1. こんな出来事が!
最近、ビジネスの現場を歩いていると度々「これから“どうなります”かねぇ」「他も“やはり”厳しいですか(不景気ですか)?」と訊かれる。
しかしこれは、永いお付き合いの方よりも、初めてお会いした方から投げ掛けられることが多い。
対照的に、私に次の様な質問をする組織のリーダーもおられる「(暇なので)他社では“どうしています(何をやっています)”?」
というものだ。言葉を続けてこのリーダーは「わが社では、受注量が減って確かに厳しい面があります。が、その分、時間が有り余る程あるので、日頃はじっくりと手をつけられなかったことに昨年末から着手したのです。それがようやく軌道にのってきました。それは、人財育成と、マニュアル整備・システム構築等のしくみづくりです。『変に浮き足立ってしまうことのない様にしよう!中長期的な視野から浮かびあがるテーマを整備し、それを高める最大のチャンスの到来だ!』とメンバーには伝えています」というものだ。
2. 私の想い
一方のリーダーは、「どうなるか?」という視点、他方は「どうするか!」という視点。そして何より、時間が有り余る程あることを、最大のチャンスとして捉えている。これでは、結果に自ずと大きな差が出るのは当たり前である。
世界は全く異なるが、尊敬する人物のある詩が思い浮かんだ。「『タオル取ってちょうだい』 『おーい』と答える夫がある。『ハーイ』という娘がおる。短いけれど指のない 丸い強い手もある。ある ある ある みんなある。」(一部抜粋:こころの手足)
この詩は、三重苦のヘレンケラーをして、「私より不幸な、そして偉大な人」と賞賛するに至った中村久子女史の命の言葉である。
3歳の時に凍傷がもとで両手両足を失い、7歳で父、その後弟も亡くす。見世物小屋に売られ、だるま娘の看板で生活をしのぐ。しかし、「人生に絶望なし」という強い信念のもと、72歳まで波乱万丈の人生を実に堂々と生き抜かれた方だ。
3. 日々への影響
中村久子女史の著書を手に取ってみるたびに、自分の恵まれた環境に改めて感謝の念が沸く。そして、日頃「忙しいから」と自分に言い訳をしている姿もくっきりと浮かびあがるのだ。
「忙しいから、何もできない」という口癖を使ってきた人は、逆に言えば、「暇だからこそ、何かできる」という素晴らしい時代の追い風が吹いているように想う。
要は、時間の不足を(傍観者的に考え)嘆くのか、時間が(タップリと)あることを行動で活かそうとするのか—というスタンスの違いだ。時間は、ある!ある!ある!
4.生活・志(仕)事の中での実践
今回、どうなる/どうするの一文字の違いから、色々な気付きを得た。
1.他力本願/自力本願の違い
2.真のリーダーとは、言い訳をしない
3.ピンチをチャンスに変える着想
等々。
今の厳しい時代だからこそ、時間という最大の資産を、冒頭のリーダーの様にいつにも増して活用する!と、こころに決めるのが効果的だと強く感じる。
時間は、万人に等しく二十四時間と平等に与えられたものであり、拡大再生産の効かないもの。だからこそ、そのスタンスや創意工夫の違いで、格差が半端なく生まれるものだ。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
5.毎日の言葉
- 「どうなるか? /どうするか!の視点の違い(他力本願/自力本願)」
- 「ある ある ある みんなある」
- 「人生に絶望なし」
- 「忙しいから、何もできない ⇔ 暇だからこそ、何かできる」
- 「時間は、万人に平等に与えられ、拡大再生産の効かないもの」
- 「だからこそ、そのスタンスや創意工夫の違いで、格差が生まれる」
6.自分を見つめる問いかけ
- 今のこの時代、あなたは、時間貧乏? 時間裕福?
- あなたは自力本願で言い訳をせず、今は時間があるというチャンスをどの様に活かしておられますか?
(2019年7月11日リライト)