配慮していることを感じさせない配慮が、一番の配慮

公開日: : 最終更新日:2013/11/14 リーダーのこの一言が組織を変える!

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(機関誌9号2001年9月)
こころを通い合わせなければ、努力も単なる労力におわる! 

1.こんな出来事が!

 「お決まりになられましたか?」という店員さんの問い掛けに、「ちょっと、待ってもらえますか!」と私。渋谷でスタッフと打ち合わせしようと入った喫茶店でのひとコマである。

 この店は多店舗展開しており、特に青山の店は私のお気に入りの店である。そこで、期待して渋谷の店もと初めて入った。その瞬間、経営者は同じなのに「何かが違う!」と感じていたのだが・・・。冒頭のひと言で「やはり」と思い、その「何か」が見え始めたのである。

 さらには、オーダーをしようとすると、3~4人いる店員とどうしても目が合わない(こころを通い合わせることができない)。しかたなく何度となく大きな声で、「すいませ~ん」と呼び掛けて、やっとのことで、テーブルまで来てもらったというありさま。賑わっていて、忙しい時間帯でもないのに・・・。

2.私の想い

 「やっぱり、あの青山の店はすごい」という想いが、私の脳裏をよぎった。経営者が同じ、内装もほぼ同じ、多少広さの違いはあるが、物理的条件に大差はない。しかし、ゆったりとした雰囲気で、暖かい接客で、充実した打ち合わせをしたい一人の客として見た時、二つの店のそれはあまりにもはっきりした違いであった。

 目に見える内装や設備・備品というハード面に大差がないだけに、店員の姿や接客態度、さらには流れている空気の違いまでがより際立って感じるのである。

 青山の店では、とってつけたようなサービスは一切なく、全てがまったくの自然体。言うなればサービスをしてもらっている感覚がほとんどない。オーダーを受けるのも実にタイミングがよく、そのさりげなさにいつオーダーをしたのかさえ忘れるような不思議にゆったりとした感覚。そんな訳で、いつもスタッフとの打ち合わせに集中できるのである。

 そこには、客が何を欲しているのか、その動きや表情をよく見ている研ぎ澄まされたプロの感覚がある。かといって、客の立場からすると、「見られている」感覚はいっさいなく、必要性を感じたときにその存在を認識するという程度の雰囲気。これが本当の意味でのホスピタリティーであり、サービスというものだと実感できる店である。

 こうしてみると渋谷の店はサービスを『感じさせる』店であるが、真の意味でのサービスが『ない』店。一方、青山の店はサービスを『感じさせない』店(実際はサービスをものすごくしているのだが、そのことを感じさせない店)であるが、本物のサービスがあきらかに『ある(存在する)』店

3.日々への影響

 私はこの同系列の二つの店のサービスを体験することで、「気配りは、目配り・こころ配りから」ということを実感したのである。お客さまが何を感じているのか、どうして欲しいと想っているのか、そのスタート地点をおさえていることが何よりも大切なのであると。これまでの体験を通じて「こころを通い合わせなければ、努力は単なる労力におわる!」という想いがいよいよ深まっていった。

 日常の何気ない会話やビジネスでの打ち合わせ等、色々な方々と言葉のやりとりをしているが、相手の望むものを的確につかまない限り、真のキャッチボールをしていることにはならないのではないか。この喫茶店での体験から自分自身を振り返えるまたとない機会を得た私は、単に見るから、注視する「視る」を意識し、看護婦さんのように暖かく見守る「看(み)る」を努力するようになったのはいうまでもない。

 また、単に出来事だけを「聞く」のでなく、相手のこころがどのように感じたのかを添えて「聴く」ことを進めてみた。

 さらには、相手が「~と思う」を「考え」として受け止めるだけでなく、「~と想う」として受け止め、相手の「こころ」の動きとして受け止めるように変化する自分を感じ始めていた。

4.志(仕)事での実践

 志(仕)事をはじめ、日常のあらゆる場面では、相手とこころが充分に通い合わないことで、勘違いや思い違いが発生し、大きなロスや誤解につながることも多いように思う。また、こちらでは配慮したつもりが、相手にはむしろ重荷になっていることもある。今更ながら、こういうことに深く想いをめぐらすことの大切さを実感している。

 そこで、こころを相手と通わせるために、言葉を通じた「確認」に念を入れることはもとより、言葉を介さない「確認」の徹底に努めたのである。言葉を介さない確認とは、相手の表情(本質はこころ)を的確に感じるということである。自分のことにとらわれて過ぎて、相手を本当に理解せず、それどころか、こころから感じていないことが多いようにさえ想う。本当の配慮というものは空気のように感じられ、相手はその配慮をほとんど感じないのではないだろうか。

 「配慮していることを感じさせない配慮が、一番の配慮」の言葉通り、日々の努力を単なる労力に終らせることなく、物事をはっきり観察したり見分けたりするこころの働きである『心眼』をテーマにすえて歩み続けたいものである。

 あなたご自身は何を感じ、どのように進めておられますか?

5.毎日の言葉

  • 「サービスを『感じさせない』店であるが、本物のサービスがあきらかに『ある(存在する)』店」
  • 「気配りは、目配り・こころ配りから」
  • 「こころを通い合わせなければ、努力は単なる労力におわる」
  • 「配慮していることを感じさせない配慮が、一番の配慮」
  • 「心眼」

6.自分を見つめる問い掛け

  1. あなたはどのような配慮やサービスに感動されますか?
  2. あなたは相手とこころをつなげるために、どのようなことに取り組んでおられますか?
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