経営は人なり!株式会社京装コンピューター 岡田恭子氏インタビュー

後継者インタビュー

経営は人なり!株式会社京装コンピューター 岡田恭子氏インタビュー

株式会社京装コンピューター

取締役
岡田 恭子氏

〒604-8151 京都市中京区蛸薬師通烏丸西入橋弁慶町227 第12長谷ビル2F

リーダーの器は人生の深さ!

手をつなぐ

突然の父の他界

2年前、父であり創業者である前社長が突然の病に倒れました。

独立系のコンピューターシステム会社として、売り上げ60億円を突破。

優良得意先様にも支えられて、いよいよ本格的な後継体制づくりを進めようとしていた、まさにその時のことだったのです。

私は女性で、どちらかというと補佐タイプ。

男兄弟もいて、当時まだ20代ということもありその頃は、“行く行くは先代の経営面での支援ができれば・・・”という位の漠然としたイメージしかもっていませんでした。

先代の経営に対する考えや言葉を、瞬間瞬間もっと真摯に受け止め、もっともっといろいろな話をしていれば・・・。

生前の信念に満ち溢れる堂々とした姿を想い出しながら、空しく天を見上げる日々が続きました。

リーダーの器は人生の深さ

しかし、現社長をはじめとする経営陣の支えもあり、社の理念「経営は人なり」にまつわる数々の語録を身近に感じつつ日々業務に打ち込む中で、私の胸の奥からふつふつと使命感(一社一社のお客様と一人ひとりの社員を想う気持ち)のような熱いものが湧き上がってきました。

特に、リーダーの器は人生の深さという言葉に接し、人として自分を磨き上げることに覚悟が定まっていったのです。

まず、自分のこころを開いてスタッフの話をよく聴き、気持ちを傾ける。

これを徹底して実践する様に変わっていきました。

社員に理念を伝え続ける

何より、先代の素晴らしさと自分の至らない点を考え込む毎日から、私自身のこころに染み込み広がりつつあった理念を伝える実践の毎日に意識してシフトしていったのです。

弊社らしさ(イズム・スタイル)を原点に、対話の中から方針や戦略策定を明確にする。

それを幹部社員と共に一人ひとりに伝わる手立てを実践する・・・。

まだまだ若く、経験値は少ないですが、使命感がゆるぎない信念へと昇華することを信じて前進するのみだと想っています。

水野秀則
水野秀則

「理念が(自然と己や周りに)浸透」──する為に、

  • 未来をイメージし、瞬間瞬間を真摯に受けとめる
  • 数々の語録を身近に感じる 決めた教えを一つ一つ徹底して実践すること

これらが大切であると実感する素晴らしいご体験談であった。

運命共同体、一人ひとりが変わる!

