経営感覚の錬磨をするために 小久保祐久氏インタビュー

後継者インタビュー

経営感覚の錬磨をするために 小久保祐久氏インタビュー

2020年2月25日

株式会社祥栄不動産

住宅・不動産業
代表取締役社長 小久保祐久氏

〒350-0463埼玉県入間郡毛呂山町前久保南1-32-2

喜んでいいのだ!

無意識に父親と競っていた20代

20代の頃を振り返ると、そこには父親であり当時の社長とある意味で競争していた自分の姿が浮かびます。

きっと若さ故に、かっこうをつけ、肩肘を張って仕事をし、生きていたのだと思います。

周りから「がんばっているね」と褒められても、それを素直に受けることもなく、「まだまだですよ」と多少かたくなになって答えていたのをはっきりと覚えています。

うまく表現できませんが、「お父さんは、こんなにできるのに、お前は・・・・」と迫られている感じがあり、「負けるものか」と気負っていたのかもしれません。

今思えば、「自分はまだまだダメで、多少のことで喜んではいけないのだ」という感覚が常にありました。

認めてもらうことで得た喜びと心の脱力感

そのような中、目を掛けていただける経営者の方々との深い交流や会話から、少しづつ変わっていく自分に気づいていました。

決定的だったのは、日頃から私に厳しく、そして深いアドバイスを頂き、私の長所・短所も、行動も知り尽くしておられる尊敬する経営者の方から

小久保さんは見習いなんかじゃない!実践の場での取り組みがそれを裏付けている。もう立派な経営者であり、ある意味で創業者だ!

と、外交辞令ではなく、こころの底から認めて頂いた時でした。

この瞬間、初めて周りから承認を受けたという気持ちが自分の中に広がりました。

肩の力がすっと抜け、引っ掛かっていたこころのストッパーが見事にはずれたように思います。

それは良い意味での脱力感でした。

「これでいいのだ、これがいいのだ!」と素直に自分を自分で褒めることができるようになり、「喜んでいいのだ!」という気持ちが自然にあふれて、自信も湧いて来たのです

本物の使命観に気付く

このことをきっかけに、社長と変な競争(対立)はしなくなりました。

自分の人生や事業は、社長と競争するためではなく、自分のために、そして何よりお客様や社員・父親を含めた全ての家族のために、存在し、捧げていくのだというように変わっていく自分がそこにありました。

本物の使命観に目覚めた自分の存在が、人生・事業を大きく変えたのは確かです。

水野秀則
水野秀則

「競争ではなく、共創」―――していくために、

  1. それぞれの個性・価値を認める(自己承認・他者承認)
  2. 「まだ」と「もう」の両面をバランスよく見る
  3. こころの引っ掛かりを解除することが大切である

ことを実感する素晴らしいご体験談であった

あなたは、どんな会社にしたいの?

経営者ごっこ?

私が先代から事業を引き継ぐ前、今振り返ると経営者としては本当に未熟な時でした。

当時、私をかわいがってくれる年齢が一回りも違う親しい先輩経営者に、経営に関する書籍の紹介や講演会の誘いをよくされていました。

しかし、本も読んだふり、講演会もついていっているだけで、真剣に経営を考えてはいませんでした。

何も知らない、力のない自分を他人に見透かされるのが怖くて、経営者ごっこをして真剣だと見せていたのです。

さまざまな貴重体験をしていたにもかかわらず、それらを活かしていなかった私は、周りから見れば、馬鹿な二代目が背伸びをしているように映っていたことでしょう。

それでも、私を育てようとお誘いし続けてくれた先輩経営者のおかげで、今の自分があり、今の会社があるのは間違いありません。その方から学ぶことの大切さを教えられてきたのです。

アットホームな会社にしたいとしか答えられなかった歯がゆさ

そのような中、兄貴のように慕っていたこの経営者から、

あなたは、どんな会社にしたいの?

と問われました。

普段そんなことを考えたこともなかった私は、とっさに

アットホームな会社

と答えるのが精一杯で、仕事に対してのビジョンや目標、想いの深さ、目的、そして数値的な裏づけなど何一つ持っていませんでした。

この時、まともに答えることのできない恥ずかしさや歯がゆさが、自分への恐怖心となり、私の仕事に対しての凄まじい原動力へと変わっていきました。

この頃から「自分ごととして、会社をどうするのか!」ということを真剣に考えるようになっていったのです。

そして、その答えを出すために自ら考え、行動するようにと変わっていきました。

ブレのない経営者を目指す自信が芽生えてから

7ヶ月間に亘る経営やリーダーシップの本質を学ぶある研修会との出会い

――価値判断基準・業績先行管理・リーダーシップの大切さ・決算書の見方等々、もしこれらに出会わないまま我流で感覚的な舵取りをしていたら間違いなく会社はつぶれていたでしょう。

とにかく、数字や経営原則に基づく“ものさし(判断基準)”をつくることにより、社内はもちろんのこと、取引先や関係先のことまでが客観的に見えるようになってきました。

このような事の積み重ねや学びがあって、先を見据えたブレのない経営者としての決断や心からうまくいくという自信が芽生えてきたのは確かなのです。

転機のポイントは経営者としての自覚・覚悟を持てたことであったように思います。

経営者としての自覚にめざめ、覚悟を決め、そこに意識革新、行動革新が出来上がってきたのです。

水野秀則
水野秀則

「経営感覚(価値判断基準)の錬磨」―をしていくために、

  1. 経営者としての自覚と、使命感の確立をすると共に、自らが学ぶ意志と必要性を感じる
  2. 数字から客観的にとらえる習慣をもつ
  3. 社内外の決算書を常に手にする

等々が大切であることを実感する素晴らしいご体験談であった。

(2020年2月25日リライト)※記事内の役職は当時のものです

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