シン(真・深・新)のファンを創るのに重要なたったひとつのこと!

事例体験から学びたい!

シン(真・深・新)のファンを創るのに重要なたったひとつのこと!

満足感はある感動がない

いま、アミューズメントレストラン・テーマレストランが話題にのぼっている。

入店した際にガチャンと手錠を掛けられ牢獄(居酒屋の個室スペース)に入れられるという設定の監獄風。

忍者のいでたちの店員が現れ「拙者がご案内します」とテーブルまで誘導する忍者屋敷風。

ウルトラマンやミッキーマウスといったキャラクターが、テーブルまで現れたり、目新しいショーを演じるレストランもある。

その他、『食』ということだけではなく、様々なテーマや趣向を凝らした『空間創造型』のレストランが最近ずいぶん増えた。

普段味わえないそんな空間を提供しているレストランをいくつもまわり、体験して私なりに色々と感じるところがあった。

「聞いてはいたけれど、こんな内装や雰囲気まで!」という驚き。

そして、これまでとは違ったサービスを体験できたという満足感等は色々と味わうことができた。

しかし、それはあくまでも店の雰囲気をかもしだす内装をはじめとする他にはない様々なしかけや、マニュアルに基づく客を飽きさせない仕組みがあればこそ実現できているものだと思う。

が、そこには(例外はもちろんあるが)、外見上のしかけや仕組みといったハードに頼ったいわば形式的な面を感じたのであった。

そこには一人ひとりの顧客を『個客』として捉え、その存在を受け入れサービスを提供するという視点が極めて希薄に感じられた。

珍しいという意味でのそれなりの満足感もあるにはあったが、こころの奥底から込み上げてくるような感動はなかったというのが正直な印象である。

満足は頭で思うものであり、感動はこころで感じるもの

そこで、テーマレストランをまわるという今回の体験を通して、満足と感動の違いを私なりに探ってみることにした。

真っ先に出てきた一つの思いは、あるパソコン用のプリンターのキャッチコピーを地下鉄の車内で目にした瞬間のことである。

「キレイ(綺麗)・ハヤイ(速い)より、スゴイ(凄い)と呼ばれたい!」

その時に

「このプリンターメーカーは、論理的な満足ではなく、感情を揺さぶることを目指しているんだなぁ」

と強く印象に残ったことを思い出した。

次に湧き上がってきたのは、生れて初めてアメリカのグランドキャニオンを前にして、そこに立った時のことである。

唯一絶対的なものを前にしたとき、理論も何もない!声すら出なかったというそれこそ〝スゴイ〝体験だ。

また、似たようなものとして、恋愛で「好きに理由はない」といった表現も、絶対的なものを前にした時の感情をとらえたピッタリのものだと想う。

これらのことから、満足と感動の違いを一つの仮説として導いてみた。

  • 人は様々な条件が充分で完全な時(ナンバーワン、相対的1位)に、『満足』を感ずる。
  • 自分の存在が認められ、比べるものがなく言いようのない位にこころが動かされた時(オンリーワン、絶対的1位)に、人は『感動』が湧き上がってくる

マニュアル通りではない、お客様「一人一様」の感動の創造を目指す

乾杯

そして、日頃からあたためていた感動がファンを創るということの大切さが、さらにこころに広がった。

単なる満足レベルではダメだ。

それは目指すべき本物の姿ではない!感動こそがファンを増やしていくものだと。

外食をはじめとするサービス業の例で言えば、内装や雰囲気はもとより、マニュアルや先輩の動きやテクニックを真似て、ある程度の満足は提供できるかもしれない。

しかし、その人自身が「相手のお役に立ちたい!相手に喜んでいただきたい!」という熱い想いが原点にあり、その上で取り組んだ『一人(客)一様』の行動があってはじめて、真の感動を創ることができるのではないだろうか、と強く想うようになったのである。

対人関係や顧客との関係等様々な場面で、ある程度のハウツーやマニュアルといったものを全面的に否定するつもりはない。

が、しかし『自分が相手の心情を感じ取れるか』ということが原点になければ、それらも本当の意味では役に立たないといえるのではないだろうか。

顧客を「個客」と捉え満足と感動の決定的違い

今回の体験を通じて、仕事上の先輩から以前伺った一客(一人のお客さま)を得るものは、百客(百人のお客さま)を得るという言葉が鮮明によみがえってきた。

その一客を本当の意味で得るということは、単に料理・雰囲気や価格等の条件を頭で『満足』させているだけではないということである。

サービスを受ける側の「自分はこうして欲しい」というものと、サービスを提供する側が一人一様で相手の意向を受け止め「この方にはこうしてさし上げたい」というものが重なった時にだけ初めて感動というものが生れるとの想いがますますふくらんできた。

相手(お客様)との関係で、唯一絶対的なものとして一人(客)一様の触れ合いが生れてはじめて、こころの底からゆさぶるような『感動』が生れる。

そして、人はその人間や店や企業のこころからのファンになるのではないだろうか。

その感動を受けた人は、その真のつながりから、誰から言われることもなく自分の意志で新しいファンを生み出してくれるのは間違いないのである。

『満足』『感動』の決定的な違いを改めて深く考えてみたいものである。

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

感動を得るリーダーのあなたへの言葉

  • 「顧客を『個客』として捉える」
  • 「満足は頭で思うものであり、感動はこころで感じるもの」
  • 「感動がファンを創る」
  • 「『一人(客)一様』の行動が、真の感動を創る」

リーダーのあなたへの問い掛け

水野秀則
水野秀則

  1. あなたの満足と感動のイメージはどういったものですか? あなたはどのようにして、ご自身のシン(真・深・新)のファンを創っておられますか?

(2020年9月4日リライト)

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