自分の言葉でこころから語った時、聞き手のこころは揺さぶられる

公開日: : 最終更新日:2013/11/14 リーダーのこの一言が組織を変える!

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(機関誌14号2002年2月)
自分「らしさ」があってこそはじめて、得た知識や情報が個性的に花咲くものだ!!

1.こんな出来事が!

 二世経営者の方ばかり10名程の会合に、ゲストとして参加させていただいた時のことである。30代前半と思われる1人の二世経営者が、周りの人の発言に静かに耳を傾けておられたが、一転して力強く私に質問をぶつけられた。「多くの人の前で話す時のコツとは何でしょうか」と。その方は言葉での問い掛けだけではなく、私に熱い視線を投げ掛けられた。その表情から、瞬間的に「話すことを苦手とし、本心から何とかしたい!」という想いを強く抱いておられることを察することができた。

 「人前で話される機会は多いのですか?」と私。「ええ、この会に入ってから特に増えました。周りの方が何十人何百人を前にしても、素晴らしい話しをされるのを見ていると、何とかしたい気持ちが強くなるばかりです。人に耳を傾けていただける話し方は、経営者、リーダーとして必須の能力だと思うので・・・」。私はその方への質問をさらに続けた。「どういった点がこれまでうまくいかなかったと、お感じですか?」その方は堰を切った様に自分の想いを次々と言葉にされていかれる。「結婚式の友人代表のスピーチでも頭が真っ白になり、ほとんど何も言えなくなったこともありました。」「建設業界にいるので、現場で職人さんや業者さんとの会話が多いのです。しかし、海外から入ってくる新しい経営手法や横文字のしゃれた言い回しや、時流の言葉をどう皆さんに理解してもらうように話すか ── これがまったく苦手です」

 その想いを十二分に受け止めての私からの投げ掛け、そしてさらに様々な角度からの言葉のキャッチボールが繰り返された。

 その結果「うまくやろうとせず、自分らしさを表現する。借り物の言葉は相手のこころには響かない。多数の中の一人だけに向かって、あたかも一対一で話している時の様に話す」といったことの大切さを、ご自身が改めて気付かれたのである。

2.私の想い

 多くの人の前での話を苦手とする人は案外多いように想う。私自身を振り返ってみても、そうであった。その方の何とかしたいという気持ちを聴けば聴くほど、「当時の私と同じだなぁ~」と想ったものである。緊張しないようにと思えば思うほど、自意識過剰で自滅していく。うまくやろうとすればするほど、自分らしさをどこかに置き忘れてしまう。聞く人にとって、話が抽象的でこころに響かないものになってしまっていた。

 こうなると目にするもの耳に飛び込んでくるもの、それら外から入ってくるあらゆるものが全て素晴らしいものに見えてくる。当時の私は周りに惑わされるばかりで力めば力むほど私というものを見失っていった

 そんな時に出会ったのが「トマトがトマトである限りそれは本物。トマトをメロンに見せようとするとそれはにせものとなる」という言葉である。つまり『自然体』『等身大』の大切さである。

3.日々への影響

 以前は自分にとっての自分らしさとは、あまりにも当たり前すぎて、大したものでないように写る場合が多かった。しかし、先程の言葉との出会い以降、「地球上に60億人という人間がいながら、自分と同じ人は1人として存在しない!」。これが現実であると改めて考えることになる。

 そのような「唯一無二の自分らしさを、これまで軽視していた面があった」と気付いたのである。

 自分のこころや固有の感じ方を失うことなく、周りから得たものを真に自分のものとして生かしていくことの大切さが身にしみたのである。自分「らしさ」があってこそはじめて、得た知識や情報が個性的に花咲くものだということをこころに深く感じることになった。そして、このことは私の迷いを吹き飛ばしてくれたのである。

4.志(仕)事での実践

 こうして私は、他の人と比較して「よくやろう!うまくやろう!」という発想はひとまず置いておくことにした。周りの人からの知識や情報になんとなく流されてしまうのではなく、自分らしさ、自分の原点をもち、貪欲に吸収する。そして、自分らしく取捨選択し、自分流に創り上げていく。

 『よりよく』という相対的な取り組み(周りと比べて自分をみる)ではなく、『自分らしく』やろうとする絶対での(比べない)取り組み(自分は唯一で素晴らしい、そしてその自分がどうしたいのか)で日々の生活やビジネスを力強く生き抜いていく。

 むやみに大輪の花や美しい花を咲かせるというよりも、たとえ目立たなくてもよいから自分らしい花を咲かせることに努力を積み重ねていきたい。

 人前で話をさせていただく時も、「何より自分の言葉で語り掛け、お一人おひとりのその人らしさを真正面から受け止め続けていきたい」そんな想いが今回の出来事を通じて、さらに深まったのである。

 前述の二世経営者の方は、きっと半年をまたずして自信のあるお話し振りで別人の様になられ、ご自分の言葉と想いで(テクニックではなく)多くの人の前でこころに響くお話をされておられることと想う。

 自分の言葉でこころから語った時、聞き手のこころは揺さぶられる

 あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

5.毎日の言葉

  • 「うまくやろうとせず、自分らしさを表現する」
  • 「自分『らしさ』があってこそはじめて、得た知識や情報が個性的に花咲くものだ」
  • 「トマトがトマトである限りそれは本物。トマトをメロンに見せようとするとそれはにせものとなる」
  • 「『自分らしく』やろうとする絶対での取り組み」
  • 「自分の言葉でこころから語った時、聞き手のこころは揺さぶられる」

6.自分を見つめる問い掛け

  1. あなたはご自分の個性・らしさと、周りからの情報や知識をどのように融合されておられますか?
  2. あなたは多くの人の前で話される時、どのようなことを大切にされておられますか?
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