感動を与えてくれるオリンピック
4年ごと、我々に感動をもたらせてくれるオリンピック。
ずいぶんと前になってしまうが、ロンドン大会で史上最多のメダル獲得数38個という新記録を残した日本人選手達。
「悔いはない」と三連覇は逃したが、はっきりとした口調で応えた北島選手。
競泳最終日、「康介さん(北島選手)を手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞ」と誓い合い臨んだリレー三選手。
共に泳いだ400メートルメドレーリレーでは見事に銀メダルを獲得。
競泳陣の強さは、結束力(チーム力)が個人競技の本番でのパフォーマンス向上の柱になっていたのは間違いがない。
背泳ぎで銀と銅のメダルを獲得した入江選手の言葉にそれは集約されている。
「(個人種目なので競技は一人ひとりで終わるのかもしれない。が、競泳日本代表)27人全員でリレーをつないでいると思った」というスタンスであり意識だ。
史上初が数多く印象に残ったロンドン五輪
冒頭のメダル数もさることながら、史上初と冠されるものも数多くあった。
女子サッカーなでしこジャパンはオリンピック初の銀メダル。
新キャプテン宮間選手の「(全員で勝ち取ったことに)金以上の価値がある(銀)」という言葉が重い。
父娘で初のメダリストとなったウエイトリフティングの三宅選手。
お父さんが語った「娘に生きがいを与えられた」という言葉もこころにしみる。
その他、アーチェリー、フェンシング、卓球等々。
プレッシャーの中で結果を生み出す三つの「K」
様々なプレッシャーを超えて結果を生み出す、という点ではオリンピック選手と共通する立場である企業の経営者や組織の一人ひとりのリーダー。
オリンピックを通して、何を感じ、何を深められただろうか?
私がこの大会を通じて改めて感じたのは、“三つのK”「結束力(チーム力)・感謝・絆」である。
これまでご紹介した選手たちの言葉(言動)の中にもこのことが数多く含まれていると意を強くした。
そして、人は最終的には、自分ひとりだけのためには頑張りきれない。
周りの人のために底力を発揮する。
──このことをしみじみと実感し、それをやってのけた選手達に深く感動した大会であった。
ビジネス界でも伸ばしていきたい感情や感性の力
スポーツの世界でもビジネスの世界で基本となるPDCAサイクル(plan-do-check-action)は同じかもしれない。
その様な中、今回スポーツの世界に明確に存在していて、我々ビジネス界では大きなのびしろとなるのではないかと想うものもより鮮明に感じた。
それは、イメージや感情・感性の力である。
科学的なメンタルトレーニングを積んだ選手は、本番にもしなやかな強さを遺憾なく発揮し、本来の力、いやそれ以上のものを表現できていた様に感じるのだ。
ビジネス界でもロジックや理詰めに考えることも大事であることは間違いがない。
しかしそのことで、こころの底からそうなりたいという感情や感性とのギャップが生まれ、理や利だけとなり、情や心が置き去りにされていないだろうか。
今回得た感動や学びを短期的なものに終わらせないために、自分自身の言動(言葉と行い)の習慣に違いを生み出したい。
そのために先ずは、4年後に自分が本当になっていたいイメージをありありと思い浮かべ、寝ても冷めてもふつふつとその感情が湧き上がってくるような目標の設定から始めることが大切だ。
4年に1度のオリンピックを、一流選手のスポーツの祭典だけにせず、あらゆる人のイメージや感情をベースにした4年ごとの目標設定・達成イベントに位置づけることができれば素敵ではないだろうか。
来年に迫った東京オリンピックも楽しみである!
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
スポーツ界から学ぶ、ビジネスにも生かしていきたい言葉
- 「“三つのK”「結束力(チーム力)・感謝・絆」
- 「自分ひとりだけのためには頑張りきれない。周りの人のために底力を発揮する」
- 「ビジネス界では大きなのびしろとなるのではないかと想うものーイメージや感情・感性の力」
- 「オリンピックは感動や感情をベースにした4年ごとの目標設定・達成イベント」
- あなたは4年後のリオオリンピックに向け、どの様なイメージや感情を目標設定しますか? あなたは、理や利だけで、情や心が置き去りにされていると感じる時はありますか?
(2019年12月リライト)