後継者インタビュー

今まで何をやっていたのだ!

朝霞伸管工業株式会社 代表取締役社長 綿谷廣康氏

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1.人生と事業が大きく動く前の状況 

 大学卒業後、アメリカ留学を終え、父の会社にそのまま入社。20代のビジネス人生を、ただただ無我夢中で過ごしていました。努力と実績が少しずつ認められ、気が付いた時には営業の全権を与えられる立場。若輩ながら常務として日本はおろか海外を、寸暇を惜しんで飛び歩いていた時期でした。

 今振り返るとお恥ずかしい限りですが、ニューヨ-クの空港でウオールストリートジャーナルを小脇に抱え、得意になっていた自分の姿が浮かんできます。自分に酔い、自分におぼれていた時代だったように感じます。

 そのような絶頂期から、坂道を転げ落ちるように事態が一転しました。予期せぬ大病を患ったのです。ちょうど三十歳になったばかりのことでした。

2.経営者・リーダーとして、こころにしみたあの言葉

 病院では、見るもの聞くものの全てがビジネスの価値観では推し量れない世界。闘病生活を通じて自分の視点からしか、物事を見ていなかった自分をいやという程痛感しました。「ちょっと待てよ、これでいいのか」「今まで何をやっていたのだ!」という言葉が一気にわき上がってきたのです。

 気が付けば常に一歩下がり視点を変えて、ものごとをそして自分を、深く見つめようとする謙虚な私がそこに生まれていたのです。

3.人生・事業で何がシフト(転換)したか

 こころの底から人生全体を客観的に振り返れた瞬間、若さ故に表面のかっこうだけを取り繕った「なんと薄っぺらな人生だったのか・・・」と気付いたのです。

 それからものの見方・考え方に大きな変化が現れました。背伸びをせずにありのままの『本心』を語るようになり、自らも『本物』を深く追求していくようになりました。そこには「人は『本来』どうあるのがいいか」という原点を問い掛けている私がいました。

 その頃から仕事上でも一過性のものではなく、真の顧客・人材・商品の基盤が育まれてきたように感じます。今、あの三十歳の時に天からいただいた時間、メッセージ、気付きに深く感謝しています。

4.水野が直接お聴きして感じたこと

「人が大きく変わる時、必ず『ふっ』とした間(ま)がある」―――その大切な間を生み出すために、

  1. 一歩下がりより大きな視点から見つめる
  2. 知識や情報を吸収するだけでなく自分を深く見つめ直す
  3. 人生と仕事をリンクさせて見ることが大切である

ことを実感する素晴らしいご体験談であった。

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