部下・後輩の気持ちがわからない。
自分にとっての「普通」が誰にでも当てはまるとは限りません。
つい忘れてしまいがちですが、大切なことです。
年齢、性別、育った環境、違いが多ければ多いほど、価値観も異なるはず。
今回は「価値観の違う相手とのコミュニケーション」について、考えていきたいと思います。
価値観の違う相手とのコミュニケーション
皆さん、こんにちは。
フューチャサポートでブログ・YouTubeを担当しています、中角です。
今回は、引き続き大ヒット漫画「鬼滅の刃」から、
炭治郎の行動に見られる効果的なコミュニケーション術を
一緒に確認してまいりましょう。
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炭治郎とカナヲの対話
那田蜘蛛山(蜘蛛の巣が張りめぐらされ、無数の蜘蛛が蠢く山)での戦いで
大怪我を負った炭次郎が炭次郎が療養と回復訓練を終え、
再び旅立つ際の栗花落カナヲとの対話(第7巻より)をご紹介します。
2人の対話には、コミュニケーションに大切なポイントがたくさん詰まっています。
辛辣なカナヲと純粋な炭治郎
炭治郎は回復訓練に付き合ってくれたカナヲにお礼を言いますが、
カナヲはニコニコ笑うだけで何も喋りません。
炭治郎は戸惑いつつ、さらに話しかけ、その場に留まります。
するとカナヲはコインを取り出して投げ、こう言いました。
師範の指示に従っただけなので
お礼を言われる筋合いは無いから
さようなら
可愛い顔に似合わず、なかなか厳しい物の言い方です。
カナヲに悪気はありません。表情もニッコリ笑顔です。
とはいえ、自分だったら嫌な気持ちになってしまいそうです。
しかし、炭次郎は違いました。
喋ってくれた!
と喜び、“今投げたのは何?”“それ何?”“お金?”と
畳みかけるように話しかけ続けます。
カナヲは何を聞かれても笑顔で“さよなら”しか言いません。
炭治郎はそんなこと気にする様子もなく隣に座り、
さらに話しかけ続けます。
”表と裏って書いてあるね””なんで投げたの?””あんなに回るんだね”
すると、ここで初めてカナヲが質問に答えます。
指示されてないことはコインを投げて決める
今あなたと話すか話さないか決めた
この回答に違和感を覚えた炭治郎は、
指示に従うのも大切なこと
とカナヲの行動を認めつつ、カナヲからコインを借りると、
表が出たら、カナヲは心のままに生きる
と言ってコインを空高く投げました。
見事、コインは「表」を示し、炭治郎は跳ねて大喜びします。
頑張れ!!
人は心が原動力だから。
心はどこまでも強くなれる!!
カナヲはなぜ表が出せたのかと戸惑います。
偶然だよ。それに裏が出ても表が出るまで
何度でも投げ続けようと思ってたから
炭治郎が去った後、カナヲは呆気に取られつつ、
コインをきゅっと抱きしめました。
コミュニケーション能力の高さが伺える3つのポイント
短いシーンですが、
炭治郎の行動には気づかされる点がたくさんあります。
物事の良い点に目を向けている
前述の通り、カナヲの第一声は乱暴な内容でした。
しかし炭治郎は、話した内容ではなく、話してくれたことそのことを喜んだのです。
人は「してもらえない」ことや「期待と違う反応」に不満を抱きがちです。
ここでも「せっかく話しかけたのに無視された」とか、
「やっと話したと思ったら、ひどい言い方をされた」
などと思ってしまいそうなものですが、炭治郎は違いました。
確かに、どんな内容でも「話してくれた」ことに違いはありません。
ほんの一歩の歩み寄りを見逃さず、チャンスに変えた炭治郎のコミュニケーション能力はさすがと言えるでしょう。
自分の「したい」に素直
炭治郎は、お礼を言ってもニコニコ笑うだけのカナヲに話し続けました。
他の人なら、そのまま退散していたかもしれません。
だからこそ、カナヲはコインを投げて話すかどうかを判断したのです。
カナヲにコインを出させたのも、炭治郎の歩み寄りによる成果と言えます。
また、さらに話しかけ続けたことで、カナヲはコインを投げることなく、
自分の意志でコインを投げた理由を答えました。
実はこのシーン、さり気ないですが、すでにカナヲが変わり始めているんです。
カナヲと「話したい」という炭治郎の素直な気持ちが伝わったのかなと思います。
相手の考え方を認めている
さらに炭治郎が優れているのは、
師範またはコインの指示に従うというカナヲの価値観を否定していないこと。
変だとか、間違えてるとは一言も言っていないのです。
そして、カナヲの決めた方法=コインの指示に従うという方法で自分の意見を伝えています。
しかも、表が出るまで何度でも投げるつもりだったと言っています。
ただ「自分の声を聞くべきだ」などと言われても、カナヲの心は動かなかったでしょう。
単に自分の意見を押し付けるのではなく、相手の納得しやすい方法を選択したのです。
同時に「自分の声を聞く」という表現にも炭治郎の優しさを感じます。
自分の意志を持つとか、自分で決めるといった表現ではなく、自分の声を聞く。
つまり、自分の声がコインを求めれば、またコインで決めることもできるのではないでしょうか。
まさに「カナヲの意志」「カナヲの価値観」を尊重した行動と言えます。
相手の言動に違和感を感じたときの対応について、Twitterでも興味深い投稿がありました。
「普通」や「べき」は人によって異なります。
まずは相手の立場になって考えてみる。
リーダーとして、特に部下・後輩と話すときには、ぜひ意識していきたいですね。
自分自身の経験を振り返ってみる
年上部下との関係
最後に、今回のテーマから、私自身の過去を振り返ってみたいと思います。
私が、中小企業でチームリーダーを務めていた時のお話です。
メンバーの1人は、私より3年後輩でしたが、年齢は3つほど上の方でした。
経歴も申し分なく、とても期待できる人材で、一緒に働くことを楽しみにしていました。
しかし、いざ働き始めると、
お願いしていたことが途中までしか終わっていない、ということが何度も続きました。
初めのうちは丁寧に教えていたのですが、
日が経つにつれて「まだ慣れないの?」「分からないなら聞けばいいのに」といった
“不満”を感じるようになってしまいました。(今思うと、お恥ずかしい限りです…)
相手の立場になると分かること
結局、私にはその方の才能を生かし切れず、
その方は、ベテランの先輩が率いる別のチームに異動することになりました。
今思い返して、相手の立場になってみると、
「年下の先輩にどこまで聞いていいのか分からない」
「経験者なのにできないと思われたくない」という気持ちがあったのかもしれません。
もし時間が戻せるなら、
途中まででも「してくれたこと」にきちんと感謝を示すべきだった、
説明段階や、期限の前段階で「分からないところはありませんか?」と
こまめに声を掛けるべきだったなと感じています。
自分が「したい」「してほしい」ことを叶えるための努力、
そして、相手の立場を考えようとする努力が足りていなかったのだと思います。
未来に向けて
これから先も、自分とは価値観の違う人に会うことはたくさんあるでしょう。
しかし、どちらか一方だけが間違えているということは少ないはずです。
これからは過去の反省を生かして、相手の立場になって考えようと思います。
まとめ
「鬼滅の刃」に学ぶ、コミュニケーション力向上のための問いかけ
- 1.不満を感じる出来事の中に、相手が「してくれたこと」はありませんか?
- 2.自分の「したい」ことは何ですか?
- 3.相手の価値観に違和感を感じた時、あなたはどうしていますか?
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