって効果的だったのは、例えば、

「634メートル」です。

634メートルとは、スカイツリーの高さのことですが、

スカイツリーが完成するまでに、我々こういう風になっていたいよね。

っていうような「スカイツリービジョン」。

そうしたらスカイツリーが、だんだんと出来上がってきて、

我々のビジョンも出来上がってるのか、といった感じです。

これは、ただ単に年数だけではなくて、何年のこの時にはこうなってたい、

例えば、2025年大阪万博。

この「2025年ビジョン」を掲げていただいている、

会社さんもいくつかあります。

そういうことで具体的な節目となるイベントであったり、

そういったものをイメージとして設定して、その時までに一緒にこういったものを、

我が社では作っていくよ、というものを、

ぜひ掲げていただけたらなと思います。

主任には、単に現場を管理するだけではなく、現場の経験を踏まえた上で未来を語るという重要な役割があります。現場での経験というのは、日々の課題や問題をリアルに体感してきた中で培われた知識と知恵です。この「リアルな経験」に基づいた未来のビジョンは、会社の経営ビジョンとつながる非常に強力な武器になります。

よくあることですが、上層部が描くビジョンは、現場の実態とズレることが少なくありません。そこで、現場の第一線に立っている主任が、そのギャップを埋める存在になるわけです。彼らは、実際に何がうまくいっていて、何が問題かを知っている。だからこそ、現場のリアルな声をもとに、具体的で実行可能な未来像を描くことができるんです。

また、主任が「未来を語る」ことで、現場のスタッフにもやる気や意欲を与えることができます。スタッフにとって、未来のビジョンが「自分たちに関係のあるもの」だと感じられると、モチベーションが大きく変わります。主任が経営ビジョンを自分ごととして捉え、それを現場に伝えていくことで、現場全体が一つの方向に向かって進む力が生まれるんですな。

この「未来を語る」役割は、特に後継者と経営幹部が手を取り合って進めることで、組織全体に強い影響力を与えるはずです。

水野秀則
水野秀則
後継者と主任が未来ビジョンをつくる、未来を語り合うということを、

ぜひこの主任研修の中で、取り組んでいただきたいな、

ということをご提案して、

今回はここで終わりでございます。ありがとうございます

YouTubeでも詳しく解説しています

今回の、「経営ビジョンのつくり方は、後継者と主任が未来を語らうことから」について、

YouTubeでも、わかりやすく解説しています。

ぜひ、動画でも「経営ビジョンのつくり方は、後継者と主任が未来を語らうことから」について理解を深めてください。

水野からの問いかけ

水野秀則
水野秀則

  • わが社のビジョンと聞いて、思い浮かぶものは?(現在地の確認)
  • 現場から見ると、そのビジョンの浸透度合いはどの様な状況でしょう?

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