後継者インタビュー

わかったら、俺にも教えて!

株式会社 A社 様    代表取締役専務  B 氏 匿名 (中編)
(41歳、住宅建設・不動産事業)

1.人生と事業が大きく動く前の状況

親父を亡くし、気が付いたことがいくつかありました。中でも、自分自身「結構、寄りかかっていたなぁ」と実感し、父という存在を改めて認識したことが大きかったです。親父が居るから好きなことができる。親父が居たからこそ、自由に生きてこられた─。ある面、周りに対して強がったことも言える自分がいたのはその大きな存在があったから・・・。しかし、その後ろ盾がなくなり、いかに自分が弱く、依存した人間であるかをしみじみと感じていました。

2.経営者・リーダーとして、こころにしみたあの言葉

そして、若くして母と姉の生計も含めた一家の屋台骨を背負う形となった私は、それまで全く縁も所縁も無かった建設不動産業界に飛び込んだのです。
そこで出会った最初の上司が、「仕事は教えない」というタイプの方でした。新人で分からない事が沢山あって聞きに行くと、「それ、僕もわかんないなぁ。ちょっと考えてみて」「忘れちゃったよ。調べてみて」と、十分な返答がなかったのです。極めつけには、「わかったら、俺にも教えて! 」という依頼があったこともありました。

3.人生・事業で何がシフト(転換)したか

最初の頃は正直、大変な上司に当たったな、という風に捉えていました。しかし徐々に、実はこの上司はとても心根に温かいものをもっている人だと感じてきたのです。
教えないのは意地悪をしているのではなく、私を信じ、真の成長を願ってくれているから。自分で考える前にすぐ人に頼ってしまう私の気質を見抜き、接して下さっていたのです。
今想うと、後に私の人生と仕事の両面において大きな財産となった──“依存(指示待ち)体質からの脱却”へこの上司が導いてくれたのは間違いありません。当時、知識やテクニックを手取り足取り教えてもらっていたら、確かに短期間でそれなりの業務ができる様になっていたのかもしれません。しかし、自ら仕掛け、仕事を生み、創造出来る様な事業家的なモノの見方と行動力を持ち、責任を担える立場の人間には育っていなかったであろうと感じています。

4.水野が直接お聴きして感じたこと

“事業家的なモノの見方と行動力をもった人財を育む”ために、

  1. 教え(過ぎ)ない!
  2. 知識・テクニック面だけでなくスタンス(立ち位置)面での関わり
  3. 魚を与える⇒釣り方を教える⇒釣り人本人が自ら考え、違いを生み出すことが大切である

ことを実感する素晴らしいご体験談であった。

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