連鎖倒産を回避する必死の取り組み
中小企業の実態に歯がゆさを感じる日々
学生時代数字の面白さを体験した私は、卒業後アメリカで税務コンサルタントの職に就いておりました。
様々な体験をする中で、
「中小企業をサポートしたい」という想いが高まり、父の企業に入社しました。
当時、目にするもの全てが、日本の中小企業の生々しい事実であり実態でした。
学問の世界や数値・理論だけでは計りきれない側面を感じると共に、マネジメントの稚拙さに起因する歯がゆさ(「こうすればもっと成果が出せるのに!」)
を強く感じました。
取引先の手形が不渡りに
そんな折、現場の実状と必死に格闘をする中で、約1年が経とうとしていたある朝、父から「ちょっと、いいか?」と呼び止められ社長室に入っていきました。
そこで聞かされたのは、取引先の手形が不渡りになったとの話でした。
その直後から、連鎖倒産を回避する必死の取り組みが始まりました。
夜通しの再建計画の作成に始まり、仕入先への手形ジャンプ相談、金融機関・社員への協力・支援依頼等々。
もちろん私自身も自宅を売却する等、即断即決で現金化を断行しました。
再建から成長軌道の路線へ
再建から成長軌道の路線に転換できた今、周りの方々からのご支援のお陰であるとしみじみ感じます。
この苦い体験を踏まえ、考え込むのではなく、先が見えないこと、答えがないことに挑み・英断していくのが経営者であると、確固たるものの見方ができたようにも想います。
お金という人間の血液に当たる経営資源が回らなかった辛い時期を体験したからこそ、今、組織・人・商材・パートナーをはじめ
「無限の可能性を追求し前進する:プログレッシブ」
という理念の経営を進めることができている様に強く感じます。
「リスク(危機)回避」のために、
- ディスクローズ(情報開示)
- スピード(即断即決)
- 方向性を明示した上でのコミュニケーション
- 見えないものに挑む勇気と英断
を行うことが大切であることを実感する素晴らしいご体験談であった。
(2020年2月20日リライト)