PC

父の突然の死を乗り越えて

父を突然亡くした哀しみから立ち上がり、年齢が若くまだ経験の積み重ねが少ないながらも、何とか日々の業務を推進していました。

全く畑違いの他業界から来た私に何ができるか、試行錯誤の毎日だったのです。

また、経営陣の一角である「取締役」という立場の重みや責任をしみじみと実感していました。

──自分自身の“使命感をこころに”、そして社員との“対話を身体に”染み込ませる日々が続いていたのです。

何とかなるだろうという空気感を打破

その様な状況の中、漠然とだったかもしれませんが、(私も含めた)将来を担う幹部クラスの危機感不足を感じ始める様になりました。

それは「これまでの延長線上で何とかなるだろう、自分がやらなくとも何とかなるだろう」という空気だったのかもしれません。

そこで、“改革タスク”と銘打った社内プロジェクトを企画・推進実行したのです。

これは3日間にわたる合宿の場を含めたもので、結果実に様々な本音・本心・本気の意見が交わされた実りあるものになりました。

中でもある幹部が

「我々は運命共同体だ!他人事ではなく自分事で考えよう!相手を変えるのではなく、一人ひとりが変わることだ」

と自分の体験からくる熱い想いを吐露し、発言した場面は、皆のこころに響いたのです。

改革の原点は「変わる」

私自身がお手本にしていた伊藤忠の丹羽宇一郎元社長の改革と同じ様な熱さが、わが社でも当事者意識と現実味をもって真の改革の産声としてあがった瞬間でした。

この時を境に、本気と真剣さが幹部のこころに格段に増した様に感じます。

つい一ヶ月前に副社長に就任し、新たな年度の方針発表を全社員に行いまし た。

そこで伝えたのは、改革の原点である「変える」ではなく「変わる」です。

京装は変わります! そして何より私自身が変わります! と。

水野秀則
水野秀則

「改革」――を推進するために、

  1. 本音での徹底討論(問題・課題の吐き出し)による本気度醸成
  2. 変えるのでなく変わるという当事者意識醸成
  3. 成功モデルのイメージ活用が大切であることを実感する素晴らしいご体験談であった。

社員を大切にしんとあかん! 経営者がえらいなどと、はき違うたらあかん!

標識

改革タスクのリーダーとして

“改革タスク”のリーダーとして、また副社長として、初めて臨む方針発表会。

582人に及ぶ社員一人ひとりに何を伝え、何を感じてもらえればいいのだろうか?

ここ数ヶ月で20人程のタスクメンバー内では、現状の課題や今後の方向性等の相互理解が確かに進んでいました。

がしかし、2ヶ月後に迫る大勢の前での発表会に向け、検討と試行錯誤がまだまだ続いていたのです。

数多くの社員に短時間でメッセージを伝えるには? 伝えたものを実行につなげてもらうにはどうすればいいか? 等々。

5つのメッセージ

その後取り組みの中から、

1)“伝える”のではなく“伝わる”ことを意識する 

2)シンプルメッセージ・シンプルアクションを重視する(11の行動指針完成)

3)一過性で終わらないためにも、いつも見ることができ、こころの拠り所となる書き込み式の“社員ハンドブック”の制作と常時携帯の推奨を図る

4)発表者が自分自身の臨場味あふれる体験をさらけ出し、本音で語る

5)第一線の声を大切にするため今後も現場をまわり続け、社員の想いを汲み取り、反映していく

等々が決まっていきました。

その様な時、先代会長から生前によく聴かされていたある言葉がふと私の脳裏に蘇ってきたのです。

それは「社員を大切にしんとあかん! 経営者がえらいなどと、はき違うたらあかん!」という言葉。

伝え伝わるテクニックやスキル、文書として形となったものも大切だが、何より大事なのは、社員をいかに本気で想っているか、というリーダーとしてのこころのスタンスだと諭してくれたのです。

社員ひとりひとりを愛しいと想う気持ち

人を鼓舞し行動に向かわせるのは、社員それぞれ、その人自身に対する関心や、その一生懸命さ、頑張りをこころの底から愛(いと)しいと本音で想うかどうか。

このこころのもち様こそが原点である。

----自分たちの想いをいかに伝えるか、伝わるには何が大切なのか、そう考えた時、この先代の言葉が私の中で自らの信念へと昇華したのです。

タスクを通じて取り組んだ様に、テクニックではなく、自分の本音、感じていること(社をよくしたいという想い、社員一人ひとりへの熱い想い)を全身全霊を通じて表現すればいい。そう吹っ切れて、想いが伝わるように、と発表会へと挑んだのです。

水野秀則
水野秀則

「方針が伝わる」----ために、

  1. リーダーとしてのメンバー一人ひとりへの温かな想い(原点となるスタンスの確認)
  2. 拠り所となるもの(社員ハンドブック・行動指針)の共有・徹底活用
  3. 現場からの継続的な意見吸収(理解するから理解される)

が大切であることを実感する素晴らしいご体験談であった。

2019年11月27日リライト(役職は当時のものです)

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