事例体験から学びたい!

不慮のトラブルや事故も、実は自分がその種を撒いている!

運転適性診断の受験機会を通して、自分自身を見つめなおした事例

先日、自動車の運転適性診断(主催 自動車事故対策機構、略称NASVA・ナスバ)の受験機会を得た。

これはトラックやバス、タクシー等のプロドライバーの方々が、安全運転向上のためによく受けているものだ。

その他に初任運転者や、高齢運転者、事故を引き起こした運転者等、一部特定の運転者に対して、国土交通省により義務付けられていることもあるようだ。しかし、私たち一般ドライバーには、まだあまり馴染みがないものである。

 

当日は、まず生理的な機能検査として視力測定から始まった。

が、これも通常の視力だけではない。動体視力、深視力(両眼の能力を現し、遠近感や立体感の検査にあたる)や、暗い場所から急に明るい場所に変わった時の目の対応力を見るものまで、実に精緻なものである。

また、それまでまったく意識していなかった利き目の確認もあった。それは、腕に利き腕があるように、目も左右どちらかの目を主にしてものを見ているというものだ。これには正直言って驚いた。

次に、心理的な角度から見た様々な性格分析や安全運転態度を見る検査があった。日頃は意識した事はなかったが、運転する上での様々な自分自身の特性が浮かび上がって、びっくりさせられた。

自動車の運転は、いまや日常生活の中では当たり前のことになっている。それだけに、運転をする際の生理的な面や心理的な面での自分のクセを、理解しているようでまったく理解していなかったこともよくわかった。(当たり前になり無意識になっているからこそ、自分のクセを意識することもなかった)

 

 

こころのあり方が体に及ぼす影響の大きさの実感

この検査の最後のまとめとして、検査結果を元にした安全運転に役立つきめ細かなカウンセリングを受けることができた。その中で、印象に残りなるほどと思ったことが二つある。

一つは、「ドライバーでいう運転適性診断は、通常の健康診断に当たる。ハンドルを握るものの責任として、定期的に受けて自分の現時点でのクセをつかむことが必須だ」というもの。

二つ目は「知識や技術の不足で事故を起すことはそう多くない。むしろドライバーのこころが事故を引き起こしている」。先を急ぐ気持ち、人間関係のイライラ、仕事のストレス、運転に対するおごり等々」という言葉だ。

今回の体験を通して、改めて人間というものは、こころのあり方が体に及ぼす影響がどれだけ大きいかを実感することができたのである。

 

 

病気だけでなく、事故がないことで、はじめて心身ともに健康

適正診断を受けた私にズバリ影響として現れてきたのは、人生で大切な健康を損なう時 ― それは決して病気だけが引き金とは限らないという気持ちだった。

つまり、病気にならないために、いくら食事や運動に気を遣っていても不充分だ。

例えば、事故を未然に防ぐ安全に対する取り組みが弱ければ、健康は一瞬にして自分の手からこぼれ落ちてしまう。

まして、加害者として相手を傷つけた時の精神的なショックは計り知れないものだろう。

こころのあり方が何よりも大切ということである。

これまで交通事故を起したことがないのをいいことに、「自分だけは事故を起さないだろう」、「自分は運転にも慣れているから大丈夫」とする驕りや慢心があったようにも思う。病気だけではなく、事故がなくて、はじめて心身共に健康だと言えるものだと改めての気付きがあった。

 

 

私のこころのくせ「せっかち・いらだち・頭でっかち」から「おおらか・ほがらか・にこやか」に

日本での交通事故死はピークであった1970年代の年間死者17000人から、2002年8326人と確かに半減している。しかし、我々を取り巻く社会環境は複雑になり、様々なトラブルや事故に巻き込まれる機会はむしろ増え続けている。

 

そういう意味で、今回受けた運転適性診断を単なる交通安全という位置づけだけでとらえるだけでは不充分だと感じた。

むしろ、生活上のトラブル回避のために自分の特性やクセを浮かび上がらせるものとして、大いに活用していきたいものだと考えるようになったのである。

今回、自分自身が当事者として適性検査を受けたことで、自分のこころのクセとしてせっかち・いらだち、頭でっかちがはっきりと見えてきた。そこで、来年一年をかけておおらか・ほがらか、にこやかに転換していくことを決めたのである。

今回の運転適性診断では、単なる運転適性だけではなく、今あるこころのクセが顕著に現れてくることも身をもって経験したのであった。

自分の外にあるリスク(今回で言えば交通事故に巻き込まれるかもしれないリスク)に注目することよりも、自分自身のこころに巣くう慢心や驕り、感情のムラといった内側の真のリスク(今回の場合で言えば、先を急ぐ気持ちや、いらだち等をコントロールできない自分自身のリスク)を見つめ、自分を変えていくことのほうがよほど大切なのである。

 不慮の事故やトラブルも、実は自分がその種をまいている ― ここに気付き、自分自身を見つめることが、リスクを根本から退治する決め手になることを学ぶ実に貴重な機会となった。

あなたご自身は何を感じられ、どのように進めておられますか?

リーダーのあなたへの言葉

  • 「自分のクセを理解しているようでまったく理解していなかった」
  • 「運転適性診断は、通常でいう健康診断」
  • 「ドライバーのこころが事故を引き起こしている」
  • 「こころが体に及ぼす影響の強さ」
  • 「病気だけではなく、事故がなくて、はじめて心身共に健康」
  • 「おおらか・ほがらか、にこやか」
  • 「内側の真のリスクを見つめ、自分を変えていく」
水野秀則
水野秀則

  1. あなたにとって、生活上のリスクや事故は何が考えられますか?
  2. あなたはどのようにして、自分を見つめる機会をつくっておられますか?

(2021年4月6日リライト)

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